いすみ鉄道は、2013年3月9日から運行を続けてきたキハ28形2346号車について、2022年11月27日をもって定期運行を終了すると発表した。

  • いすみ鉄道のキハ28形2346号車。11月27日をもって定期運行を終了する

キハ28形2346号車は、2011(平成23)年までJR西日本の高山本線で活躍し、引退した後、国鉄急行色に塗り替えられ、いすみ鉄道へ譲渡された。国鉄時代に製造された急行形気動車キハ58系の中で唯一の営業車両であり、キハ52形125号車と組んだ2両編成でレストラン列車などに使用。観光鉄道の屋台骨となり、同社のエース車両として活躍してきた。

引退理由に関して、検査切れにより全般検査を施工する必要があるものの、全般検査を取得し、今後も営業車両として運行するために走行エンジンや冷房エンジン、付帯艤装の交換など行わなければならず、「これらすべてを施工するには現在のいすみ鉄道運賃収入の年間売上を超える金額が必要です」と同社。車両維持に多額の資金が必要なことに加え、エンジンが老朽化する中、交換部品の生産中止等で部品確保に困難を極めることもあり、「止むを得ずこの判断に至りました」としている。

約9年8カ月にわたる活躍に終止符を打つことになったキハ28形2346号車だが、「今後残る期間につきましては、鉄道ファンの皆様とともに充実した時間を創れるように創意工夫をしながらイベント等も計画してまいります」とのこと。定期運行終了後も、2月初旬まで貸切による不定期運行を計画している。引退後の処遇については「現在検討中」で、決まり次第、発表される。