東京駅とオフィス街の存在で知られる丸の内エリア。そこに登場したのが「ASICS RUN TOKYO MARUNOUCHI(アシックスラン東京丸の内)」だ。

「皇居ラン」の拠点としても活用できるという、同施設のお披露目会に参加したので紹介したい。

  • リニューアルオープンした「ASICS RUN TOKYO MARUNOUCHI(アシックスラン東京丸の内)」

アシックスの「ランニングエコシステム」を体現

リニューアルオープンした形となり、ランニングステーションを併設した総合型ストアとして位置付け。

その誕生背景について、アシックスジャパン 取締役 DTC 統括部長 落知勇氏は「コロナ禍の下、リアルのランニングイベントが激減した半面、デジタル領域での取り組みは急拡大しました。そして2023年現在、リアルイベントはコロナ禍以前どころかそれ以上の盛り上がりをみせています」とランニング市場全体の話から切り出す。

「アシックスジャパンでは、こうした新しい環境の中、ランナーの皆さんにどのような価値を提供できるかを模索しています。そして取り組んでいるのがランニングサービスとデジタル・ECを活用した『ランニングエコシステム』です」

  • アシックスジャパン 取締役 DTC 統括部長 落知勇氏 提供:アシックスジャパン

ランニングイベントに出場するには、参加登録、必要なシューズやウェアの購入、毎日のトレーニングなど当日までの一連の流れがある。もちろん、走った後の体のケアも必要だ。ランニングエコシステムはこれらをワンストップで行える循環型のシステムだと説明する。

「専用アプリを通してランナーに必要な情報を提供し、必要に応じて店舗やECサイトでシューズを購入するというサイクルにより、新製品を購入してもらうだけでなく、日々のランニング体験で得た新しい発見や体を動かすことで心もポジティブになる。そう実感してもらうのが最も大切だと私たちは考えています」

そして、このランニングエコシステムを「体現した施設」として、リニューアルしたのが本施設だと落知氏は語った。

4つのカメラでランニングフォームをチェック

ストアのサービス・設備として、ロッカーやシャワー室など「ランニングステーション」(880円/1回利用)、トレッドミル上での走行を10秒程度撮影してランニング時の足の運びを無料で分析する「ASICS RUNNING ANALYZER」、三次元足形計測機による足形の精密な計測で足形にあったランニングシューズ選びをサポートする無料の「ASICS FOOT ID」などが用意される。

また、4台のカメラを使った専門機器でランニングの総合的な能力を計測できる「ASICS RUNNING LAB」もある。

  • プライベートゾーンの「ASICS RUNNING LAB」

  • 4つのカメラとモニターでランナーを観察

ASICS RUNNING CLUB COACHを務める小谷浩氏は「独立したプライベートゾーンとなっていて、トレーナーと1対1でより深いコミュニケーションが可能です。上、後ろ、横、前の位置からランニングフォームを撮影し、自身のフォームに最適なシューズを判断します」と同サービスを説明する。

とは言え、ランニングを楽しむ人の目的や目標は千差万別。まずはカウンセリングでその辺りを明確にし、必要な速度などを設定しながら計測していくそうだ。

またフォーム以外にも、心拍数を測定するなどの全身持久力測定も可能だ。フォーム測定のみで1回5,090円、全身持久力測定だと初回は1万3,200円、2回目以降は8,150円となっている。

  • ランニングフォームをチェックできる 提供:アシックスジャパン

  • 心拍数も計測する全身持久力測定 提供:アシックスジャパン

フォーム測定のみだと15分前後で測定は完了。横カメラでは上体の前傾姿勢や上下動、着地での足の流れなどを把握でき、前方カメラでは体の軸や足が着地時に左右にぶれてないか、後方カメラは着地の仕方や蹴り上げの高さなど、上からのカメラで肩や頭の揺れを確認できる。

こうして蓄積したデータから今後のトレーニングの進め方などをアドバイスしていく流れだと小谷氏は話す。なお計測結果は当日中にメールで届くそうだ。

初心者こそフォームチェックが大切

フォームのチェックや持久力測定と聞くと、普段から大会によく出たり、常にトップレベルを目指したりするシリアスランナー向けという印象を持つ人が多いだろう。筆者も同様だった。

しかし小谷氏は初心者の方こそ受けてほしいと言う。

「ランニング経験が長い人は本人の走る癖がどうしてもあり、それを矯正するのは簡単ではないです。むしろ最初の段階で診断を受け、適切なフォームを頭だけでなく体に染みこませると走る速さも違うし、何より怪我をしにくい走り方を会得できるでしょう」

また本施設の強みとして、皇居が近いという立地の良さも小谷氏は強調。

「日中は仕事で走る時間が作れない、でも夜間に一人で走るのは不安という女性のランナーでも、皇居は常に誰かしら走っているし、場所柄、警察官の方も多いので安心・安全に走れるのもいいと思います」

  • アシックスの"ココロもカラダもポジティブ"PR アンバサダーに就任し、元陸上部だったモデル・女優の朝比奈彩さんも登壇し、小谷氏と走り方について議論した

さらに、ファンランナーからシリアスランナーまでそれぞれの嗜好にあったシューズがそろっており、機能性を持ちつつザイン性も高めたアパレルや小物もレンタル可能。

  • ランナーの志向に合わせたシューズがそろう

  • ウェアや小物も充実

例えば、地方でランニングを趣味とするビジネスパーソンが出張で東京に来て、自身のフォームをチェックして「ランナーの聖地」皇居ランでその成果を実践するということもできそうだ。

施設では毎日ランニングイベントを開催する予定というので、老若男女問わず、さまざまなランナーにとって、目が離せない場所になるかもしれない。