イスラエルでの暴力のエスカレートに心が痛む。ネタニヤフ政権は、パレスチナ側に対する圧力を高める一方だ。ヨルダン川西岸地区での入植活動を強化し、市民の武器携帯を容易にすると発表。先日パレスチナ人が、ユダヤ教徒7人を射殺した。
イスラエルは中東で唯一の、欧米型の民主主義国家だが、汚職で追及されている元首相が、右派勢力の力を借りてまたもや首相に再選されるという構造には、首をかしげざるを得ない。
イスラエルには、出張で11回行った。
歴史と古代文化に関心がある人には、実に興味深い国だ。
イスラエルへ行かないと、ヨーロッパの歴史、さらに複雑な国際情勢は理解できない。
特に新聞社や放送局の外報部の記者にとっては、イスラエルは必見である。
特にユダヤ教徒、キリスト教徒、イスラム教徒、アルメニア人が狭い地域に同居するエルサレムは、とても重要である。
こんな町は、世界のどこにもない。
テルアビブから見る地中海も、美しい。
気候も温暖で、食事は美味しい。
野菜、果物、魚介類は新鮮だ。ミュンヘンなど比較できないほど、美味しい。
だがユダヤ人とパレスチナ人の間の血で血を洗う抗争がエスカレートするばかりでは、外国からの訪問客も減ってしまう。
イスラエル建国以来続いているこの抗争が、収束する見通しは当分ない。
ユダヤ側、パレスチナ側ともに過激派が火に油を注いでいる。
いわゆるインテリ層のユダヤ人たちも、「あまりにも互いの憎悪が深く、両者は歩み寄れない」と語っていた。
21世紀の初頭の、レストランや喫茶店での自爆テロの嵐は、本当に悲惨だった。
私は、両者の和解は、ほぼ不可能だという悲観的な見解を持っている。
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