南海電気鉄道と京三製作所は13日、「係員付き自動運転(GoA2.5)」の実現に向けて、和歌山港線で8月頃から自動運転走行試験を開始すると発表した。南海電鉄の車両8300系2両編成を使用する。

  • 南海電鉄の車両8300系

両社は生産年齢人口減少による労働力不足の社会課題解決等をめざし、2022年7月から自動運転実証試験の準備を行ってきた。自動運転走行試験は、自動運転システムの安全性・安定性と、自動運転時に係員が行う作業における課題抽出を目的に行われる。

具体的には、南海電鉄が使用している「自動列車停止装置(ATS-PN)」、京三製作所と共同開発した「高機能型の自動列車運転装置(高機能ATO)」を組み合わせた自動運転システムの安全性の確認、運転士が運転する際と同等の目標速度への加速・減速・停止精度等の試験が行われるという。

  • 自動運転走行試験は和歌山港線(和歌山市~和歌山港間)で実施される

  • 「高機能型の自動列車運転装置(高機能ATO)」に記録させる地上情報のデータ作成(京三製作所)

  • 「高機能型の自動列車運転装置(高機能ATO)」や乗務員用の操作表示部(車両設備)

  • 「自動列車停止装置(ATS-PN)」

8月頃から和歌山港線(和歌山市~和歌山港間2.8km)で試験を開始し、8300系2両編成を走行試験車両として使用。運転士が乗務した状態で昼間・夜間ともに実施する。乗客が乗っている列車での走行試験は行わない。

試験結果を踏まえ、有識者で構成する「GoA2.5自動運転検討委員会」で安全性評価を得た後、導入を目標とする線区(高師浜線、和歌山港線)での自動運転実現に向けて検討予定としている。