女優・モデルとして活躍する若月佑美が、地上波連続ドラマで初めて主演を務めているのが、現在ABCテレビ・テレビ朝日で放送されているドラマ『セレブ男子は手に負えません』(ABCテレビ毎週日曜23:55~、テレビ朝日毎週土曜26:30~、TVer・ABEMAで見逃し配信あり)。小さい頃から結婚に憧れながらも、ある出来事をきっかけに恋を封印したヒロインが、ひょんなことから高級ペントハウスの管理人となり、超セレブ男子たちと同居生活をおくることになるというストーリーとなっている。

今回のインタビューでは、若月に撮影でのエピソードなどドラマの魅力のほか、大好きなコミックについてたっぷりと語ってもらった。

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    女優・モデルの若月佑美 撮影:泉山美代子

■カットですぐにおしゃべりが始まる現場

――ヒロインの百瀬ひかるは、恋をしないと決めていながらもセレブ男子たちとキュンキュンするような関係を築いていきます。撮影ではどんなことを意識されましたか?

やっぱりセレブ男子たちの真ん中に女の子が1人いたら、そうなるよね? っていう展開が、視聴者の方の中にもあるはず。そこを裏切らないよう、王道のような胸キュンポイントをたくさん作りました。1対1でセレブ男子たちと関わっていくときに、きっと見てくださる方はここにキュンとするだろうな、この人のこういうところが好きなんだろうな、とイメージして、「ここがいい」っていう胸キュンポイントをどの男子にもそれぞれ際立たせられるように、私はいなきゃいけないと思っていましたね。

――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

とにかく、すっごく気合いが入っていました(笑)。まずは監督の2人がすごい気合いで、根本和政さんも倉木義典さんもすごく盛り上げ上手。衣装合わせのときから、歓迎してくださっている雰囲気があったんですけど、それがクランクアップまで続きました。毎日、どんなに朝が早くても監督が率先して「おはようございます!」って大きな声を出してくださっていて、だからこそ現場がすごく盛り上がるんです。キャストも本当に面白い方ばかりで……別にキャラが変だからとかじゃなく、単純に楽しかったですね。カットがかかれば、みんなでおしゃべりが始まっちゃう感じ。例えば、西園寺シオン役の鈴木康介くんは、役柄的には固い役どころなんですけど、その衣装を着たまま「こんなシオンは嫌だ」みたいな言い回しや仕草を、実際にやってくれるんです(笑)。そういう感じで、ずっと笑っている現場でした。でも始まったらスイッチが切り替わって、ちゃんとやる。そこはみなさんすごかったです。

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――すごく和気あいあいとして楽しい雰囲気が伝わってきます。

男性が多い現場だったので、きっとほぼ男子校みたいな雰囲気ですね(笑)。でも、「この空気感を出せたのは、若月さんだったから」って言ってもらえたときはうれしかったです。私自身、どちらかと言うとサバサバしているので、そういう男子校ノリでも気にせず笑っていました。役柄として、私以外は幼なじみで、小中学校からずっと一緒で、今は一緒に住んでいるという設定なんですけど、その仲の良さって作り物では出せないと思っていたんです。実際にみんなが本当に和気あいあいとしていて、そんなみんなを見ていると、私もひかるとしてこの仲を守りたい、と自然に思えるようになりました。

――ちなみに、めちゃくちゃ笑った現場でのエピソードは?

食事のシーンで出される料理ってフードコーディネーターの方が作ってくださっているので、すごくおいしいんです。それで、中尾暢樹くんが演じていた神崎彰人は別に大食いとかよく食べるような設定はないんですけど、口数が少ないから1人だけ食べる時間が多くて、彰人だけ出されたごはんが減るのが早いんです。カットの度にごはんが追加されて、監督から「彰人くん、そろそろ食べるのやめてもらえる?」って言われるくらい(笑)。真剣な話をしている場面なのに、それに笑ってしまってNGになったことがありましたね。彰人は咀嚼が嫌いなはずなんですけど(笑)。

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■マンガを読んでいるときは時間忘れる

――撮影などお仕事が忙しいときでも、大切にしている自分の時間ってどんな時間ですか?

マンガを読んでいる時間ですね。今回の作品はドラマとマンガが同時進行なので、すごく楽しみにしているんです。家とかで映画やドラマの映像作品を見ていると、途中で「台詞を覚えなきゃ」「洗濯物やらなきゃ」って、やらなければいけないことを思い出してしまうんです。映画館に入っちゃえば大丈夫なんですけど、家だとつい考えてしまって。でも、マンガを読んでいるときだけは、時間を忘れて読んでしまうんですよね。だから、この1巻だけ読もう、とかを決めて読むようにしています。

――ちなみに、好きなマンガ作品の系統って?

昔はラブコメや少年バトル系も大好きだったんですけど、最近はあまり読まなくなっちゃったな。今は、『葬送のフリーレン』みたいな、静かにいいことを言っている感じのマンガが好きです。あとは『来世は他人がいい』とか。ヤクザとヤクザの孫娘の恋愛なんですけど、孫娘がカワイくて守られるような女の子じゃなくて、口も悪いし、ピンチを助けに来たのに「誰に口聞いてんだよ」とか言っちゃうヒロインなんです。そこにすごくハマっちゃいました。ちょっと風変わりで、ヒロインが強いマンガが好きですね。

――ひかるも、相手が誰でもブレないし、強いヒロイン像かもしれませんね。

確かに! だからすごくいいと思ったんですよね。早くマンガでも読みたいです(笑)。(※今作はドラマ放送とWEBTOON作品連載が同時にスタートするプロジェクトで、現在LINEマンガで公開中)

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――今日はドラマの印象とはまた変わって、ショートヘアにされていますが、最近のファッションのこだわりなどはありますか?

最近になって、ファッションでも自分を貫こうと思えるようになりました。ボーイッシュな服装も好きですし、黒も好き。ヴィヴィアン・ウエストウッドみたいなパンク系も好きだし、ヨウジヤマモトみたいなモード系もものすごく好きです。いろんなことを考えて、もっと女性らしくした方がいいのかな、と考えたこともあったんですけど、このドラマの現場って本当にファッションが好きな人が多かったんですよ。それぞれ、どこのブランドが好きとか、最新のファッションのこれがカワイイとか、たくさん話していて「あ、自分を貫いていいんだ」って気付きました。そのブランドだからカワイイとかじゃなく、本当に自分が好きなものをカワイイって言える生き方がいいな、と思ったんです。それで最近、本当に派手な柄のスウェットパンツを買いました。めちゃめちゃ不思議な柄のパンツなんですけど、自分がカワイイと思ったんだから着ようと思って、買っちゃいましたね(笑)

――ドラマ現場での経験が、若月さんご自身のマインドも少し変えたんですね。最後に、ドラマを楽しみにしているみなさんにメッセージをお願いします。

放送は深夜の遅い時間なんですけど、ドロドロした内容ではありませんし、ただただキュンとして、王道のドキドキを感じたい方には「これが見たかった!」と思っていただけるドラマだと思っています。このお時間に起きていらっしゃる方にはぜひ見ていただきたいですし、配信やTVerなどでもご覧いただけますので、ぜひ楽しんでいただきたいです。電車などの移動中に見ていただいてもOKです。

――電車でキュンキュンしたら、ニヤけてしまいそうですね(笑)。

険しい顔にはならず、きっと笑顔になっているので大丈夫だと思います(笑)。安心してお楽しみください!

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■若月佑美
1994年6月27日生まれ、静岡県出身。2011年から乃木坂46で1期生として活動し、2018年11月にグループを卒業。その後は女優としてドラマ『今日から俺は!!』、『私の家政夫ナギサさん』、『共演NG』、『アンラッキーガール!』、『ユーチューバーに娘はやらん!』、『invert 城塚翡翠 倒叙集』、『ワタシってサバサバしてるから』、『王様に捧ぐ薬指』、『何曜日に生まれたの』、映画『ヲタクに恋は難しい』、『劇場版ラジエーションハウス』、『ブラックナイトパレード』、Netflix『桜のような僕の恋人』、『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』などに出演。ファッション誌『Oggi』で美容専属モデルを務め、モデルとしても活躍している。2023年にはフォトエッセイ『履きなれない靴を履き潰すまで』を発売。
■ヘアメイク/永田紫織[nous]
■スタイリング/蔵之下由衣
・コート、Tシャツ/共にIN-PROCESS△Tokyo
・パンツ/mtmodelist
・シルバーリング/Lana△Swans
・イヤリング、リング/共にテマバコ