相模鉄道本線星川~天王町間の上り線が高架化され、11月24日の始発列車から高架区間での営業運転を開始した。11月23日の最終列車後、報道関係者向けに上り線路切替工事見学会が行われ、天王町駅での工事や星川駅の上り高架ホームなどが公開された。

  • 全線高架化された星川駅。3番線ホームに20000系の上り始発列車が到着

星川~天王町間では2002年以降、横浜市の都市計画事業として「相模鉄道本線(星川駅~天王町駅)連続立体交差事業」が進められてきた。事業区間は星川6号踏切付近から天王町駅までの約1.9km。2017年3月の下り線高架化に続き、上り線も高架化されたことで全線高架化が実現した。これにより、星川6号踏切を除く事業区間内のすべての踏切が除却され(星川6号踏切は周辺道路の整備後に除却予定)、安全性の向上、都市機能の充実、踏切による交通渋滞の解消など、地域交通の円滑化が期待されている。

星川駅の上り地上ホームは11月23日の最終列車をもって営業を終えることになり、報道関係者向けの上り線路切替工事見学会でも、最終列車到着時の様子が公開された。上り最終列車は11000系「そうにゃんトレイン」による横浜行の各停で、0時28分に星川駅を発車。その直後に上り地上ホームは閉鎖され、上り線を高架に切り替える工事が始まった。

天王町駅では数百人の作業員を動員し、夜を徹して線路切替工事が行われた。上り線のレールを切断し、高架区間からのレールと接続する作業、数十人の作業員が協力し、人力で線路を移動させる作業、仮設ホームを組み立て、上りホームを拡幅する作業、架線を切り替える作業などが進められ、最終列車から2時間弱でレールの接続がほぼ完了。他の作業も順調に進捗し、定刻通りに始発列車が運行されることとなった。

星川駅では新たに高架の3・4番線ホームが使用開始。上り始発列車の前に9000系リニューアル車両を使用した試運転列車が運転され、早朝5時頃、徐行しながら3番線ホームへ入線。作業員による検測が行われた後、ゆっくりと天王町駅へ走り出した。その数分後には上り始発列車が星川駅に到着。今年デビューした20000系による横浜行の各停で、試運転列車と同じく3番線ホームに停車し、5時11分に星川駅を発車した。始発列車の後も9000系リニューアル車両による試運転列車が続き、5時15分に4番線ホームに入線した。

相鉄線は星川~天王町間の全線高架化を受け、12月8日から新ダイヤでの運行を予定している。高架化にともない和田町~天王町間における工事区間の徐行運転がなくなるため、上り特急・急行の一部列車で所要時間が最大1分程度短縮されるという。なお、新ダイヤでの運行開始と同じ12月8日、相模鉄道は星川~天王町間の全線高架化記念で「星天レールウオークイベント」を開催予定。実際に列車が走行していた地上の線路を歩くことができ、16年にわたる工事内容の紹介や相鉄グッズの販売なども行われるとのこと。

  • 星川駅の上り地上ホームに11000系「そうにゃんトレイン」。最終列車の発車後、ホームは閉鎖された

  • 最終列車の後、天王町駅では作業員による夜を徹しての線路切替作業が行われた

  • 星川~天王町間の全線高架化にともない、踏切も閉鎖に

  • 新たに営業開始した星川駅の上り高架ホーム。始発列車の前後に試運転の列車も運転された