「わかめスープ作ってもらうなら、ハン・ガンかチェ・ジョンヒョクか迷う〜!」

韓ドラによく登場する食べものにわかめスープがあります。お店ではなく、家で。朝ごはんの時が多いですね。そして、それを見た誰かが「誕生日か」と気づきます。そう、わかめスープは誕生日の日に食べるものなのです。

わかめはビタミンやミネラル、ヨウ素など妊婦に必要な栄養が豊富な食べもの。韓国では出産前、そして出産後1〜2週間、わかめスープを食べ続けて体調を整えるんだそうです。なので誕生日には、お母さんと子どもの健康を祈ってわかめスープを食べる習慣が生まれたんですね。

  • イラスト/みつほし

韓ドラでは家族の誰かの誕生日の朝、お母さんが作ってくれたわかめスープが食卓に並びます。それは家族の愛を感じる温かい場面。それゆえに『トッケビ』で母を事故で亡くしたキム・ゴウンが、叔母の家で虐げられながら自分の誕生日に自身でわかめスープを作る場面は孤独が際立つシーンとして描かれています。

わかっていても』の4話では、ハン・ソヒの誕生日にソン・ガンがレトルトのわかめスープを作ってくれようとします。でもそれよりイチャつくことを優先して、料理は途中までなんですよね。お互い惹かれ合っているようで、彼氏にはなってくれないハン・ガンの気まぐれ。一方でハン・ソヒに片思いしているチェ・ジョンヒョクは、彼女の誕生日をしっかり覚えていて、手作りのわかめスープと彼女が好きなチョコケーキで誕生日を祝ってくれます。ハン・ガンの危険な魅力とチェ・ジョンヒョクの温かい愛情をわかめスープで明快に描いた場面です。

もうひとつ、韓国の食べ物に関する風習に、「刑務所から出所したら豆腐をかじる」というものがあります。そもそも韓ドラの主人公やその周囲の人は刑務所に入りがち! だからこそ目にする韓ドラのお約束が、出所後の豆腐です。あれは、豆腐が白いことから「真っ白な心で人生をやり直せるように」という思いが込められているようです。

多くは、迎えに来てくれた人から黒い袋に入った丸ごとの豆腐を手渡され、大胆にかじっています。『愛の不時着』では、ソン・イェジンの父親が出所してきた際に豆腐ケーキで祝っていますが、さすがは財閥というおしゃれさです。ケーキにしてまでもやっぱり食べるんだ、とちょっぴり笑えるシーン。

梨泰院クラス』のパク・ソジュンは、出所してすぐに入ったお店でスンドゥブを頼みます。スンドゥブ=純豆腐チゲなので、自分で豆腐を頼んだということ。その後経営する「タンバム」の名物料理もスンドゥブですが、面白いのはパク・ソジュンの心は長家グループへの復讐心でいっぱいだということ。ちっとも真っ白な心になってない! そんなところも韓ドラらしい描写です。

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