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負傷者続出左サイドに名乗り 相馬勇紀、持ち前の打開力で切り札に

2023.11.14

日本代表MF相馬勇紀 [写真]=Getty Images

 11月16日のミャンマー戦を皮切りに、FIFAワールドカップ26への長い戦いが始まる日本代表。だが、第2次森保ジャパン初の公式戦を前にして、負傷離脱者が相次いでいる。

 アタッカー陣では、前田大然に続いて古橋亨梧も辞退。パリオリンピック世代の細谷真大を追加招集したものの、すでに中村敬斗と旗手怜央も離脱しており、前線の陣容にやや手薄感があるのも否めない。

 特に三笘薫が君臨する左サイドは特にその傾向が顕著だ。10月シリーズでは三笘がコンディション不良で不参加となり、中村がカナダ戦で初先発。ゴールという結果も残したが、左足首を負傷。追加招集の奥抜侃志は体調不良で起用できず、チュニジア戦ではマルチタスクの旗手を抜擢し、成果を残した。だが、今回は三笘以外の全員が不在。セルティックで左右のサイドを主戦場としている前田までいないのだから、新たな人材が必要不可欠となっている。

 そこに名乗りを挙げるのが、FIFAワールドカップカタール2022にも出場した相馬勇紀だ。

「大然だったり前線の選手の負傷もあるので、左の前で使われるのかなと僕の勝手なイメージでは考えています」と本人も13日の代表活動初日にコメント。6月のエルサルバドル戦とペルー戦では右サイドバックで出場したものの、今回は本職と言えるポジションで勝負していく構えだ。

 第2次森保ジャパン発足後は上記2試合しか出場していないが、東京オリンピックに参戦し、カタール大会メンバーにも滑り込んだ通り、指揮官からは一定の評価を得ている。

 今年1月からはポルトガル1部のカーザ・ピアへ赴き、間もなく1年が経過するが、左右のウイングバックやSBをこなすなど、プレーの幅は確実に広がっている。こういう非常事態では前回の旗手同様、貴重なマルチプレーヤーと位置づけられるはずだ。

「チームでも直近の試合(10日のエストリル戦)で4バックのSBをやったりとか、試合展開によっていろいろな役割をこなしています。どこで出ても目の前の相手に1対1で勝つことが持ち味。それを発揮したいと思っています」と本人も目を輝かせた。

 先週金曜日に試合があった相馬はいち早く帰国。初日から万全の状態で代表活動に参戦している。

「金曜ゲームということもあり、コンディションをどんどん作れている。それがプラスに作用していると思います。今シーズン、クラブでは最初、なかなかフィジカルが上がらなかったけど、ここ数試合、特にベンフィカのような強い相手と戦った時に持ち味が出せて、『戦えるんだ』と自信を持てた。自分の良さが代表の力になれると思っているので、謙虚に力を還元したい」と意気込みを新たにした。

 ミャンマー戦の後、2次予選最強の相手と目されるシリア戦が21日にジッダで控えているため、相馬に出番があるとしたらミャンマー戦になるだろう。格下相手は自陣に引いてくる可能性が大。となれば、日本は攻めあぐねることも考えられる。そういう時こそ、彼の突破力が生きてくるのだ。

「2次予選も単純な試合にはならないと思うし、いろいろな展開がある。僕のイメージでは前半の25分くらいで点取れるかどうかが重要。相手が引いてきた中で、全員が相手の前で、足元でプレーしてしまうと、それこそ試合が動かなくなる。そこで裏を突く動き出しとかタイミングのいい飛び出し、瞬発的な速さといった自分の良さを出すことを心がけたい。そういう動きをしていれば、(久保)建英のような選手が素晴らしいボールを供給してくれるので、そこを大事にしたいですね」

 相馬自身も縦への推進力でマークを1枚2枚剥がしてチャンスメイクに努める考えだ。

 彼がカタールへの切符をつかむ大きな節目になったEAFF E-1 サッカー選手権 2022 決勝大会でも、思い切りのいいドリブル突破やチャンスメイク、ゴール前での動きがMVP&得点王という結果につながった。当時を思い出しつつ、ポルトガルで養った屈強なフィジカルや走力、当たりの強さなどを駆使し、スケールアップした相馬勇紀を示すことができれば、まさに理想的と言っていい。

「ちょっと前の自分は体に鎧を背負いながらプレーしていた印象だった。いい当たり方をしたら強いけど、当たられ方によってはよろけちゃう感じだった。でも今はインナーを着てるみたいに思うままに動ける。内側から体幹が使えている気がします」と本人も自信を見せているだけに、第2次森保ジャパン定着への布石を打つような大仕事を期待してよさそうだ。

 前田や旗手、中村が戻って来れば、1月に控えるアジアカップを巡る争いはさらにヒートアップする。そこでメンバー入りを勝ち取るためにも、今回の相馬には強烈なインパクトが求められる。1年前にワールドカップを射止めたここ一番の勝負強さを再び見せつけてほしいものである。

取材・文=元川悦子

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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