千葉県立千葉工業高等学校とNTT東日本 千葉事業部は7月4日、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に関する連携協定を締結。締結式には、千葉工業高校 学校長の草刈廣直氏とNTT東日本 執行役員 千葉事業部長の境麻千子氏が出席した。

  • 千葉工業高校 学校長の草刈廣直氏(左)とNTT東日本 執行役員 千葉事業部長の境麻千子氏(右)

今回の協定は、教育分野におけるDXを推進していくことで、将来、工業界の有能な人材として活躍できる優秀な技術者の育成に向けて、すべての生徒、職員にデジタル化の恩恵が行き渡るよう、千葉工業高校とNTT東日本が相互連携を行うというもの。ICT技術を活用した学校業務運営の効率化に加え、ドローンやVRなどの最新技術を授業に取り入れるほか、情報リテラシーやモラルの啓発活動を行うことで、学校教育の充実を図っていくとしている。

千葉工業高校の卒業生の就職先としての繋がりがあったというNTT東日本 千葉事業部だが、千葉工業高校による「千葉県誕生150周年カウントダウンボード」の制作をサポートしたことをきっかけに結びつきがさらに強まり、教育現場が課題としていたDX推進にも協力できないかという話から、今回の協定の話がスタートしたという。

DX推進は「どの産業分野においても喫緊の課題」という草刈校長は、「今後は、教材制作や授業での効果的なICT機器の活用に、先進的な技術やノウハウなど、力をお借りしながら、生徒の個別最適な学びを進めてまいりたい」と意欲をみせ、「授業の効率化により、事務量が軽減し、生徒からの相談などをじっくりと聞く時間を確保することが、これまで以上にしやすくなる」と、DX推進は、生徒だけでなく、職員側にもメリットが大きいことを強調した。

一方、境氏は、GIGAスクール構想の推進に向けて、学校におけるICT環境の整備が進められている中、ICTスキルを持った技術者育成のためには、「学生の皆様だけでなく、先生方のICTスキルも求められている」と現状を分析。自分達が考えたものを提案するだけでなく、学校側、生徒側の意見を聞きながら、密な連携を取りつつ、「アイデアをいただきながら、私達の技術でフォローして、一緒に良いものを作っていきたい」と、今後の展望を語った。

協定締結による具体的な動きはこれから協議されることになるが、草刈校長は「ICTを活用した教育活動を強化」を第一に挙げ、生徒のキャリアアップに繋がる活動を念頭に置きつつ、「教育活動全体でどのように活用できるかを今後考えていきたい」と話す。今回の協定は最新の技術や技能を学べるチャンスであり、実際に社会で必要とされる実践的な学びを取り入れることができる機会と捉え、「将来、良き社会人として活躍できる人材育成に務めていきたい」と、協定締結の効果にあらためて期待を寄せた。