アップルが、高性能ノート型Mac「MacBook Pro」を5年ぶりにフルモデルチェンジし、「14インチMacBook Pro」「16インチMacBook Pro」の2機種を発表した。CPUに、新開発の「Apple M1 Proチップ」と「Apple M1 Maxチップ」を搭載し、従来のインテル製CPUを搭載したMacBook Proよりも処理性能を飛躍的に引き上げた。

  • 5年ぶりに高性能ノート型Mac「MacBook Pro」がモデルチェンジ。圧倒的な処理性能を誇るモンスターマシンに仕上がっている

本体デザインも一新した。ディスプレイは、iPad Proと同様のミニLEDを搭載したProMotionディスプレイに一新し、輝度やコントラストを大幅に向上。キーボードは、Touch Barを廃止してオーソドックスなキーボードに戻した。HDMI端子やSDカードスロット、ヘッドホンジャックなど、利用頻度の高いコネクターを標準で搭載し、使い勝手を高めた。磁石でくっつく充電用のMagSafe端子も復活した。内蔵スピーカーは6スピーカーに改善し、空間オーディオにも対応した。

映像制作や3Dグラフィックス制作、写真撮影、音楽制作、アプリ制作、科学研究を手がけるプロユーザーが満足できる性能に仕上げ、「クリエイティブ用途ならばMac」「外出先でも常に最高の作業環境を持ち歩ける」ことをアピールする。

価格は、14インチMacBook Proが239,800円から、16インチMacBook Proが299,800円から。いずれも、予約受付はすでに開始しており、10月26日から出荷する。

  • 14インチMacBook Proと16インチMacBook Proの2機種を用意する

新型MacBook Proのおもな特徴は以下の通り。

  • 14インチモデルと16インチモデルの2ラインアップ
  • 処理性能を大幅に高めた「Apple M1 Proチップ」と「Apple M1 Maxチップ」を搭載、それぞれ両モデルで選択可能
  • 狭額縁タイプの新デザインに一新、カメラ部には「ノッチ」あり
  • 本体の厚さは14インチモデルが約15.5mm、16インチモデルでも約16.8mmと薄型
  • キーボードはタッチパネルのTouch Barを廃止し、オーソドックスなファンクションキーが復活
  • HDMI端子やSDカードスロット、ヘッドホンジャックが復活
  • 充電端子は、磁石でくっつくMagSafe 3端子を採用。Thunderbolt 4端子経由の充電も可能
  • 液晶パネルはミニLEDを内蔵したLiquid Retina XDRディスプレイ。最大120Hzの駆動に対応するProMotionにも対応
  • 前面のFaceTimeカメラは1080pに向上。レンズはF2.0の明るいタイプ。ISPとニューラルエンジンで、人物の肌を自然で好ましい表現に
  • 内蔵スピーカーは6スピーカーに。空間オーディオにも対応
  • バッテリー駆動時間は14インチモデルが約17時間、16インチモデルが約21時間
  • バッテリーは30分で50%の充電が可能な急速充電に対応
  • 内蔵ストレージは最大8TBが選択可能
  • 価格は、14インチMacBook Proが239,800円から、16インチMacBook Proが299,800円から

性能を飛躍的に高めつつ、不満のあった使い勝手や拡張性を改良

新しいMacBook Proの最大の特徴が、新開発の「Apple M1 Proチップ」と「Apple M1 Maxチップ」を搭載し、飛躍的に処理性能やグラフィックス性能を高めたこと。映像制作や3Dグラフィックス制作などで「デスクトップ型のMac Pro並みの性能を外出先でも使いたい」と考えるクリエイターも満足できるようにした。

  • デスクトップ型のMac Proなどの高性能モデルを必要としていた複雑な処理が、場所や電源の有無を問わずできるようになった

  • M1 ProチップやM1 Maxチップは低消費電力に抑えたため、そこそこ負荷のかかる処理を実行しても内蔵ファンは回転しないこともあるそう

  • 高性能を詰め込みながら、本体の厚さは14インチモデルが約15.5mm、16インチモデルでも約16.8mmに抑えた

本体デザインも一新し、新たに14インチモデルと16インチモデルの2ラインナップとした。キーボードは、タッチパネル付きのTouch Barを廃止し、物理的なキーを備えるファンクションキーが復活。ファンクションキーは、高さを通常キーと同じにし、操作性を高めた。拡張端子は、これまでThunderbolt 4端子しかなかった構成を改め、HDMI端子やSDカードスロット、ヘッドホンジャックを復活させた。さらに、MagSafe 3の充電端子を新たに搭載し、磁石でくっつく充電端子も復活した。

  • Touch Barを廃止したMagicKeyboard。最上段のファンクションキーは縦方向が長くなった

  • HDMI端子やSDカードスロット、ヘッドホンジャックがついに復活!

  • なんと磁石でくっつくMagSafeの充電端子も復活した

  • MagSafe 3の充電端子。ケーブルに足を引っかけた場合、コネクターが外れるので、MacBookが床に落下する心配が少なくなる

  • MacBook Proのロゴは底面カバーに刻まれている

液晶パネルは、iPad Proと同じくミニLEDバックライトを内蔵したLiquid Retina XDRディスプレイを採用し、輝度やコントラストを高めた。最大120Hzの駆動に対応するProMotionにも対応した。液晶の上部に内蔵するFaceTime HDカメラは、画素数アップで1080pに対応したほか、レンズをF2.0の明るいタイプにし、室内などでの画質を向上。さらに、ISPとニューラルエンジンの活用で、スキントーン(人物の肌)を自然で好ましい表現にしている。

  • ミニLEDバックライトを内蔵したLiquid Retina XDRディスプレイを搭載し、明るくコントラストの高い表示が得られる

  • ベゼルが狭くなったため、前面のFaceTime HDカメラの部分は、iPhoneのようにノッチが設けられている

  • ノッチがあってもメイン画面には影響がないよう工夫している

オーディオまわりも強化した。内蔵スピーカーは6スピーカーに強化し、空間オーディオにも対応。内蔵マイクも、スタジオ品質の高音質タイプとした。

  • 内蔵スピーカーは6スピーカーとなり、空間オーディオにも対応した

バッテリー駆動時間は、14インチモデルが約17時間、16インチモデルが約21時間と、ほぼ一日の作業が充電なしでできるようにした。30分で50%の充電が可能な急速充電にも対応している。

ノート型Macとしてはこれまでにない高性能に仕上げつつ、価格は従来の水準から小幅な上昇に抑え、コストパフォーマンスはかなり高いといえる。外でも妥協のない性能が得られることで、作業をスムーズに進めたいクリエイターには注目の存在となりそうだ。

  • 外でも妥協のない作業ができる点に魅力を感じるクリエイターやプロフェッショナルユーザーは多そうだ