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開幕連勝のブライトンが通算53クラブ目に! プレミアリーグの“首位在籍日数”を深掘り

2023.08.24

プレミアリーグで開幕連勝を飾ったブライトン [写真]=Getty Images

 日本代表FW三笘薫を擁するブライトンの勢いが止まらない。2023-24シーズンのプレミアリーグで開幕2連勝を飾り、122年のクラブ史において初めてイングランドのトップリーグで首位に立ったのだ。
 
 三笘の2試合合計1ゴール2アシストという活躍もあり、開幕2連勝と好スタートを切ったブライトン。プレミアリーグ第2節を終えた時点での全勝は3チームのみとなっており、ブライトン以外ではリーグ4連覇を目指す絶対的王者のマンチェスター・シティと昨シーズン2位のアーセナルが順当に連勝スタートを切った。
 
 飛ぶ鳥を落とす勢いのブライトンは、開幕戦で昇格組のルートンを4-1で退けると、第2節のウルヴァーハンプトン(ウルブス)戦では三笘が超絶ソロゴールを決めて再び4-1で勝利。ここまで8得点2失点、得失点差「+6」でマンチェスター・シティアーセナルを抑えて首位に立っているのだ。そのブライトンは、ウルブス戦に勝利した8月19日にクラブ史上初めてイングランドのトップリーグで首位に浮上した。彼らは、135年の歴史を誇るイングランドのフットボールリーグにおいて「53クラブ目」となる首位チームとなったのである!

三笘薫

三笘薫の活躍もあり首位の座に立っているブライトン


 
 次節の第3節は、チェルシーとルートン・タウンが一足先に25日にぶつかるが、どちらが勝利してもブライトンの勝ち点「6」には届かないため首位の座は安泰。そのためブライトンは少なくとも26日まで「7日間」は世界最高峰のリーグの1位として過ごせることになる。
 
 それではブライトンが初めて経験するプレミアリーグの「首位の座」を深掘りしてみよう。

[写真]=Getty Images
 
■今シーズンの首位在籍日数

ブライトン

ブライトンは今後も首位の座を守ることができるか


 
 ブライトンが少なくとも「7日間」は首位に立つわけだが、シーズン終了まで36節も試合が残っており、まだまだ先は長い。8月11日のバーンリーvsマンチェスター・シティで幕を開けた今シーズンは、最終節となる第38節が行われる来年5月19日まで9カ月間の長丁場だ。日数に直すと実に「283日間」の戦いになる。
 
 これから幾度となく順位が入れ替わっていくことだろう。既に何度か首位の座は入れ替わっており、開幕日の8月11日にマンチェスター・シティがバーンリーを3-0で倒して首位に立つと、翌12日にはニューカッスルがアストンヴィラを5-1で粉砕して首位を奪還。そこから7日間は1位をキープしたが、彼らは第2節にマンチェスター・シティに敗れて首位の座から陥落した。そして同日、2戦連続で4-1の大勝を収めたブライトンが首位に立つこととなった。
 
 ここまで首位の在籍日数はブライトンが「7日」、ニューカッスルが「7日」、マンチェスター・シティが「1日」という計算になる。ただし、どれだけ長く首位の座をキープしても、最終的に物を言うのはシーズン終了後の順位である。それを誰よりも痛感したのは昨シーズンのアーセナルだろう…。
 
■昨シーズンの首位在籍日数

マンチェスター・シティとアーセナル

昨季のプレミアリーグはマンCとアーセナルの一騎打ち状態に


 
 昨シーズンは、FIFAワールドカップカタール2022による中断期間を迎えたときも、クリスマスも、元日も、そしてバレンタインデーもアーセナルが首位に立っていた。その後、一瞬だけマンチェスター・シティに首位の座を譲るも、再び1位に返り咲くとエイプリルフールも首位で過ごした。だが、問題はそこからだった。マンチェスター・ユナイテッドで黄金期を築いた名将サー・アレックス・ファーガソンの言葉を借りるならば、シーズン終盤の「スクイーキー・バム・タイム(ソワソワしてお尻がシートとこすれて音を立てる時間)」を迎えてアーセナルは失速。4試合連続で勝利を逃すなど、リーグ戦の終盤9試合で「3勝3分け3敗」と不振に喘ぎ、マンチェスター・シティに栄冠を譲ったのだ。
 
 昨シーズンのアーセナルは実に「248日間」も首位の座に立っていた。開幕した2022年8月5日から翌年5月28日まで「297日間」のシーズンにおいて実に83.5パーセントの期間を首位で過ごしながら優勝を逃したのである。一方、リーグ3連覇を果たしたマンチェスター・シティは「42日間」しか首位に立たなかったのだ。シーズン序盤に一時的に首位に浮上したほか、2月のアーセナルとの直接対決を制して数日間だけ首位に立ったが、シーズン最終盤に到達するまではずっと2位に甘んじていた。それでも最後の直線でアーセナルを追い抜いて見せたのだ。
 
アーセナルが240日以上も首位というデータを見た。僕らはずっと追いかける立場だったが、全てが決するのはシーズン終盤戦なんだ。マラソンと同じさ。マンチェスター・シティには優勝してきた経験があるからね」とノルウェー代表FWアーリング・ハーランドも肝心なのは終盤戦だと語っていた。
 
 ちなみに昨シーズン、マンチェスター・シティアーセナル以外で首位に立ったのはトッテナム(開幕戦後の7日間)。2022-23シーズンのプレミアリーグでは実にその3チームしか首位に立たなかったのだ。
 
■長期間1位に君臨しながら…

アーセナル

昨季は長期間に渡り首位の座を守りながらも優勝を逃したアーセナル


 
 昨季シーズンのアーセナルは不名誉な記録を打ち立てしまった。それがプレミアリーグにおいて、シーズン中に最も長期間1位に立ちながら優勝を逃すという記録だ。前述通り、アーセナルは「248日間」も1位に立ちながら最終的に2位に終わった。これが最長記録となっており、それに続くのが1995-96シーズンのニューカッスルの「212日間」だ。ケヴィン・キーガン監督の下で快走していたマグパイズ(ニューカッスルの愛称)だが、アレックス・ファーガソン監督のマインドゲームにも翻弄され、最終的にマンチェスター・ユナイテッドに優勝を譲った。
 
 3番目以降は2002-03シーズンのアーセナル(189日間)、続いて1997-98シーズンのマンチェスター・ユナイテッド(187日間)、そして2007-08シーズンのアーセナル(156日間)となっている。
 
■プレミアリーグ通算の首位在籍日数は?

マンチェスター・ユナイテッド

ファーガソン元監督のもとで数々のタイトルを獲得したマンU


 
 1992年に発足したプレミアリーグの歴史を振り返ると、これまで首位に立った日数が最も多いのは、やはり最多13回の優勝を誇るマンチェスター・ユナイテッドだ。データサイト『Opta』によると、ファーガソン政権時代に黄金期を築いたマンチェスター・ユナイテッドは実に「2362日」も首位を経験しており、2000日を超えた唯一のチームとなっている。とはいえ、彼らは直近10年間もリーグ優勝から遠ざかっており、最後に首位に立ったのも2年近く前のことだ(2021年9月)。
 
2番目に多いのはアーセナル…かと思いきや、実はチェルシーだという。ロマン・アブラモヴィッチ元オーナーが大改革を起こしたクラブは5度の優勝を達成しており、これまでに合計「1590日間」も首位に立ってきた。2014-15シーズンにはジョゼ・モウリーニョ監督の元で圧巻の強さを発揮。シーズン282日間のうち実に「274日間」も1位の座をキープし、1993-94シーズンのマンチェスター・ユナイテッドのシーズン首位在籍日数の記録(262日間)を更新した。
 
 ちなみに、この記録は二度と塗り替えられないと思われていたが、世界的パンデミックによって更新されることになる。2019-20シーズンは、コロナ禍の影響で3月から6月まで3カ月間もシーズンが中断することになり、最終的に全日程が終了したのは7月末。2019年8月9日から翌年7月26日まで歴代最長の352日間のシーズンとなったのだ。そのシーズン、リヴァプールが圧倒的な強さを誇り「345日間」も首位に君臨して30年ぶりにリーグ制覇を成し遂げた。これが最長記録となっているが、2019-20は異例のシーズンだったため除外して考えるべきか…。
 
 プレミアリーグ通算の首位在籍期間のデータに戻ると、3位はアーセナルで「1236日間」。そして4位がマンチェスター・シティの「1077日間」となっている。アーセナルは1236日間で優勝3回。一方のマンチェスター・シティは1077日間で倍以上の優勝7回。アーセナルは惜しいシーズンが何度もあり、効率の悪さを露呈していると言っても過言ではない。
 
 通算の首位在籍日数で1000を超えているのは以上の4チームだけ。それ以下の順位は5位リヴァプール(834日間)、6位ニューカッスル(367日間)、7位ブラックバーン(238日間)、8位レスター(188日間)となっているそうだ。
 
 果たして今シーズンは、どのクラブが最終的に首位の座に立っているのか? 今後の首位チームの入れ替わりに注目したい。

(記事/Footmedia)

By Footmedia

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

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