「都心では物価が高いので、生活していくのが大変だ」または「地方は物価が安いので、生活費が都心に比べてあまりかからない」と世間で言われていることは、本当なのでしょうか。

お金の取扱いについて、都心部と地方部では、違いはないのでしょうか。 連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか? 」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京と地方、両方の生活を経験して感じたことを交えながら、お金に関する情報などをお伝えいたします。

乾燥する冬に突入し、新型コロナウイルス感染者やインフルエンザにかかった人が徐々に増加している地域が多いようです。私が暮らしている地域でも、新型コロナウイルス感染者の増加とともに、医療従事者の感染や濃厚接触によって、医療機関における人員体制の不足が生じていて、改めて、TVのニュースなどでは、「基本的な感染対策の徹底のお願い」を伝えています。オフィス回帰が進んでいた企業も、感染者拡大防止のために、できる限りテレワークに切り替えているところもあるようです。

テレワークでの勤務が可能であれば、地方へ移住したいと思っている方も多いのではないでしょうか。とはいえ、いきなり「移住」というのは、とても勇気がいることだと思います。そこで今回は、自治体が行っている「お試し移住」の一部をご紹介したいと思います。

■静岡県南伊豆町

特徴
【1】短期・中期・長期と3段階で「お試し移住」ができる。
【2】お試し移住期間中に、自治体のさまざまなサービスが受けられる。
例:町営温泉施設での町民料金適用、町立図書館の利用など

  • ※生活用品貸与……テレビ、冷蔵庫、洗濯機

静岡県南伊豆町「お試し移住」ご案内

■高知県高知市

特徴
【1】短期・長期と2段階で「お試し移住」ができる。
【2】高知市移住専門スタッフによる無料の高知市ガイドツアーがある。
ガイド内容も複数あり「市街地コース(60分)」、「鏡地区コース(120分)」、「土佐山地区コース(150分)」「フリーコース(120分)」と参加者の日程や要望に合わせて案内してくれる。

高知市内の移住体験

■山形県鶴岡市

特徴
【1】お手軽な家賃で、市営住宅に最長6カ月住むことができる。
【2】お風呂、キッチン、トイレの改修、壁の塗り替え等のリフォーム済みであり、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、電子レンジなど、生活に必要な家電付きである。

鶴岡市:移住希望者向け「お試し住宅」

■終わりに

ほんの一部ですが、「お試し移住」ができる自治体をご紹介しました。新しい場所に住む際には、ぜひその自治体の「広報誌」を読んでみましょう。紙の新聞を購読していなくても、商業施設や役所・役場に置いてあったり、自治体のホームページ上で閲覧したりすることもできます。広報誌には、その地域ならではのイベントや行事、暮らしの上での注意点などが記載されています。私自身、新しい地域で暮らし始めたときは、休日や夜間に病気やケガになった場合に備えて、広報誌の「休日・夜間対応当番医」の表を切り取って、保管していました。その地域で暮らすのであれば「お試し」の短い期間であっても、能動的にその地域の情報収集を行い、快適に暮らしたいですね。その先に「豊かな移住生活」が待っているかもしれません。