不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」は1月31日、「2024年 LIFULL HOME'S みんなが探した! 住みたい街ランキング(首都圏版)」を発表しました。本ランキングはLIFULL HOME'Sにおける「実際の問合せ数」から算出しているので、「ユーザーが本気で住みたい街」がうかがえるものとなっています。

同日開催されたメディア向け発表会ではLIFULL HOME'S 総研 副所長 / チーフアナリストの中山登志朗氏が登壇したほか、タレントの井上咲楽さんをゲストに迎えランキングの傾向を紹介しました。

  • LIFULL HOME'S 総研 副所長 / チーフアナリストの中山登志朗氏(左)、タレントの井上咲楽さん(右)

2024年 みんなが探した! "借りて"住みたい街ランキング<首都圏版>

■1位は今年も「本厚木」、ニーズの二極化があらわれる結果に

  • みんなが探した! "借りて"住みたい街ランキング2024<首都圏版>

「借りて住みたい街ランキング」堂々の1位は「本厚木」。なんと今回で4年連続のトップだといいます。コロナ禍を経て少しずつ都心回帰の兆しが見えるものの、物価高騰の影響もあり、より賃料が低く住みやすい郊外エリアのニーズが継続している様子。3位「八王子、」4位「大宮」、5位「柏」というラインナップを見てもその傾向は明らかです。

中山氏によると「本厚木」は「賃料の低さ・交通利便性のバランスの良さに加え、ユーザー誘致への自治体の注力も加わり人気が継続している」そうです。

  • みんなが探した! "借りて"住みたい街ランキング2024<首都圏版>

一方、2位「葛西」、5位「三鷹」、8位「北千住」など、都内の街もランクイン。特に2位の「葛西」は昨年より4ポイント上昇、8位「北千住」も12ポイント上昇でランクインしており、都内の中でも比較的賃料が低めの「コスパ良好エリア」に注目が集まっているようです。

■急上昇ランキング1位は「武蔵小山」、都心回帰の傾向がみられる

ランキングTOP100に入った駅のうち、前回から順位を上げた駅をランクアップの大きい順に並べた「急上昇ランキング」も発表されました。

  • みんなが探した! "借りて"住みたい街 急上昇 ランキング2024<首都圏版>

今回1位だったのは、昨年より47ポイント上昇した「武蔵小山」。駅前の大きな商店街が有名ですが、目黒線を使うと都心各地にも出やすく、生活利便性と交通利便性を兼ね備えています。

2位以下を見てみると、2位「浅草」、4位「門前仲町」、5位「北綾瀬」、6位「三ノ輪」など、都心近くでありながら賃料水準が比較的低めな駅が大きく順位を上げる結果となりました。

2024年 みんなが探した! "買って"住みたい街ランキング<首都圏版>

■「勝どき」が5年連続1位だが、ベッドタウンへの注目が高い傾向が

  • みんなが探した! "買って"住みたい街ランキング2024<首都圏版>

続いて「買って住みたい街ランキング」においては、5年連続で「勝どき」が1位にランクイン。昨今の都内新築マンションの価格高騰に対し、勝どきの物件は既に竣工されているため価格面・面積において群を抜く優位性を持つことに加え、オリンピックレガシーという側面もあるため「人気は当面続きそう」だと中山氏は分析します。

2位「平塚」、3位「大宮」、4位「八王子」と続き、首都圏郊外または、都心よりも割安感のあるベッドタウンに注目が集まる傾向がみられました。この結果について同社は、「子育て世代の住宅と住宅環境が大きく変化をしたことによるもの」とし、異次元の少子化対策の実施で子育て世帯のテレワークが強く推奨されたこと、さらに郊外に位置する自治体が独自の子育て支援策を打ち出したことが影響していると解説しました。

  • みんなが探した! "買って"住みたい街ランキング2024<首都圏版>

全体で見てみると、賃料の割安感に加え、生活利便性・交通利便性のバランスが良い駅の人気が高い結果となりました。

■人気エリアで新たな物件開発があると、一気に注目度が上がる

「借りて住みたい街」と同様、「買って住みたい街」の「急上昇ランキング」も発表されました。

  • みんなが探した! 買って住みたい街 急上昇 ランキング2024<首都圏版>

「新宿御苑」「月島」「神楽坂」「祖師谷大蔵」など、もともと人気がありながら物件開発が沈静化しており、新たな物件開発の動きにより順位が急上昇する傾向が顕著になる結果となりました。特に城南・城西の人気エリアでは、こういったランキングの急上昇・急降下が繰り返される傾向にあるそうです。

自分や家族が「幸せに暮らせる家探し」をしてほしい

ゲスト登壇した井上咲楽さんは、今回発表されたランキングについて「都心から距離のある駅、特に電車の終点駅や"〇〇行"の行先でみるような駅が多い印象で、それが意外でした」と感想を話します。

  • ランキング結果について話す、同社中山氏とゲストの井上咲楽さん

これに対し中山氏は、「鋭いご指摘ですね! 郊外エリアで終点となると、始発駅になりますから、出勤時に座ることができるんです。多少時間がかかっても、座って出勤できる駅というのは人気が高いですね」と解説しました。

井上さんはこれから家探しをするユーザーに向け「これから新生活をスタートするということで、わくわくがつまっていると思います。自分の好きな部屋にするためには考えることも多くなりますが、それを大変だと思わず、ぜひ楽しんでほしいです!」とコメントし、笑顔を見せました。

続けて中山氏も「今回のランキング結果から『居住ニーズの多様化』が見られますが、これから家探しをするという方はぜひ原点に帰って『自分と自分の家族が幸せになる家』を見つけていただきたいと強く思います。安全で快適に暮らせる=幸せに暮らせる家選びをしてほしいですし、我々LIFULL HOME'Sがそのお手伝いをしていきたいと考えています」と締めくくりました。

▶「不動産のプロが注目する「橋本」「浦安」- 意外と知られていない街の魅力とは? 【取材レポ】」を読む