フォトジャーナリスト 林 典子
待望の初写真集
キルギスの誘拐結婚
- 価格:本体2,600円+税
- 林 典子 著
- サイズ:天地228mm×左右250mm、140ページ、ハードカバー
- 発行日:2014/6/16
- オールカラー
- ISBN:9784863132818
- 直販商品番号:G12340
仲間を連れた若い男が、嫌がる女性を自宅に連れていき、一族総出で説得し、無理やり結婚させる ―― キルギス語で「ала качуу(アラ・カチュー)」と呼ばれる「誘拐結婚」は、キルギス語の字義通りに訳せば、「奪って去る」という意味だ。以前からの知り合いの男に誘拐されることもあるが、2、3回会った程度の顔見知りや一度も見たことのない男から、突然誘拐されるケースもある。キルギスの人口の7割を占めるクルグズ人。その女性の約3割が誘拐により結婚していると、地元の人権団体は推定している。
その実態を取材すべく、フォトジャーナリスト、林典子は、2012年7月からキルギスへ。5カ月間の滞在中、実際に誘拐現場に数回遭遇。誘拐で結婚した約25組の夫婦や女性たち、いったんは結婚を受け入れたものの数日後に逃げ出した女性や、離婚の準備を進めている女性たちを取材。さらに2014年1月から1カ月余りの追加取材を行い、彼女たちのその後の暮らしぶりを撮影。本書には、そんな女性たちの「物語」が生々しく写し出されている。
誘拐したトゥシュトンベックの自宅に連れてこられた、20歳の大学生、ファリーダ。トゥシュトンベックの身内の女性たちがファリーダを待ち構え、家の中へ無理やり連れて行く。
2012年7月7日。2日前に23歳のアマンに誘拐され、6時間の抵抗の末、結婚を受け入れた、18歳のチョルポン。結婚式の朝、コショゴ(新婦夫婦の寝床と部屋を仕切るカーテン)の中で招待客を待つ。
アイティレックとバクティエル。バクティエルに好意を抱いていたアイティレックは、誘拐直後に結婚を承諾していたが、携帯電話も通じない牧草地に連れて行かれるとは考えもしなかった。
高校教師のアフマット(23歳)に誘拐された、22歳の大学生、ディナラ。アフマットの親族の女性から、花嫁の象徴である純白のスカーフを無理やりかぶせられそうになり、泣き叫びながら抵抗する。
深夜、台所で結婚パーティーの後片付けをしていたディナラに近づき、キスをするアフマット。
2014年2月、誘拐で結婚してから1年4カ月後、ディナラは臨月を迎えていた。