パナソニック「エオリア」は9月22日、「今夏のエアコン稼働状況」「エアコンお掃除」に関する調査結果を発表した。同調査は8月28日~9月6日、20~60代の男女558名を対象に実施した。

「今夏は例年より冷房の利用時間が増えた」は76%

  • 今夏、例年に比べて冷房の利用時間増えましたか

今夏、例年に比べて冷房の利用時間増えたか尋ねたところ、76%が「かなり増えた」「やや増えた」と答えた。今夏のエアコンのお手入れについて聞くと、「まったくしていない」(39%)が最も多くなっている。同社では、フィルター掃除の適切な頻度として2週間に1回を推奨しているが、「2週間に1回以上」と回答した人はわずか7%だった。

  • 今夏(6月~8月)の間に、どれくらい自宅のエアコンのお手入れをしましたか

これまでエアコン稼働終わりの秋(9月~11月)に、自宅のエアコンのお手入れをしていたか尋ねると、55%が「必ず毎年している」「ほとんど毎年している」と答えた。しかし39%は「ほとんどしたことがない」「まったくしたことがない」と答えている。今夏のエアコン稼働終わりの秋(9月~11月)に、自宅のエアコンの手入れをする予定であるか尋ねると、62%が「ある」と回答した。

どのようなお手入れをする予定であるか聞くと、「自分でフィルターを掃除する」(82%)が最も多かった。8%は「業者に頼んでお手入れをする」と回答しており、その1回あたりのエアコンクリーニング費用は、「1万円以上2万円未満」(41%)が最多だった。「4万円以上」という高額な回答も11%を占めている。

  • どのようなお手入れをする予定ですか

自宅のエアコンを秋に手入れすると回答した人のうち、25%は「自分で洗浄剤やカビ・ニオイを抑えるスプレーを使ってエアコン内部のお手入れをする」と答えている。しかし同社によると、内部に残った洗浄剤で故障の原因につながる恐れがあるため、これは間違ったお手入れ方法であるという。

8月に冷房利用時間が多かった都道府県は「秋田県」、増加したのは「北海道」

同社では、エオリアアプリに接続したエオリアユーザーの利用データをもとに、「夏のエアコン使用実態調査」を実施し、8月のエアコン冷房利用時間と利用増加時間(昨年同月比)を算出した。今年8月、全国で最もエアコン冷房利用時間が多かったのは秋田県で、1日平均14.29時間、1カ月平均442.91時間だった。2位は青森県、3位は沖縄県となっている。

  • 夏のエアコン利用時間ランキング

今年8月、昨年同月と比較して全国で最もエアコン冷房利用時間が増加したのは北海道で、1日平均5.72時間、1カ月平均で177.39時間増加した。次いで青森県、秋田県という結果になった。

  • 夏のエアコン利用時間増加ランキング

エアコン内で発生する「秋カビ」とは?

同社は、エアコン内で発生する秋カビの発生・原因とそのメカニズムについても解説している。同社によると、カビは気温20~30℃、湿度70%以上で最も繁殖しやすく、多くの胞子が作られる。真夏より湿気が多く気温が下がる秋は、カビの繁殖条件と合致しているという。エアコン内でカビが発生してしまう理由は大きく2つ。1点目は「ホコリがカビのエサになる」で、エアコン内にたまるホコリが原因であるとのこと。

エアコンは室内の空気を取り込み冷やしているため、空中に浮遊しているホコリもエアコン内に取り込んでいる。結果、エアコン内にたまったホコリは、カビが繁殖する原因になる。

  • ホコリや油分・カビ菌が侵入

2点目は「エアコン内部の湿気」。エアコンを使った後には、冷房使用中に結露した水分がエアコン内部にたまっており、湿気がたっぷりな状況で、カビの成長に適した環境になっているという。夏の間、エアコンを掃除せずに放置をしておくと、使用していない秋の間にエアコン内で繁殖したカビが、冬の暖房稼働時に吹き出してしまう場合もある。

  • 暖房稼働時にカビが吹き出してしまうことも…

正しいエアコンのお掃除・お手入れ方法

パナソニックのエアーマイスターは、「正しいエアコンのお掃除・お手入れ方法」についても紹介している。フィルターの汚れは、能力の低下、消費電力の増加につながるため、「フィルターの定期的なお手入れ」が大切。掃除機でホコリを吸い、それでも汚れが落ちない時は薄めた中性洗剤で洗い、陰干しをしてしっかり乾燥させる。

  • ポイント1 フィルターの定期的なお手入れ

「内部クリーン機能や送風運転」の活用もポイント。冷房中の結露により水分がたまったエアコン内部を乾燥させることが、カビ対策に効果的だという。内部クリーン機能がエアコンに搭載されていれば使用し、内部クリーン機能が搭載されていない場合は、冷房運転の後に「送風運転」を3~4時間行い、エアコン内部を乾燥させるとよいとのこと。

カビ菌を防止するためには、「拭き掃除」も重要。エアコンに汚れがたまるとカビ菌のエサになるため、汚れている場所(通風路、フラップ等)を拭き掃除する。このときに大切なことは、拭くのは見える部分のみで、エアコン内部の洗浄は、専門業者に依頼することをすすめている。