タニタは7月27日、「熱中症に関する意識・実態調査2023」の結果を発表した。調査は6月14日~15日、全国の15歳以上の男女1,000名を対象にインターネットで行われた。

熱中症を意識するシーンは?

  • 熱中症警戒アラート/暑さ指数(WBGT)の認知率

    熱中症警戒アラート/暑さ指数(WBGT)の認知率

熱中症を意識するシーンを聞いたところ、「屋外でスポーツ・運動をしているとき」(44.0%)、「屋外のイベント(フェスなど)に参加しているとき」(29.4%)、「屋外(公園、遊園地、プール・海など)で遊んでいるとき」(26.6%)、「スポーツ観戦をしているとき」(21.3%)、「屋内でスポーツ・運動をしているとき」(19.4%)が上位に。昨年(2022年)調査と比較すると、新型コロナ対策が新たな段階を迎えたことに伴い、「屋外」での活動で熱中症を意識する機会が増加しているよう。

「熱中症警戒アラート」認知率は78%

また、環境省と気象庁が"暑さ指数"(WBGT)を基準に発表している「熱中症警戒アラート」について聞いたところ、認知率は77.8%と、2021年調査の63.0%から大幅に上昇。熱中症警戒アラートとは、熱中症の危険性が極めて高くなると予測された際に、危険な暑さへの注意を呼びかけ、 熱中症予防行動をとるよう促すための情報。

一方、「暑さ指数(WBGT)」(気温・湿度・輻射熱を取り入れた指標で、黒球温度、湿球温度、乾球温度の測定値から算出)の認知率は51.5%と、昨年と比べて4.5ポイント上昇(2022年47.0%)するなど、暑さ指数(WBGT)に対する認知と理解が年々進んでいる実状が明らかに。暑さ指数について「知らなかった」と回答した人は48.5%だった。

  • 熱中症警戒アラートが発表された際の予防行動

    熱中症警戒アラートが発表された際の予防行動

続いて、熱中症警戒アラートが発表された際の予防行動を聞いたところ、「喉が渇く前に水分補給をした」(55.5%)、「外出を控えた」(38.5%)、「いつもより積極的にエアコンを使用した」(37.5%)といった行動を中心に、82.6%が何かしらの対策を取っていることが明らかに。

新設される「熱中症特別警戒アラート」とは

また、2023年4月、改正気候変動適応法が成立し、従来の熱中症警戒アラートより一段上の「熱中症特別警戒アラート」が新設されることに対する認知状況を聞いたところ、認知率は44.1%となった。

  • 熱中症予防のために気にしているもの

    熱中症予防のために気にしているもの

屋内・屋外で熱中症にならないためにしていることは?

次に、熱中症にならないために気にしている(注意を払っている)ものを教えてもらったところ、【屋内】では「気温」(51.0%)、「自身の体調」(42.2%)、「湿度」(33.6%)、「天気(晴れ・曇り・雨など、気温や湿度を除く)」(28.0%)、「自身の行動(激しい運動は避ける、など)」(22.1%)が上位となり、「熱中症警戒アラート」(15.2%)や「暑さ指数(WBGT)」(9.3%)は1割~1割半にとどまる結果に。

一方、【屋外】にいるときは、「気温」(55.3%)や「日差し」(53.5%)を気にする人が特に多く、次いで「自身の体調」(45.6%)、「天気(晴れ・曇り・雨など、気温や湿度を除く)」(45.1%)、「自身の行動(激しい運動は避ける、など)(31.7%)と続いた。

熱中症の危険度を判断する情報源は?

また、どのような情報から熱中症の危険度(その日の熱中症のなりやすさ)を判断しているかを聞くと、「テレビの天気予報」(46.4%)、「天気予報サイト(アプリ含む)」(32.3%)、「熱中症警戒アラート」(22.8%)、「ポータルサイトの天気情報(アプリ含む)」(22.4%)が上位に。さらに「公共施設(学校・市民グランド・体育館・公民館・公園など)や人が集まる場所において、地点ごとに熱中症の危険度がわかるようにしてほしいと思いますか?」と尋ねたところ、80.8%が「そう思う」「非常にそう思う」と回答した。