なぜ「隣の部屋」へ引っ越すことになったのか


アパートの「隣の部屋」に引っ越せる? 不動産会社に聞いたら本当にできた


アパートに住んでいる筆者。更新時期が近づき不動産会社へ出かけると、見慣れた物件の案内を発見。あれ、これは隣の部屋? 広さは今の部屋と同じ。
設備もほぼ同じ。しかも日当たりがやや悪いだけで、その分家賃が少し安い!

「今回、隣の部屋に引っ越すのってアリですか?」と聞いたところ、不動産会社からは「こんな相談は初耳です」との返事が。そして調整してもらった結果、前代未聞の隣の部屋への引っ越しにOKが出ました。

アパートの「隣の部屋」に引っ越せる? 不動産会社に聞いたら本当にできた


隣の部屋に引っ越すメリットと予想外だったこと


引っ越し期間は1週間に設定。この間、引っ越し元である今の部屋&引っ越し先である新居、2部屋を借りる形にしました(これらも不動産会社に日割り計算など調整してもらいました)。

メリット1:まるで2部屋持っているような贅沢気分を味わえる

まあ、半分は冗談ですが、2部屋を行き来して生活することができます。実際に暮らす中で、新たな物の置き場所(例えば玄関の靴箱など)を決めやすくなります。


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引っ越し元の玄関

アパートの「隣の部屋」に引っ越せる? 不動産会社に聞いたら本当にできた
引っ越し先の玄関


メリット2:何か問題あってもすぐに対応できる

以前引っ越した際には、中断していた仕事を再開させる際に「あれ、パソコンはあるけど、プリンタはどこにしまったっけ? そもそも資料をどの箱に入れたかわからない!」といったことがありました。

今回は引っ越しによる時間差も少なく、最低限の大事なことはスムーズに対応することができました。

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メリット3:引っ越しのトラック手配などは不要

この春は運送業者の人手不足でトラックが調達できず、個人・会社問わず、大幅に引っ越しスケジュールが変更となったとのニュースが話題となりました。しかし、隣の部屋への引っ越しの場合はトラックや引っ越し業者などは不要。ただしその分、二部屋を往復するバケツリレー的な作業が必要となってくるわけですが……。

予想外だったこと1:家具をそのまま運ぶのは無理!
当初は単に「引っ越し元」のものを「引っ越し先」へスライドさせるだけと思っていました。
実際、冷蔵庫などは多少中身入ったままでも、一人でなんとか移動に成功(下に雑巾を置いてスライドさせるという、家具の配置換えの要領ですね)。

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冷蔵庫の移動


ただし、中身が詰まった本棚などは重すぎて無理! 結局、友達に泣きつき「こういうのは、断捨離しつつ一旦ダンボールに入れ、運んでから整理し直しなさい」と諭されました。

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本をダンボールに詰める

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本を詰めたダンボールと、空っぽの本棚

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空っぽの大きい本棚


予想外だったこと2:同じ物件でもまったく同じ設備とは限らない

コンセントや洗濯機置き場の位置が違うのは承知していましたが、その他サイズが重要な設備はしっかり計っておいたほうがよいです。

アパートの「隣の部屋」に引っ越せる? 不動産会社に聞いたら本当にできた
配置が違う洗濯機置き場などを確認


目視レベルで同じだと思っていたキッチンの幅が違っていて、それまで使っていたガスコンロが入らなかった時の衝撃たるや……。

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ガスコンロ置き場

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おっと、コンロが入らない


予想外だったこと3:住所変更諸々は、通常の引っ越しと変わらない

引っ越しに伴い、電気・ガス・水道やネット環境などの手続きを確認しましたが、これは結局通常の引っ越しと同じく変更手続きが必要でした。ただ、2016年に始まった電力自由化に対応するタイミングを逸していたままだったので、ちょうどいい機会だと切り替えができました。


予想外だったこと4:配送物受け取りの良し悪し

郵便受けも隣同士で並んでいますが、そこの対応は配達業者さん次第。例えば、予定より早く新住所宛にネット通販から荷物が届きました。これはちょうど新しい部屋にいた時だったのでナイスタイミング!

アパートの「隣の部屋」に引っ越せる? 不動産会社に聞いたら本当にできた


……ということもありますが、反対にタイミングによっては別の部屋にいたために受け取れないことも。クレジットカード発行に関する対応では「住所の書かれた身分証」を「その玄関先で提示」を条件とするものがあり、こちらは元の部屋の鍵を返した後だったのでタイミングが悪く「ご本人だというのはわかるのですが、規則ですから……」と受領することができないままです。トホホ。

メリット4:細々したものの移動がラク

引っ越し最終日、元の部屋を受け渡す直前で「ここを掃除したい」とすぐに新しい部屋からティッシュを持ちだせたり、逆に忘れていたカーテンをすぐに回収したりすることができました。
……細かすぎるメリットですが(笑)。

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隣の部屋への引っ越しが終わって感じること


感じること1:生活の変化はないが新鮮

通常の引っ越しだと近隣に何を売っているかわからないことも多いですが、今回は勝手知ったる近所なので迷うことはありません。またゴミの出し方のルール、最寄りの駅や病院などの情報も変わりありませんので、生活はまったく変わりません。それでいてピカピカの部屋に入ったことで、新鮮味を味わうこともできました。

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感じること2:究極の断捨離ができた

前述の電力切り替えや、荷物の整理など、ある意味究極の断捨離を行えたと思います。日頃からモノが捨てられないタイプでしたが、この引っ越しを機にゴミ袋約40袋分の処分を行いました。
実質2部屋使えることが断捨離を実行する際に役立ちました。

ただこのゴミ処分を業者へ依頼したのが大きく、引っ越し総費用は最終的に5万円をオーバー。引っ越し期間を1週間以上にしていれば、通常のゴミ出しの範囲で抑えられたかもしれませんが、その分家賃もかかるので悩ましいところ。

ちなみに敷金礼金や初回手数料などは不動産会社との交渉となります。自分の場合、敷金礼金は通常の引っ越し同様、その他の費用は若干考慮してもらう形に落ち着きました。ただ、冒頭でも記した通り家賃が安くなることで、礼金分などはカバーできそうです。


個人的にはいいことづくめだった隣の部屋への引っ越し。リクエストが通るかは大家さんや不動産会社次第ですが、何かタイミングがないと断捨離できない方に特にオススメです!

(あ、でもやっぱりバケツリレー的荷物の移動は限界ありますので、そこはしっかり梱包を推奨します)

(高柳優/イベニア)