貯金7のリーグ2位で前半戦を折り返した阪神。好調なチームを支えるのが「ルーキー三羽烏」の糸原健斗(24)、大山悠輔(22)両内野手、小野泰己投手(23)だ。勝負強い打撃が持ち味の糸原への球団内の評価は高く、大山は交流戦終盤からの連敗を8で止める勝利の立役者になった。俳優・石田純一さんも認めたイケメン小野も登板を重ねるごとに成長しており、後半戦の巻き返しのキーマンとなりそうだ。(岡野祐己)
糸原は「予想以上の働き」
ドラフト5位で糸原を指名した阪神はうれしい誤算だろう。
金本監督が「糸原デー」と最敬礼した7月9日の巨人戦(甲子園)はまさに独り舞台だった。九回に守護神ドリスが同点に追いつかれた直後の攻撃。2死一、二塁からマシソンの直球を中越えにはじき返し、プロ初となるサヨナラ打を放った。この日はプロ初本塁打を放つなど4安打3打点の活躍で、恩師や知人らからたくさんの電話やメールがあったという。
前半戦を終えて、打率は2割台前半と派手さはないが、注目すべきは出塁率。3割3分3厘は試合出場数が12多い高山よりも高い数値を誇る。平野打撃コーチは「内角の球は力で引っ張れるし、外の球は流し打ちもできる。選球眼も良いし、何度もチームを救ってくれた」と評価する。
社会人チームの強豪「JX-ENEOS」から阪神に入団し、開幕1軍を勝ち取った。北條史也内野手(22)が打撃不振に陥って2軍に降格し、交流戦からは遊撃手のレギュラーとして出場機会が急増した。