京都に拠点を構えるシトロエン専門店のアウトニーズは、4月24日よりクラシックシトロエンのレンタルサービスを始めると発表した。あの「2CV」(ドゥーシーボー)に1日1万円台で乗れるというから、旧車ファンならずとも気になるサービスだ。詳細を聞いてきた。

  • アウトニーズのブース

    アウトニーズが「AUTOMOBILE COUNCIL 2021」(オートモビル カウンシル2021、会場は千葉県の幕張メッセ、会期は4月9日~11日)に出展した「2CV」(左)と 「DS23」(右)。これらのクルマもレンタル可能だというが、その詳細は?

旅行に新たな楽しみをもたらす名車たち

シトロエンといえば、一目でそれとわかるユニークなデザインが特徴のフランス車だ。かつては一部の愛好家に人気のあるマニアックなクルマというイメージだったが、近年は日本で好調なセールスを記録していることもあり、街中で見かける機会も増えている。

そんなシトロエンの、しかもクラシックモデルで京都旅行が楽しめるというサービスが、アウトニーズの「レント ア クラシックカー in 京都」だ。同社は1998年の創業以来、一貫してシトロエンのレストアと販売を手がけてきた。

最初にざっくりとレンタルの仕組みを説明すると、レンタカーとして用意されるのは「DS23」が1台と「2CV」が2台の計3台。レンタル料金は「DS23」が1日利用で3万800円~、「2CV」が同1万8,480円~となる。基本的には京都府・伏見区にある店舗での貸し出しとなるが、要望に応じて宿泊先のホテルや京都駅などへの配車も可能だ。

  • シトロエン「DS23」

    20世紀の名車として名高い「DS23」。ミッションシステムはセミATなので、AT限定免許でも利用可能だ

それにしても、なぜクラシックシトロエンのレンタルサービスを始めるのか。アウトニーズ取締役の伊藤悠太さんに話を聞くと、クラシックカー台数の減少と価格の高騰によるところが大きいようだ。

最近は1990年代以前の日本車の価格高騰が著しいが、そもそも、現存台数が年々減っていくかつての名車たちの価格は、総じて右肩上がりだ。例えば「2CV」も、以前であれば数十万円で購入できたものが、現在では200万円以上で取り引きされているという。クラシックカーにデビューしたい人たちにとって、価格面のハードルは随分と上がっているのだ。

金額的にも遠い存在になりつつあるクラシックカーを、もっと身近に感じてもらうにはどうしたらいいか。思案の末に考案したのが、「レント ア クラシックカー in 京都」というわけだ。

  • シトロエン「2CV」

    1948年の登場以来、アイコニックなクルマとして息の長いセールスが続けられた「2CV」。こちらは4MTなので、レンタルはマニュアルでクルマを運転できる人に限られる

より多くの人に利用してもらうためには、レンタル料金の設定が重要になる。2車種の料金を確認すると「2CV」よりも「DS23」が高い設定となっているが、この差の理由は何だろうか。

伊藤さんによると、「『DS23』はメンテナンスや保守の部分で費用がかかるので、『2CV』と比べて少し高めの設定になりますが、逆に『2CV』はギリギリの料金設定にしています」とのこと。ちなみに、レンタル料金には保険料も含まれている。この金額でクラシックカーに乗れるのであれば、案外リーズナブルなのではないだろうか。

とはいえ、クラシックカーのレンタルとなれば、故障の不安が頭をよぎるのだが、アウトニーズではアフターケアにも万全を期しているという。もし途中で動かなくなってしまっても、店舗に電話すればスタッフがレスキューに駆けつけてくれる。必要であれば、代車も用意してくれるそうだ。ただ、オランダに自社工場を持ち、長年シトロエンを扱ってきた熟練スタッフが在籍するアウトニーズの整備車両であれば、このあたりはいらぬ心配かもしれない。

レンタルで気に入った場合、購入を検討するというケースも考えられるが、「DS23」は600万円台から、「2CV」は200万円台からレストア車両を用意できるとのことだった。

  • シトロエン「DS23」
  • シトロエン「DS23」
  • シトロエン「DS23」
  • 「DS23」

  • シトロエン「DS23」
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  • 「DS23」

  • シトロエン「2CV」
  • シトロエン「2CV」
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  • 「2CV」

  • シトロエン「2CV」
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