「サブカルチャー」「サブカル」は、日本における大衆文化を指す言葉としてよく知られています。しかしサブカルチャーが、具体的にどのような文化を指すのか知らない人も多いでしょう。この記事では、サブカルチャーの意味や具体例などを紹介します。

  • 「サブカルチャー」とは何なのかをわかりやすく解説

    サブカルチャーの意味や具体例・関連語を解説する記事です

「サブカルチャー」とは何なのかをわかりやすく解説

  • 「サブカルチャー」とは何なのかをわかりやすく解説

    「サブカルチャー」の意味や由来などを解説します

日本では「オタク文化」などマイナーな文化のことを総称して「サブカルチャー」「サブカル」と表現することがあります。しかし、なぜ「サブカルチャー」と表現するのか、くわしく知らずに使っている人も多いでしょう。

ここでは「サブカルチャー」とは何なのかをわかりやすく解説していきます。

「サブカルチャー」の意味

「サブカルチャー」は英語由来の言葉で、元々は「subculture」という言葉でした。

日本語にすると「下位文化」あるいは「副次文化」となります。社会において一般的な行動様式・価値観などを全体としての文化と考える場合に、その文化の主流ではなく、独自の性質を持つ独立した文化のことを指します。

具体的には、日本の漫画やアニメ、アイドルなどに関連する文化、いわゆるオタク文化がサブカルチャーの代表例です。

「サブカルチャー」という言葉の成り立ち

「サブカルチャー」は「サブ」「カルチャー」という2つの言葉の組み合わせで成り立っています。

「サブ」には「副の」「下位の」という意味があり「カルチャー」の意味は「文化」「文化社会」です。

「サブ」が「カルチャー」を修飾する形で「下位の文化」「副次的な文化」という意味がある「サブカルチャー」という言葉が生まれました。

「サブカルチャー」の由来

「サブカルチャー」という言葉は「total culture」「main culture」に対比する言葉として生まれました。

「total culture」とは、「ある社会の全体的な文化」という概念です。また「main culture」とは「主要な文化」を指します。

つまり「サブカルチャー」は、全体的な流れや主流となる文化とは異なり、独特の行動様式や価値観を表す「文化の中の文化」を指す言葉として生まれました。

サブカルチャーの街とは

日本には地域によって独自の文化がある街が多くあり、中でも東京にはアニメや漫画、音楽や劇団など、サブカルチャーが盛んな街が点在しています。

代表的なのは秋葉原で、アニメ・漫画・ゲーム・アイドルなどのオタク文化の聖地です。

秋葉原と並ぶサブカルチャーの聖地として有名な街に、中野があります。アイドルやアニメグッズを取り扱う店が集中しているエリアがあり、サブカルチャーの街として人気の街です。

また、池袋にある「乙女ロード」もサブカルチャーの街として知られています。アニメグッズや同人誌を取り扱っている店が集中していることがオタク文化の聖地といわれる理由です。

また演劇や古着の街として知られる下北沢も、サブカルチャーの街として人気があります。

日本における「サブカルチャー」の具体例

  • 日本における「サブカルチャー」の具体例

    日本での「サブカルチャー」の具体例を紹介していきます

日本には海外では見られないような、独自のサブカルチャーが形成されています。ここでは、日本独自のサブカルチャーにはどのようなものがあるのか、具体例を紹介していきます。

漫画・アニメ

日本を代表するサブカルチャーとして挙げられるのが、漫画やアニメです。絵画や純文学、古典演劇などをハイカルチャーとすると、それに対比するサブカルチャーがアニメや漫画などとなります。

ハイカルチャーである絵画や純文学などに比べると、漫画やアニメは歴史が短いものの、日本国内だけでなく海外からも人気を集めているジャンルです。

アイドル

「アイドル」とは、英語の「idol」由来の言葉で、崇拝される人やもののことを指します。日本におけるアイドルは、主に10代から20代の歌手や俳優、タレントを指すことが多いです。

テレビに登場するような誰でもが知るアイドルだけでなく、大人数のアイドルグループや地下アイドル、ご当地アイドルなど種類が多く、海外にもファンがいるアイドルもいます。

コスプレ

「コスプレ」とは、「コスチュームプレイ」から派生した和製英語です。漫画やアニメ、ゲームなどの登場人物の衣装・ヘアスタイルなどに、変装・変身することを指します。

コスプレをする人を「コスプレイヤー」「レイヤー」などと呼び、愛好者は多いです。

コスプレ愛好者や同人誌サークルが集まる「コミケ(コミックマーケット)」というイベントが開催されるなど、サブカルチャーのなかでもコスプレは盛り上がっているジャンルといえます。

音楽

伝統的なクラシック音楽(ハイカルチャー)や、誰にでもよく知られているようなポップミュージック(トータルカルチャー)などが主流の音楽といえます。一方音楽におけるサブカルチャーは、これらとは逆のマイナーな音楽を指すことが多いです。

例えばライブハウスのみで聴ける音楽や、インディーズバンドの音楽などがサブカルチャーの音楽に当たります。

「サブカルチャー」の関連語

  • 「サブカルチャー」の関連語

    「サブカルチャー」と関連が深い言葉を紹介していきます

「サブカルチャー」には、似たようなジャンルを指して使われる関連語がいくつかあります。ここでは「サブカルチャー」とともに押さえておくべき関連語について見ていきましょう。

ポップカルチャー

「ポップカルチャー」とは「大衆文化」「大衆小説」「ポピュラー音楽」「漫画」「ゲーム」などの意味がある言葉です。

クラシック音楽や古典演劇などを指す「ハイカルチャー」の対義語であり、「ポップカルチャー」は「サブカルチャー」と共通する部分もあります。

ただし「サブカルチャー」に比べて、一般大衆に広く愛好される文化を指す点が、「サブカルチャー」との違いです。

ユースカルチャー

「ユースカルチャー」とは「若者文化」「青年文化」を意味する言葉です。全体的な文化を指す「total culture」と対比されることがある概念であり、「サブカルチャー」の一部でもあります。

ユースカルチャーは、男女問わず青少年に支持されている文化のことを指し、ファッションや音楽などについて語られることが多いです。

サブカル系

「サブカル系」とは、少数派でマニアックなものを愛好する人のことを指す言葉です。大衆が支持するものよりもマニアックなものが好きな男性や女性のことを指して「サブカル系男子」「サブカル系女子」と表現することもあります。

オタク文化

「オタク」とは、自分が好きなものや興味を持っている分野に対して、一般よりも深く愛好する人のことを指します。

日本では、アニメやアイドルなどに関する文化が「オタク文化」として認識されています。つまりオタク文化とサブカルチャーは、共通する部分があるということです。

ハイカルチャー

「ハイカルチャー」とは「高級な文化」のことで、具体的には絵画や古典芸術、伝統芸能やクラシック音楽などを指します。過去には貴族など身分が高い人だけの文化であったため「高級な」という意味がある「high」が使われていました。

つまり「ハイカルチャー」とは「サブカルチャー」や「ポップカルチャー」とは反対の意味の言葉です。「サブカルチャー」の対義語として、押さえておきましょう。

「サブカルチャー」とともに押さえておきたい若者言葉

  • 「サブカルチャー」とともに押さえておきたい若者言葉

    「サブカルチャー」とともによく使われる若者言葉を紹介します

日本には「サブカルチャー」と同じように、独特の使い方がある若者言葉が時代とともに誕生しています。ここでは「サブカルチャー」と同様に、よく使われる若者言葉を紹介します。

リアタイ

「リアタイ」とは「リアルタイム(real time=即時・同時)」から派生した若者言葉です。「リアタイする」で「リアルタイムで(TVや動画配信などを)視聴する」という意味になります。

録画や再放送ではなく、放送時間や配信時間にリアルタイムで視聴する場合に「リアタイする」と表現します。

「草(くさ)」とは、SNSやインターネット掲示板などで広がった、ネットスラング由来の言葉です。「草生える」という使い方をすることもあり「笑い」「面白い」などの意味があります。

「草」の由来は、ネットスラングで「(笑)」です。「笑」をローマ字表記した「warai」が「w」となり、徐々に「www」など、wの数を増やして大きな笑いを表現するようになりました。

「www」は、草が生えているかのように見えることから「草」に変化し「草」という表現が日常会話でも使われるようになりました。

クソコテ

「クソコテ」は、若者によく使われるネットスラングのひとつです。他のユーザーから見ても不快になるような内容の投稿をするユーザーを指します。

「コテ」は「固定ハンドルネーム」が「コテハン」となり、さらに「コテ」と省略されたことが由来の言葉です。

マジで

「マジで」とは「本当に」「とても」などを意味する若者言葉です。あらたまった場面では使いにくいかもしれませんが、プライベートでは気軽に使える言葉として浸透しています。

やばい

「やばい」という言葉は、元々は「危ない」という意味で使われていました。

しかし若者言葉として意味が変化し「かわいい」「すごくいい」「かっこいい」などの意味で使われています。

沸いた

「沸いた」とは「気持ちが高揚して気分が上がっている状態」を指す言葉です。気持ちの高ぶりを、水が沸騰する様子に例えた若者言葉としてよく使われています。

「サブカルチャー」とは主流ではない独立した文化を指す言葉

「サブカルチャー」とは、社会の中で主流ではない独立した文化を指す言葉です。「トータルカルチャー」「メインカルチャー」の対比として生まれました。

アニメやアイドルなど日本のサブカルチャーは、海外の人からも注目を集める存在です。秋葉原や下北沢など、サブカルチャーの聖地といわれる場所もあります。

「オタク文化」「ポップカルチャー」など、サブカルチャーと関連の深い言葉も多いです。この記事で紹介した内容を参考に、違いを理解して使い分けてみてください。