最新記事

米外交

トランプ「NATO加盟国の拠出は不十分、ドイツはロシアの人質だ!」

2018年7月11日(水)19時22分

7月11日、トランプ米大統領(写真右)は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の拠出額拡大はまだ不十分との認識を示した。左はストルテンベルグNATO事務総長、ブリュッセルで撮影(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)

トランプ米大統領は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の拠出額拡大はまだ不十分との認識を示した。

同大統領は記者団に対し、「過去1年間にNATOに約400億ドルの追加拠出があったが、不十分だ。米国は拠出し過ぎており、他国から、特に一部の国からの拠出が少ない」と指摘。

その上で「この状況は何十年も続き均衡を欠いている。米国の納税者にとって不公平だ。我々はこれを公平にしようとしており、この点でNATO事務総長の努力を称賛したい」と述べた。

NATO首脳会議を前にトランプ大統領はストルテンベルグ事務総長と会談。欧州で最も裕福なドイツがロシアからの資源輸出パイプラインを支持する一方で、ロシアから欧州を防衛するために米国が資金を拠出するのは「非常に不適切」と指摘した。

トランプ大統領は、このバルト海パイプラインを支持しているドイツを「ロシアの人質だ」と非難した。

「米国はドイツ、フランスをはじめ欧州諸国を守っている。しかし、多くの国がロシアと(エネルギー供給のための)パイプラインで合意し、ロシアに多額の資金を支払っている」と述べた。

ドイツは国内から石炭や核エネルギーを排除したが、「大量の石油やガスをロシアから得ている。NATOはこれを考慮する必要がある」と指摘した。

トランプ大統領は「ドイツはロシアに完全に支配されている。エネルギーの60─70%をロシアと新たなパイプラインから調達しているからだ」と主張したが、実際はロシアからの石油と天然ガスの輸入は全体の約20%にすぎない。

ドイツのフォンデアライエン国防相は記者団に「ロシアとの間に多くの問題があるのは間違いない」としながらも、同盟国とも対立する国とも、常に連絡を取れるようにしておくべきだと反論した。

またストルテンベルグ事務総長は記者団に、トランプ大統領は「非常に直接的な表現」を用いたが、全てのNATO加盟国が防衛費用を負担し合う必要があることで一致していると指摘した。昨年は各国の拠出が大幅に増加したとも述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20240521issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年5月21日号(5月14日発売)は「インドのヒント」特集。[モディ首相独占取材]矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディの言葉にあり

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トルコ・ギリシャ首脳が会談、ハマス巡る見解は不一致

ワールド

ロシア軍、北東部ハリコフで地上攻勢強化 戦線拡大

ビジネス

中国、大きく反発も 米が計画の関税措置に=イエレン

ビジネス

UBS、クレディS買収後の技術統合に遅延あればリス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    年金だけに頼ると貧困ライン未満の生活に...進む少子高齢化、死ぬまで働く中国農村の高齢者たち

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 6

    自宅のリフォーム中、床下でショッキングな発見をし…

  • 7

    地下室の排水口の中に、無数の触手を蠢かせる「謎の…

  • 8

    アメリカでなぜか人気急上昇中のメーガン妃...「ネト…

  • 9

    あの伝説も、その語源も...事実疑わしき知識を得意げ…

  • 10

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 9

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 10

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中