キルギスの誘拐結婚

キルギスの誘拐結婚

フォトジャーナリスト 林 典子
待望の初写真集
キルギスの誘拐結婚

  • 価格:本体2,600円+税
  • 林 典子 著
  • サイズ:天地228mm×左右250mm、140ページ、ハードカバー
  • 発行日:2014/6/16
  • オールカラー
  • ISBN:9784863132818
  • 直販商品番号:G12340

内容紹介

  • 『ナショナル ジオグラフィック日本版』に掲載した写真や、一年半後に追加取材した写真、計76点を収録
  • 世界規模の報道写真祭で最高賞を受賞した写真でつづる、真実の姿
  • フォトジャーナリスト 林 典子 待望の初写真集

 仲間を連れた若い男が、嫌がる女性を自宅に連れていき、一族総出で説得し、無理やり結婚させる ―― キルギス語で「ала качуу(アラ・カチュー)」と呼ばれる「誘拐結婚」は、キルギス語の字義通りに訳せば、「奪って去る」という意味だ。以前からの知り合いの男に誘拐されることもあるが、2、3回会った程度の顔見知りや一度も見たことのない男から、突然誘拐されるケースもある。キルギスの人口の7割を占めるクルグズ人。その女性の約3割が誘拐により結婚していると、地元の人権団体は推定している。
 その実態を取材すべく、フォトジャーナリスト、林典子は、2012年7月からキルギスへ。5カ月間の滞在中、実際に誘拐現場に数回遭遇。誘拐で結婚した約25組の夫婦や女性たち、いったんは結婚を受け入れたものの数日後に逃げ出した女性や、離婚の準備を進めている女性たちを取材。さらに2014年1月から1カ月余りの追加取材を行い、彼女たちのその後の暮らしぶりを撮影。本書には、そんな女性たちの「物語」が生々しく写し出されている。

林 典子 Hayashi Noriko

1983年生まれ。大学在学中に、西アフリカ・ガンビアの地元新聞社、ザ・ポイント紙で写真を撮りはじめる。「ニュースにならない人々の物語」を国内外で取材。ナショナル ジオグラフィック日本版で、2012年9月号「失われたロマの町」、2013年7月号「キルギス 誘拐婚の現実」を発表。その他、米ワシントン・ポスト紙、独デア・シュピーゲル誌、仏ル・モンド紙、デイズ・ジャパン誌、米ニューズウィーク、マリ・クレール誌(英国版、ロシア版)など、数々のメディアで作品を発表。著書に、『フォト・ドキュメンタリー 人間の尊厳 ―― いま、この世界の片隅で』(岩波書店)。

  • [受賞歴]
  • 2011年 第7回名取洋之助写真賞
  • 2012年 第8回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞1位
  • 2013年 米アレクシア写真財団写真賞ファイナリスト
    フランス世界報道写真祭「ビザ・プール・リマージュ」特集部門最高賞「ビザ・ドール(金賞)」
  • 2014年 全米報道写真家協会(NPPA)「フォトジャーナリズム大賞」現代社会問題組写真部門1位

誘拐結婚の実態に迫る写真

誘拐したトゥシュトンベックの自宅に連れてこられた、20歳の大学生、ファリーダ。トゥシュトンベックの身内の女性たちがファリーダを待ち構え、家の中へ無理やり連れて行く。

2012年7月7日。2日前に23歳のアマンに誘拐され、6時間の抵抗の末、結婚を受け入れた、18歳のチョルポン。結婚式の朝、コショゴ(新婦夫婦の寝床と部屋を仕切るカーテン)の中で招待客を待つ。

アイティレックとバクティエル。バクティエルに好意を抱いていたアイティレックは、誘拐直後に結婚を承諾していたが、携帯電話も通じない牧草地に連れて行かれるとは考えもしなかった。

高校教師のアフマット(23歳)に誘拐された、22歳の大学生、ディナラ。アフマットの親族の女性から、花嫁の象徴である純白のスカーフを無理やりかぶせられそうになり、泣き叫びながら抵抗する。

深夜、台所で結婚パーティーの後片付けをしていたディナラに近づき、キスをするアフマット。

2014年2月、誘拐で結婚してから1年4カ月後、ディナラは臨月を迎えていた。

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