ニュース 2023.07.02. 05:00

DeNA・バウアー、激怒の理由明かす「優勝するチームの野球があのイニングはできていなかった」

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DeNAのトレバー・バウアー [写真=萩原孝弘]
2023.07.01 14:00
横浜DeNAベイスターズ 2 終了 2 中日ドラゴンズ
横浜
DeNA 2 - 2 中日
(1日・横浜)

 DeNAのトレバー・バウアー投手は1日の中日戦(横浜)に先発したが、6回2失点で降板。誰よりも勝利への執念を見せ続けたが、6勝目は次戦以降にお預けとなった。

 優勝を目指すチームとしてのあるべき姿を体現できず、バウアーは感情を爆発させた。2点ビハインドの6回。先頭の石橋に対して、平凡なフライを打たせたが、一塁手・ソトと二塁手・牧がまさかのお見合いで落下地点に入れず(記録は二塁への内野安打)。不運な形で出塁を許すと、続く龍空のセーフティーバントを処理したバウアーは一塁へ悪送球(記録は投手への内野安打)。思わぬ形で得点圏に走者を背負ったが、次打者・メヒア、大島を打ち取って二死一・二塁。しかし、ここでも誤算が起きた。

 2番・岡林の二遊間へのゴロを二塁ベース後方で牧が捕球。二塁を飛び出していた一塁走者・龍空をそのままタッチしようと三塁へ追い込むと、すでに三塁へ到達していた二塁走者・石橋が本塁へスタートを切ったため、牧は捕手・伊藤へ送球した。セオリー通り、ここで石橋を三本間で挟んでアウトに取りたかったところだが、伊藤は三塁手・京田へ送球せずに自ら三塁へ追い込んだ。結果、石橋は三塁へ戻ってセーフ。その間に龍空はガラ空きとなった二塁へ、打者走者・岡林も一塁へと戻ってオールセーフとなった。挟殺プレーに持ち込むも、結果は二塁への内野安打となり一死も取ることができず。二死満塁とピンチを拡大させると、ついにバウアーの堪忍袋の緒が切れた。「自分自身をコントロールできていたとは思っていない。非常に腹が立っていました」とマウンドへ戻る途中に何度も叫び、怒りをあらわにした。

 ただ、決して誰かを責めていたわけではない。記録に残らないエラーが多く見受けられたが「自分としてもあまりいいピッチングができていなかったと思いますし、不運もあって、自分自身のエラー(記録は投手への安打)もありました。勝とうと思って、勝ちたいと思って投げているので、一番は状況に対してすごく腹が立っていた。特別誰かに腹が立ったというのはないですけど、強いて言えば自分自身」。自分も含めミスは誰にでも起こり得るということなど、当然分かり切っている。ただ、セ・リーグの頂点を目指す中で自身の理想とはほど遠い苦境に直面し、感情をコントロールできず。本気で優勝を目指しているからこそ、「優勝するチームの野球があのイニングはできていなかった」と溜まっていたフラストレーションが爆発。サイ・ヤング賞右腕のリーグ優勝に対する強い思いが、形として表れた瞬間でもあった。

 感情を抑えきれないままマウンドへと戻ったバウアーは「強いボールを投げよう」と次打者・髙橋周への初球でこの日最速の159キロをマーク。158キロ直球で投ゴロに仕留めると、猛ダッシュで一塁ベースへと駆け抜けた。自らの手で最後のアウトを掴み取ると、再び絶叫。興奮冷めやらぬまま、ベンチ裏へと下がった。

 バウアーが冷静さを欠き、球場は一時騒然。しかし助っ人右腕の勝利への執念が、チームメートの闘志に火をつけた。5回までわずか1安打と沈黙を続け、ゼロ行進が続いていた打線だが、6回以降は本来あるべき姿を取り戻して8安打をマーク。8回は先頭のソトが左翼線へ二塁打、続く大和は四球を選んで無死一・二塁の好機を築くと、一死一・二塁から、代打・楠本の右前適時打で1点差。なおも一死満塁から関根の内野ゴロの間に三塁走者が生還し、試合を振り出しに戻した。

 これまでの鬱憤を晴らすかのように快音が響いたが、試合はそのまま引き分け。それでも、バウアーの喝が“本気で優勝を目指しているんだ”とチームメートに再確認させたことで、本拠地・ハマスタでのデーゲーム不敗神話は継続。リリーフ陣に後を託し、ベンチでナインを鼓舞し続けたバウアーは「前半はなかなかチャンピオンとしての野球ではなかったが、後半になるにつれて、みんながしっかりと一つになっていい野球ができていたと思う」と冷静さを取り戻し、改めて最後まで諦めない姿勢の大切さを訴えた。

 怒りが収まらない中でも「バウアー」コールはしっかりと届いていた。どんな場面でもバウアーをただ信じ、背中を押してくれたファンの声援は「よく聞こえましたし、素晴らしいエネルギーを自分に送り続けてくれた」と感無量。この日はファンへ白星を届けられなかったが、「声援を送ってくれたファンの皆さんには感謝したい」と最後まで感謝を忘れなかった。

 1998年以来、25年ぶりのリーグ優勝を目指す今季のスローガンは『横浜頂戦』。“頂”を目指して“戦”う姿勢を常に持ち続ける背番号96は、今後も勝利への執念を燃やし続け、これまでにない最高の景色を見せてくれるはずだ。

取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)

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