新潟県、新潟市、JR東日本は15日、新潟駅の高架駅第1期開業および新幹線・在来線の同一乗換えホーム完成を記念してセレモニーを開催した。新潟駅構内では4月14日に線路切換工事が行われ、4月15日始発から在来線高架ホームを使用開始している。

  • 高架となった新潟駅在来線5番線ホームに入線する特急「いなほ」

上越新幹線と信越本線・白新線・越後線が接続する新潟駅では、新潟市の都市計画事業の一環で新潟駅付近連続立体交差事業が進められている。高架駅第1期開業にともない、これまで地上にあった在来線ホームのうち1~4番線ホームが廃止され、新たに在来線高架ホームとして2~5番線ホームを使用開始。在来線5番線ホームは新幹線11番線ホームと同一階となり、乗換え改札を2カ所整備した。特急「いなほ」は在来線5番線ホームから発着し、上越新幹線「とき」「Maxとき」と同一ホーム上で乗り換えられるようになった。

在来線高架ホームの階下に整備されたコンコースも一部使用開始。改札内に待合室・トイレが設けられ、新幹線コンコースとの乗換え改札も新設された。構内営業店舗として、在来線高架コンコースに「NewDays」、在来線5番線ホームに「NewDaysKIOSK」がオープン。各店舗で開業3日間限定(4月15~17日)の記念キャンペーンも行うという。

なお、新潟駅では高架駅第1期開業後も万代口改札と地上の在来線8・9番線ホーム(信越本線・白新線の列車が発着)を引き続き使用。これにともない在来線高架ホームへの動線が変更され、東こ線橋・仮通路または西こ線橋を通って在来線高架コンコースへ移動する必要がある。在来線高架ホームのうち、3~5番線ホームはエスカレーター・エレベーター・階段を設置したが、2番線ホームについては仮階段のみの整備となっている。

  • セレモニーではテープカットなどが行われた後、上越新幹線「とき311号」から特急「いなほ3号」へ乗り換える利用者に「開業パン」を配布。新潟駅長の出発合図で「いなほ3号」が発車した

セレモニーには新潟市長の篠田昭氏、新潟県知事の米山隆一氏、JR東日本新潟支社長の今井政人氏らが出席。篠田市長は挨拶の中で、新潟駅の高架駅第1期開業により「南北を分断していた在来線が高架上に移され、2カ所の踏切が廃止されることで、南北の一体化がより進み、新潟の拠点化が前進するのではないか。これからも新潟駅の高架全面開業に向け、街の魅力を大きく向上させる事業となるよう最大限努力したい」と述べた。米山知事は新幹線・在来線の同一ホーム乗換えが可能となったことに触れ、「新潟から山形・秋田への観光の利便性もぐっと広がるのではないかと思います」と述べた。

今井氏は「線路切換工事を行い、今朝の一番列車が到着した際は涙が出そうになりました。長年、多くの先輩方が待ち望んだ日だったと思います」と挨拶。新幹線・在来線の同一ホーム乗換えにより「非常にスムーズで、バリアフリーにも配慮した上下動なしの乗換えが可能となります。村上・庄内方面への観光の足がかりとして活性化につなげていくとともに、新潟のまちづくりにも参加したいと思っています。今後も第2期工事が続きますが、50年100年と愛されるような良い駅をつくれたら」と話していた。

セレモニーの後、10時45分頃に特急「いなほ3号」が在来線5番線ホームに入線。続いて10時49分頃、上越新幹線「とき311号」が新幹線11番線ホームに到着し、特急「いなほ3号」へ乗り換える利用者へ、篠田市長・米山知事らから特製の「開業パン」が配布された。「いなほ3号」は10時58分、新潟駅長による出発合図で5番線ホームから発車した。

  • 4月15日から使用開始した新潟駅在来線高架ホーム・在来線高架コンコースなどの様子