ニュース 2017.12.14. 12:00

“ハンカチフィーバー”に沸いた2010年 6位指名から大台超えを果たした男

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広島・中崎も年俸1億円を突破(C)KYODO NEWS IMAGES

広島の守護神が初の大台突破


 オフシーズンにおける球界の話題といえば、一番に思い浮かぶのが“契約更改”だろう。

 自身の来季の年俸が決まる重要な会談。笑顔で記者会見場に現れる選手がいれば、悔しさをにじませながら登場してくる選手もいる。


 広島の中崎翔太は、上で言うと前者にあたる。プロ8年目にして初の“大台超え”となる1億1500万円(金額は推定)でサイン。晴れて“1億円プレイヤー”の仲間入りを果たした。

 今季は開幕直後に故障で戦列を離れるも、復帰後はセットアッパーとして安定した投球を披露。シーズン最終盤でクローザーに戻り、チームのリーグ連覇に大きく貢献した。最終的には59試合に登板し、4勝1敗10セーブ・25ホールドをマーク。防御率は1.40と2年連続で1点台の好成績を叩き出している。

 中崎は2010年のドラフト6位でプロ入り。この年はいわゆる“ハンカチ世代”が大卒の目玉として注目を浴びた年で、大石達也(現西武)が6球団競合、世代筆頭・斎藤佑樹(現日本ハム)も4球団が競合するなど、大いに盛り上がった年である。

 そんな代にあって中崎はさほど注目を浴びることもなかったが、8年かけて一流選手の証である“年俸1億円”のラインを越えた。「ドラフト時の評価はプロに入ってから逆転できる」ということを見事に体現している。


戦力外を乗り越えて…


 また、中崎と同じ2010年のドラフト6位から“大台超え”を果たした選手がもう一人いる。楽天の福山博之である。

 大東高から大阪商業大を経て横浜(現DeNA)に入団した福山。1年目から19試合に登板するなどチャンスはあったものの、これといった結果を残すことができず。2試合の登板に留まった2年目のオフに戦力外となってしまう。

 俊足を活かして野手転向という声もあったなか、楽天との契約を勝ち取り3年目のシーズンへ。すると初年度から中継ぎとして22試合に登板し、チームの創設初優勝&日本一に貢献する。

 新天地で存在感を発揮すると、翌年からは4年連続で65試合以上に登板するなどフル回転。防御率も1.87、2.76、2.71と来て、今季は1.06。開幕から登板36試合目まで自責点ゼロを継続し、“ミスターゼロ”の異名をとるなど快進撃の一端を担う活躍でオールスター出場も果たした。

 ドラフト下位指名、2年目には戦力外というどん底を味わいながらも、そこから這い上がって掴んだ年俸1億円。苦労人は東北で見事に夢を掴んだ。
 
今年は清宮幸太郎(早実高→日本ハム)が大きな注目を集めているが、中崎や福山の存在は下位指名の選手たちにとって大きな励みとなるはずだ。入団時の評価で負けていても、プロに入れば横一線。同じ1年生としての戦いがはじまる。下位指名組の反骨心に注目だ。


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