ハーレーダビッドソンの最新モデル「ナイトスター」(Nightster)に試乗した。トルク型のチューニングを施した新型水冷エンジン「レボリューションマックス」を搭載し、ハーレーらしからぬ(?)ライディングポジションを要求してくるナイトスターの乗り味は?

  • ハーレー「ナイトスター」

    大注目のハーレー「ナイトスター」。はたしてその実力は?

軽量化の効果はどのくらい?

ナイトスター最大の特徴は、トルク型のチューニングが施された水冷60度Vツインの「レボリューションマックス975Tエンジン」を搭載していること。車体重量は「スポーツスターS」よりも7kg軽い221kgで、フューエルタンクはシート下に移動している。

これらの特徴は、ライディングにどのような影響を与えるのか。「スポーツスターS」との違いも踏まえて試乗で確認してみた。

  • ハーレー「ナイトスター」

    クラシカルなスタイリングがスポーツスターの系譜であることを強く印象付ける「ナイトスター」。ボディサイズは全長2,250mm×全高705mm。フューエルタンク容量は11.7L

  • ハーレー「ナイトスター」

    カラーバリエーションは全部で3種類。販売価格は写真の「ビビッドブラック」が188.87万円、「ガンシップグレー」と「レッドラインレッド」が191.95万円

ナイトスターの走り出しはフラつくようなところがなく、非常に安定していた。重量物であるフューエルタンクがシート下に移動したことによる低重心化が奏功しているようだ。「レボリューションマックス975Tエンジン」が低回転時からパワフルな特性を遺憾なく発揮してくれることも、走り出しの安定感に寄与している。レスポンスも良く、少しアクセルをひねればスッと走り出してくれる。

ライディングポジションはステップ位置が「スポーツスターS」よりも後ろに変更されたことで大きく変わった印象だ。足を前に投げ出すようなハーレーらしさが失われた一方で、体勢に無理がなくて乗りやすいという意味では、こちらの方が広く受け入れられるかもしれない。

  • ハーレー「ナイトスター」
  • ハーレー「スポーツスターS」
  • 写真左が「ナイトスター」、写真右が「スポーツスターS」。ステップ位置の違いにより、ライディングポジションが大きく異なる

「スポーツスターS」よりもひと回りスリムな車体は操作性に優れ、その走りは軽快そのもの。特にコーナー時はキビキビと思い通りに走ってくれた。これなら、ワインディング走行がより楽しめそうだ。

今回は市街地走行ということで、ストップ&ゴーを繰り返すシーンも多かったが、シート高705mmによる良好な足つきもあって信号待ち時でも安定感は抜群。筆者は755mmの「スポーツスターS」でも不便は感じなかったが、小柄なライダーであればその優位性を感じられるはずだ。クラッチも軽く、つかれづらいので、市街地走行からロングツーリングまで幅広く活躍してくれるモデルといえるだろう。

ハーレーダビッドソンジャパンでは「ナイトスター」の国内店頭デリバリーを記念した「NIGHTSTER デビューフェア」を5月29日(日)まで全国の正規ディーラーで開催中だ。「ナイトスター」を公道で試乗できるチャンスとなるので、この機会にその乗り味を実際に体験してみてはいかがだろうか。