表題作は昭和初期の日本を舞台に、身体に障がいを持つ少女たちを集めた見世物小屋での残酷で耽美な出来事が、描かれます。
他の収録作品も、耽美でありながら醜悪、しかも、どれにも百合的要素があります。
私としては中でも、道成寺の安珍・清姫を実体化させるような病(?)を扱った「メタモルフォシスの龍」と、第二次世界大戦中、ゾンビ化してしまう少女ばかりを集めた女学校の真実を明かしていく「徒花物語」が、気に入っています。
多分この短編集は、江戸川乱歩作品に眉をひそめる方々には不向きだと思います。
ただ、その中で怖れながらも惹かれる面がある方は、読んでみるとはまるかもしれません。
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