知られていない猫の乳がん…8割以上は「悪性」 2cm以下で発見するのが大事、広がる「キャットリボン運動」とは

古川 諭香 古川 諭香

猫の乳がんに関する知識を広める「キャットリボン運動」

近年、日本では2017年に猫の飼育頭数が犬を上回り、猫を家族に迎える人が増えてきていますが、猫の1/3ががんで亡くなっているという事実は広く浸透していません。

中でも乳腺腫瘍で亡くなる猫の割合は多く、乳腺腫瘍の8割以上は「悪性腫瘍(乳がん)」であるそう。腫瘍は2cm以下の状態で発見できるかが予後に大きく影響しますが、そもそも猫が乳がんになること自体、あまり知られていないため、早期発見されにくいのが現状です。

そこで行われるようになったのが、「キャットリボン運動」。活動を行っているのは、乳がんで苦しむ猫をゼロにしたいと願う獣医師によって結成された、一般社団法人 日本獣医がん臨床研究グループ(JVCOG)。猫の乳がんに対する正しい知識(早期発見・早期治療)を普及しています。

今回は、猫が食べやすい高さを追求したフードボウルや交換可能な爪とぎなど、こだわりの猫グッズを多数販売している猫飼い御用達の猫ブランドの猫壱で、2014年に発売されて以来、累計販売個数270万個を突破した人気食器「ハッピーダイニング」シリーズとのコラボが実現。淡いピンク柄で温かみのあるフードボウルやウォーターボウルが誕生しました。

実は、「キャットリボン運動」と企業がコラボして商品を生み出したのは、今回が初めて。業界初の製品開発に踏み切ったのには、猫壱の代表・竹内淳さんがJVCOGの活動に深く共感したからでした。

「JVCOGに所属していらっしゃる獣医師の方々とお話しした時に、心の底から『乳がんで苦しむ猫をゼロに』したいと思っているのだと感じ、弊社のブランドスローガンである『猫が幸せ、私も幸せ』とリンクする部分があると思いました」

そこで、2017年に春季限定モデルとして登場し、毎年少しずつデザイン変更をしているSakura柄をデザインのベースにして、コラボ商品の開発を進めていきました。

「Sakura柄の中には、猫壱会員の方からの投票で決まったものもあります。毎年、大変人気でコレクションされる方もいらっしゃるほどです」

今回は「キャットリボン運動」のロゴを上手く組み合わせつつ、自宅のインテリアに馴染むよう、花びらの濃淡などにこだわり、完成させたそう。竹内さんは、本品を通じて「キャットリボン運動」があることを知り、乳がんの早期発見のためには何をしたらいいのか考えてほしいと話します。

「キャットリボン運動の公式ホームページを見つつ、ご自宅で“乳がんチェックなでなでマッサージ”も実行いただきたいです。私も安心するため定期的に行っていますが、機嫌が良い時を狙えば、結構触らせてくれます(笑)気づかなかった毛玉やコリなどの発見もあるので、スキンシップの一貫としてもおすすめです」

なお今回、売上の一部は「キャットリボン運動」を運営するJVCOGへ寄付されます。

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