防災セットの準備率…「災害避難の経験者」ほど低調!? 「市販のセット、避難時に必要だったものと違った」

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きょう1月17日は阪神・淡路大震災から26年、そしてまもなく東日本大震災から10年になります。災害への備えの重要性が訴えられていますが、実は「防災セット」を準備している割合は「災害の非難を経験した人ほど低調」という意識調査がこのほど公表されました。

東日本大震災を経験した東北地方の在住者の多くは「防災用品の準備をもっとしておくべきだった」と回答していますが、現在においても防災セットを準備していない理由として「自宅に置き場所がないから・邪魔だから」という声のほか、「市販の防災セットの中身は震災時に必要だったものと乖離している」などの回答があったといいます。

株式会社アントロットが2020年5月から9月にかけて行なった防災セット(非常用持ち出し袋)に関するアンケート調査。関東(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)在住者1215人と、東北(岩手県、宮城県、福島県)在住者1091人から回答があったそうです。なお、防災セットは1つ以上の防災グッズを袋やリュックなどでまとめて、避難が必要な災害発生時すぐに持ち出せる状態にしているものと定義し、自宅に保管している水や保存食などの備蓄物は除いたといいます。

調査によって以下のことが明らかになったといいます。

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▽防災への意識が高まっている昨今でも、避難を想定した防災セット(非常用持ち出し袋)の所持率は高くない

▽所持率を地域別で見ると、東日本大震災を経験した東北地方が関東地方を下回った

▽東北在住者の多くは東日本大震災当時、防災用品の準備をもっとしておくべきだったと回答

▽その一方で、防災セットを持っていない要因として東北在住者は「自宅に置き場所がないから」「市販の防災セットの中身が必要なものじゃないから」などと回答。関東在住者からは「何を用意すればいいのかわからない」「用意に手間がかかる」などの答えが多かった。

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 アンケートでは、防災セットを持っている場合「どのように用意したか」も聞いており、東北在住者のほうが「自分で用意した」割合が高くなっていました。

同社によると、災害経験者が防災セットを持っていない理由として「震災時も防災セットは持っていたが、押し入れの奥に眠っていて避難所まで持って逃げることができなかった」といった意見もあったそうです。また、避難所でなかなか入手できず困ったものとしては「充電器」「洗顔料」「コンタクトレンズの保存液」「髭剃り」「メイク落とし」「スキンケア用品」などの日用品だったといいます。

こうした状況を解決する一助として、同社は普段は内部に日用品をストックできる椅子として活用でき、災害時には背負って避難できる防災チェアを開発しているといいます。同社は「地震や津波に限らず、豪雨被害、土砂災害、火山噴火…誰しもが災害に遭遇する可能性があります」とし、この調査結果などをきっかけに「避難が必要になった時のことをより鮮明に考えるきっかけになればと願っています」と述べています。

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