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[ヘルスケアニュース] 2022/10/06[木]

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国内では年間90万人が受診しているが、まだまだ割合は低い

 生殖年齢の女性に最も多くみられる疾患であり、さまざまな症状を引き起こす「月経困難症」。月経に伴って起こり、月経直前から月経中に起こる下腹部痛や頭痛が主症状です。また、吐き気、不眠などの症状が起こることがあり、女性のQOL低下につながっています。特に現代社会においては、女性のライフサイクルも変化し、生涯月経回数は昔に比べておよそ10倍に増加しています1)

 その結果、月経困難症で悩む女性も増えています。日本ではこの疾患で年間約90万人が医療機関を受診していると言われていますが2)、欧米諸国の女性に比べて適切に医療機関を受診している割合は低いのが現状です。

月経困難症の症状を緩和するLEP製剤とは?

 この月経困難症に用いるLEP製剤。聞き覚えのない方も多いかもしれません。これは低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(Low dose Estrogen Progestin)の略称です。卵巣の働きを抑制するる卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲスチン)の2つの女性ホルモンが含まれており、腹痛や頭痛を和らげたり、月経の回数を減らすことにより、月経困難症の症状を改善します。この月経困難症とLEP製剤について、バイエル薬品が2022年9月7日に「月経による現代社会の健康問題と就労への影響を考える」をテーマとしたプレスセミナーを開きました。

 セミナーで講演した吉野修先生(山梨大学医学部産婦人科准教授)は、「月経困難症、子宮内膜症の社会に与えるインパクトは大きい」と指摘。LEP治療群と非LEP治療群に分けた観察研究を踏まえ、LEP治療により痛みだけではなく、月経に伴う不快症状やQOL、労働生産性に関する指標が変化したことを解説しました3)


 吉野修先生(バイエル薬品提供)

 また、月経困難症や子宮内膜症によって学業や就労、金銭面にも影響があることも示されました。特に金銭面では、月経困難症・子宮内膜症による生産性損失が1人当たり年間36万円4)、国全体で見ると月経困難症による経済的疾病負担が外来医療費および生産性損失を併せて年間6830億円に上ることがわかりました5)

まずは一度、婦人科を受診してほしい

 同セミナーには、中村寛子さん(fermata株式会社共同創業者CCO)も登壇しました。中村さんは自身の月経困難症の経験も活かし、女性の社会進出を推進するフェムテック企業を創業しています。フェムテックとは、女性特有の健康問題をテクノロジーにより解決することを目的とした製品やサービスのことで、最近注目されている取り組みです。


中村寛子さん(バイエル薬品提供)

 中村さんは「月経困難症は家族も抱えており、痛みや不快感が当たり前のことだと思っていた。でも海外の留学先で、女性たちが当たり前にLEP製剤を用いた治療を行っていることを知り、自分自身も使用することで、こんな快適な日々があったのかと驚いた」と自身の体験談を示しました。また、「月経に関する悩みは、話したい人もそうではない人もいることを踏まえつつ、悩みが共有できる場があるといいと思う」と見解を述べました。

 「まずはガマンせず、気軽に婦人科に受診してほしい」。両者は声を揃えました。月経困難症かなと思ったら、ガマンすることが当たり前と思わず、ぜひ一度、婦人科へ相談してみてくださいね。(QLife編集部)

1)女性の健康推進室 ヘルスケアラボ.[https://w-health.jp/introduction/lifestage/]
2)産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2017:日本産婦人科学会.日本産科婦人科医会.
3)Yoshino O, et al: Advances in Therapy 39; 5087-5104, 2022.[https://link.springer.com/article/10.1007/s12325-022-02118-0]
4)Arakawa I, et al: Cost Eff Resour Alloc 16; 12, 2018.
5)Tanaka E, et al: J Med Econ 16; 1255-1266, 2013.[https://www.tandfonline.com/doi/full/10.3111/13696998.2013.830974]

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