ベテランモータースポーツジャーナリスト、ピーター・ナイガード氏が、F1で起こるさまざまな出来事、サーキットで目にしたエピソード等について、幅広い知見を反映させて記す連載コラム。今回は、優秀な若手がF1昇格を成し遂げられないまま、チャンスがさらなる若手へと渡されつつある、今のドライバー状況に焦点を当てた。
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F1はいま、次世代の優秀なドライバーたちのほとんどを失うリスクにさらされている。
毎年、FIA F2やF3は、F1のチャンスを与えられるのにふさわしい強力な若手ドライバーを輩出している。しかし、今のF1には彼らが入るスペースが全くない。2024年のF1フィールドは、昨年と全く同じドライバーで構成されている。42歳のフェルナンド・アロンソや39歳のルイス・ハミルトンが走り続ける一方で、ルーキーがシートを得ることができなかった。