ソチ五輪2014

大和なでしこ「ソチ変化」に驚く

1/6

 五輪公園に置かれた五輪マーク。後方は、開閉会式が行われるオリンピックスタジアム「フィシュト」【時事通信社】

 機内に流れるアナウンスで、ソチ空港到着が近いのを知った。惰眠をむさぼっていたわたしも、体を起こして窓に顔を近づけた。眼下に広がる町並み、道筋、山々の稜線など、確かにわたしが知るソチのように見える。ほんの3か月前に訪れたばかりなのに、ふいに懐かしさがこみ上げてきた。

 昨秋、五輪開幕を控えたこの町の「100日前」を取材するために、わたしはたった一人でこの町にやってきた。どこもかしこも工事中。なのに、どこかしらのんびりムードが漂う町だった。土ぼこりと闘い、野犬におびえ、汚いトイレに怒りさえ覚えながら、連日シャッターを切った。あちこち巡り、おいしい物を食べ、人懐っこい人たちとカタコトの英語で交流した。すべてがいい思い出だ。

 詳細はこちらで カメラ女子 五輪前にソチ潜入

 そして、五輪本番。この町はどうなったか。開幕に間に合うのかと少し心配していたが、今はどうだろう。次第に大きく見えてくる町の光景に目を凝らす。思わず、声が漏れた。
 「か、変わっとるがな…」

 ジャンプ会場で、フラワーセレモニーの練習をする女性たち【時事通信社】

 雲間を抜け、目に飛び込んできた五輪公園は、3カ月前にこの地を去るときに見た光景と懸け離れていた。朝の4時にもかかわらずサーチライトが雲を照らし、各競技場はきらびやかにライトアップされている。真下に見える選手村やメディア用アパートメントも立派に完成。あちこちにあった工事現場も、ほとんど見えなくなっている。「ロシアの底力ってやっぱりすごい」と思った。

 空港内も変化は激しかった。タクシー手配係のケバイお姉様方は姿を消し、ソチ五輪のロゴマーク入りジャンパーを着た優しそうなボランティアの人々が笑顔で出迎えてくれた。質問すれば、わたしより上手な英語で答えてくれる。
 「なんだ、やればできるじゃん!」
 これぞわたしが求めていた「お・も・て・な・し」。帰ってきたぞ、ソチ!

 さて、わたしは五輪で、ジャンプやアルペンなど主に山の競技を担当することになっている。運動部の記者と2人、空港から山行きのバスに乗り込んだ。新しく整備された五輪専用道路を進むこと1時間。「ここで降りて歩けばホテルはすぐそこだ」と運転手に言われ、素直に信じて歩きだした。しかし、ここからが試練の始まりだった…。

次は>> ホテルはどこだあ!

注目のコンテンツ

新着

会員限定

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ