国土交通省が2021(令和3)年度における都市鉄道の混雑率調査結果を公表。2020年度に続き、日暮里・舎人ライナー(東京都交通局)が最も混雑率の高い路線となった。首都圏では武蔵野線・埼京線(JR東日本)や都営三田線(東京都交通局)なども高い混雑率を示した。

  • 日暮里・舎人ライナーの開業当初から活躍する300形。今後、ロングシート化した新車による既存車両の更新を予定している

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた2020年度以降、各都市圏の平均混雑率は大幅に低下しており、2021年度も前年度からほぼ横ばいの調査結果に。東京圏の平均混雑率は108%(2020年度は107%)となった。

2020年度、最も高い混雑率を示した路線は新交通システムの日暮里・舎人ライナーで、赤土小学校前から西日暮里駅までの区間において混雑率140%に。2021年度も同区間の混雑率が144%に上がった。日暮里・舎人ライナーでは、朝ラッシュ時間帯の混雑緩和を図るべく、2022~2024年度にかけて既存の12編成をロングシート化した新車(330形)に更新し、全編成の8割を全面ロングシート化して輸送力増強を図るとしている。

首都圏の路線で、日暮里・舎人ライナーに次いで高い混雑率となった路線はJR武蔵野線で、東浦和駅から南浦和駅までの区間において2021年度の混雑率137%(2020年度は134%)に。JR埼京線も板橋駅から池袋駅までの区間で、2021年度の混雑率132%(2020年度は127%)となった。

  • 都営三田線に導入された8両編成の新型車両6500形

日暮里・舎人ライナーと同じ東京都交通局の路線である都営三田線も、首都圏における混雑率の高い路線に加わっており、2021年度の混雑率131%(2020年度は129%)に。都営三田線の車両はこれまで6両編成だったが、今年5月に8両編成の新型車両6500形がデビュー。定員が増加した新型車両を順次導入し、輸送力増強を図るとのこと。

コロナ禍前、最も混雑率の高い路線だった東京メトロ東西線(2019年度の混雑率199%)は、木場駅から門前仲町駅までの区間において2020年度の混雑率123%、2021年度の混雑率128%で推移。首都圏ではその他、横浜市営地下鉄グリーンライン(日吉本町駅から日吉駅まで、2021年度の混雑率127%)、東京メトロ日比谷線(三ノ輪駅から入谷駅まで、2021年度の混雑率127%)、東京メトロ千代田線(町屋駅から西日暮里駅まで、2021年度の混雑率126%)などが混雑率の高い路線となった。