2005年より「別冊マーガレット」(集英社)で連載中の人気コミックス『君に届け』。累計1600万部(2011年3月)を突破し、1月からは待望の2ND SEASONの放送が始まり、好評を博している。そうした中、アニメ・原作の展示会と豪華キャスト・アーティストが登場するステージイベント「北幌高校終業式~本気すぎる! (下心入り)ホワイトデー~」が5日、池袋・サンシャイン噴水広場で開催された。

『君に届け』1ST SEASONに続き、この場所で2回目となる同イベント。能登麻美子(黒沼爽子役)、浪川大輔(風早翔太役)、三瓶由布子(吉田千鶴役)、中村悠一(真田龍役)、平野綾(胡桃沢梅役)、タニザワトモフミ、MAY'Sが登壇した。吹き抜けとなっている噴水広場で行われるイベントを見ようと、地下1階から地上3階まで大勢の観客で溢れた。

タニザワトモフミ

第一部では、TVアニメ「君に届け 2ND SEASON」のOPを担当するタニザワトモフミが「爽風」、MAY'SがED「君に届け...」を歌い、観客は『君に届け』の世界観に浸った。イベント中、「君に届け」1ST SEASONのOP「きみにとどけ」も歌ったタニザワは、「(『君に届け』のOPを歌うようになって)これまでは20代の女性・男性が多かったんですけど、ライブに中学生の女の子が来てくれるようになりました。かと思いきや、そのお母さんが来てくれたりして、平均年齢は変わりませんね(笑)」と笑いながらも、"きみとど"効果を改めて実感。自身も『君に届け』のファンで、漫画も全巻持っていることを明かし「『君に届け』は永遠に不滅です!!」と熱く語った。

続いて、MAY'Sが、ED「君に届け...」を披露。ボーカルの片桐舞子は「『君に届け』は、元々大好きな漫画でアニメも見ていたので、大好きな作品にかかわれてうれしい気持ちでいっぱいです」と『君に届け』への熱い想いを語り、「(EDを作るにあたっては)アニメや原作を読んで、感動したり心に響いたりした感情を込めています。『エンディングまでがアニメの本編である』という想いが、『君に届け』に関わるすべての人にあって、エンディングの入り方が毎回違うので、そのあたりも楽しんでもらえたらうれしいと思います」と見どころについても紹介した。

ED「君に届け...」を熱唱したMAY'S

第二部では『君に届け』キャストによるステージイベントが開催。今回はホワイトデーにちなんだコーナーが用意された。まずはじめに、『君に届け』の名シーンを爽子編、千鶴編、くるみ編にわけ、3つのエピソードを振り返る「ドキドキコーナー」を実施。それぞれのエピソードで流れる台詞の中から、観客の拍手が最も大きかった台詞をキャストがステージ上で披露した。爽子編では、バレンタインのチョコをどう渡そうと考える爽子が妄想で「風早~チョコあげる~」と外国人風に言うシーンが選ばれた。能登は「前回のイベントでも台詞を披露させていただいたんですけど、ギャグシーンは初めてです。二期は一期と比べて、チビ爽子になるところが多かったですね」と笑顔。続いて、千鶴編ではギャグに流れると思いきや、龍に「なぐさめてよ...龍」と涙を見せるシーンが選ばれると、三瓶は「ちょっと待って!さっきと流れがちがわない?(笑)」と困り顔ながら、心を込めて台詞を読み上げた。くるみ編では、「風早が好きになってくれなきゃ意味ないじゃん!!」と風早への素直な想いを爽子にぶつけるシーンが選ばれた。くるみを演じる平野に観客からは「可愛い」コールが寄せられ、平野は「ちょっと恥ずかしいですね。」とはにかんだ。

「言いたいことを言ってもいいコーナー」は、君に届けの名シーンを別のキャラクターが演じるというもの。まずは、爽子に見つめられて、風早が「照れるだろ」と赤く照れるシーンを三瓶と中村が、千鶴と龍に置き換えて演じた。中村は、「これは千鶴と龍だとどうなるかということですよね」と余裕の表情も、台詞を言った後「びっくりするほど汗をかきました。」とつぶやいた。

続いて、龍が千鶴に言う台詞「なぐさめてやろうか」を演じるキャストを、くじびきでランダムに選んだところ、選ばれたのはなんと中村。本家の「なぐさめてやろうか」を中村が演じた後、「どなたか女性キャストのが聞きたいです。能登さんがいいです!」とリクエスト。能登は、爽子の声で「なぐさめてあげようか?」と言うと、観客からも大きな歓声が沸き起こった。くるみの台詞「1回だけ私の名前を呼んで。下の名前」もくるみ役の平野が選ばれた。平野は「私の下の名前(綾)、呼んでください!」と観客へリクエストした後演じると、観客からは「あ~や」の歓声。平野も「やっぱり、私も別の方もこの台詞を聞きたいな~」と、観客からの圧倒的支持により浪川大輔が台詞を演じることに。「大輔~!」の観客からの声援に、「うれしいんですけど、一瞬だけ何やってるんだろうって」と苦笑い。これまでのイベントでも披露された風早の「ひとりじめ」はキャスト全員でチャレンジし、観客の熱気は頂点に達した。

最後の「告白コーナー」では、原作者の椎名軽穂先生からのメッセージが読み上げられた。「今放送されているあたりはちょうど、一期のアニメ放送がはじまったころに描いていたものです。なので、まさかこのあたりの展開に声がつき、絵が動くとは想像もしていなかったので、実際に見られて、毎回想像以上の出来映えに本当に嬉しい気持ちと感動でいっぱいです。こんな素晴らしい2ND SEASONを見られたのも、一期から支えてくれているアニトドファンの皆さんがいたからこそなんです。本当に。そして実際にアニメを見るたびに、2ND SEASON見れてよかったなと思うんです。一生の思い出ですよ、どうもありがとうございます」とファンへ感謝の言葉を述べた。キャストへは「二次元の子達だったキャラクターに魂を吹き込んでくれてありがとうございます。アニメになって、それぞれのキャラクターをそれぞれの素晴らしい声優さんたちが演じてくれたことによって、私の中でもキャラクター達が一人ひとり、人間になったなと思います。皆さん本当にはまり役ですしね!」と激励。「今描いているところ以降も本当は声つきで動く絵で見たいので、皆さんよろしくお願いします(笑) アニトド最高!」と締めくくった。

最後にキャスト全員からファンへのメッセージが寄せられた。

浪川「『君に届け』という作品は僕にとってすごく大きな作品です。本当は一期で終わる予定でしたが、皆さんが応援していただいたことで、その結果が二期につながりました。僕たちもそういう機会を与えていただいてうれしく思います。第三期なんて言っちゃいけないかなと思っていましたが、続きを演じてみたいし、皆さんに見ていただきたいです。僕があまり歳をとる前にできれば・・・(笑) 風早君には感謝していますし、キャスト、スタッフ、そして皆さんに本当に感謝しています。またいつか会おうね! 」

三瓶「これほどファンの皆さんが、この作品を愛してくれているんだという想いを今日持って帰って、矢野ちんと、ちょっと空気読めないケントと、この場に来られなかった皆にもちゃんと伝えたいと思います。私自身、原作の大ファンで毎回雑誌を読んで楽しみにしています。(第三期も)皆様が期待してくれたら実現するんじゃないかなと、私も期待しながら皆さんにまた会えることを楽しみにしています」

中村「本当に一言、『本当にありがとうございます!』としか言いようがありません。皆さんのおかげで二期をやることができたと思っています。前回から1年ぐらい経っていますが、最近思うことは、素敵な作品、いい作品は時代を問わないということです。今日ここに来てくださった皆さんが『君に届け』を愛していただき、前回のイベントに出演させていただいた時以上の熱気を感じています。二期をやれてよかったと本当に思っています。これが三期につながる力になればいいなと思いますし、原作はまだ続きますので、引き続き応援していただければ嬉しいです。」

平野「くるみをやらせていただいて、『自分には、こういう要素もあったんだ』という今まで気づけなかったところに気づけました。また、くるみを通してキャストの皆さんと演じることで、今までになかった気持ちが『君に届け』を通して分かりました。すごく言葉を大切にする作品だなという印象でしたので、皆さんとキャッチボールができたように思います。今までになかった経験ですので、演じさせていただきありがたいなと思っています。学生の時の忘れていた気持ちがくすぶり出したというか、この心地よい感覚はそこにあるんじゃないかなと思います。スタッフもキャストの皆さんも力を合わせて作っている作品なので、最後の最後まで、その気持ちや現場の雰囲気まで含めて伝わればいいなと思います。三期、ぜひ演じられるように皆さん応援お願いします。」

能登「皆さんのコメントを聞いて、本当にその通りだなと思いましたし、気持ちはひとつだなと思いました。この作品は、皆がひとつの方向に向かって、大事に作られていると感じています。イベントにも、このように大勢の方に集まってくださって、この作品に対する想いは皆一つなんだなと思っています。本当に本当に応援してくださる皆さんのおかげです。これが未来につながればもっともっと素敵ですし、放送自体はこの後も続きますので、最後まで楽しんでご覧になっていただけたらと思います。」

ほぼ立ち見にも関わらず、最後まで観客の熱気は冷めることなく、あたたかな拍手とともに大団円を迎えた同イベント。スタッフ、キャスト、ファンの『君に届け』への想いがまさにひとつにつながった2時間だった。