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2022年02月28日13:23

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個人情勢とウクライナ情勢

 昨年末の日記で、ようやくコロナが収まって海外中心生活が始まったと書いたが、再流行によりまた海外渡航は難しくなった。
 コンサルタント(と自称しているが要は自営業)として海外にしかいない顧客訪問ができずTV会議等でお茶を濁しているようでは大幅収入減を避けられず、40年以上続いたサラリーマン生活がいかに気楽だったか思い知らされることになった。
 まあまだ体力が残っているだけ何とかなるさと楽観的に考えるようにしているがさてどうなるか。

 こういう事態に備えて投資でもやるかと数年前から金融資産のかなりの部分をドル建ての株式・投資信託等にシフトしてきた。
 最近まではまずまずの運用実績だったのであるが、数日前のロシアによるウクライナ侵攻により一気に暗雲が。ミーハーなので流行りのVYMやSPYDそして配当王銘柄等を買っていたのであるが、まあだいたいこういうのは流行る前に仕込んでおかないと儲からないものなのかもしれない。
 いや大暴落でも起きるのなら逆にチャンスであり残っている現金で買い増せばいいのであるが、そんな情勢でもなくただ経済が不活性化してじりじりとすべての価値が下がっていくという最悪の事態が想定されている。

 ・・・と書くと世界の平和が脅かされて戦場では多くの死者が出ているのに何と利己的なと思われるかもしれないが、どう考えてもこの戦争は容易に避けることができたのにと考えるから残念なのである。
 世間ではこの戦争をロシア・プーチン大統領の暴挙ととらえる論調が大半であるが、私の印象は全く逆でありウクライナ・ゼレンスキー大統領のポピュリズム(ですらない無責任主義)に大きな原因がありそうに思う。

 その前に私が15年ほど前にmixiの“ドイツの街角からドイツ史を考える”というトピックで書いたロシアとウクライナの関係を引用すると・・・


[42] Stephen Cabot
2007年11月15日 22:12
30年戦争とドイツ統一(承前)
(前略)
 現在ヨーロッパを形成する三大民族といえば、ゲルマン人、ラテン人、スラブ人ということになるだろうか(歴史的にはこれに加えてギリシア人、ケルト人が重要であるが現在は一地方勢力にとどまっている)。
 この中でゲルマン人・ラテン人というのはゲルマン民族が大移動によりラテン人地域を完全に占領してしまい、そのゲルマン人がラテン化して新たなラテン人を形成するという経緯をたどったこともあって、何となく同族感がある(同族だから仲がいいというわけではなく、同族だから憎み合うという面はある)。

 これに対して異質な存在はスラブ人であり、実はスラブ人というのはヨーロッパの中だけでなく世界の中で見てもかなり異質である。
 スラブ人というのは現在数億人を数える大民族(ヨーロッパ内ならゲルマン人よりもラテン人よりも多い)でありながら、その歴史への登場は極めて遅い。通常ナントカ民族といわれるものは紀元前数世紀…すなわち歴史の記述が始まった頃にはもうその存在がはっきりしていなければおかしいのであるが、スラブ人らしき存在は歴史の中で見え隠れしてあまりはっきりしないというか、スラブ人とは何か?という定義もはっきりしない。はっと気がつくといつの間にか大勢力となっていたという感がある。

 現在のスラブ人の主流である東スラブ人の存在がはっきりしてくるのは僅か1000年ほど前のキエフ大公国の時代からである。
 キエフ大公国の起源はいうまでもなくスウェーデンバイキングであり、スウェーデン人はバルト海から黒海に至るルートをおさえて東ローマ帝国、そしてその向こうのイスラム圏との交易で栄えた。そのルートの大動脈が黒海に注ぐドニエプル川でありその中流にあるキエフが繁栄の中心となった。このあたりはかつてスウェーデンから進発したゴート人が東西両ローマ帝国を席巻する前に支配していた地域であり(東ゴート族、西ゴート族というのはドニエプルの東岸・西岸を支配したことからの命名であり、それぞれ東のイタリア・西のスペインで大征服王朝を開いたというのは偶然の一致であるが受験生には憶えやすい)スウェーデン人にとっては馴染み深い地域である。

 そのキエフ大公国はいつの間にかゲルマン・スウェーデン人の国から“スラブ化”してしまい…と書いてある歴史書が多いが、スラブという存在が既にあってそれに同化したのではなく、スラブ(少なくとも東スラブ)の起源がこの時点であったという方が実態に近いのではないだろうか。
 そのスウェーデン人というか原スラブ人?はキエフ・ルーシと呼ばれておりロシアの語源はこのルーシ(何を意味するかは諸説ある)である。
 その原ロシアというべきキエフ大公国はモンゴルに飲み込まれるが、数百年に及ぶキプチャク−ハン国の支配を脱したとき、繁栄の中心はモスクワに移っていた。

 ロシアの起源というべきキエフ大公国の歴史上の直接後継者がモスクワのロシアかキエフのウクライナかは当事者にとっては大問題である。ロシア及びその後継者であるソ連が強力でウクライナを支配していた時代にはこの回答は明確であり、ロシアこそはその後継者であって自分たちを大ロシア人と呼びウクライナ人をその傍流として小ロシア人と呼んで蔑んだ。そしてロシアという国名も自分たちのものとしたため、ウクライナ人はやむをえずウクライナ(土地・国土というような意味)という名前を選んだ。なお国名というのは非常に重要で、例えばインド・パキスタンが分離独立する際、ネールがまず要求したのは栄光あるインドという名前であり、パキスタンが例えばイスラム・インド共和国と称することは断固拒否した。
 しかしながら常識的に考えて原ロシアであるキエフ大公国の後継者は同じ場所にあるウクライナであろうし、ドニエプルから永遠の都コンスタンチノープルに通ずる開放性は、ロシアの母なる川ボルガの閉鎖性(世界最大の内陸河川であり、注ぎ込むカスピ海は塩湖でどこにも流出口はない)・内向性とは相容れないものを感じる。
(以下略)
(引用終了)


 この頃はmixiの全盛時代であり、このトピックにも100件以上(半分以上は私以外から)のコメントがついて盛り上がったのも今は昔・・・とノスタルジアに浸ってもしょうがないので元のウクライナ情勢の話に戻ると。

 やはりソ連の解体はもう少し時間をかけてやるべきだったのにゴルバチョフが急ぎすぎて禍根が残ったと思うし、特にロシアとウクライナは歴史的にも面倒な関係にあったのでもっと慎重に考えるべきであった。
 クリミアがウクライナ領というのは歴史的にも地政学的にも無理があるし、今回の焦点となっているウクライナ東部やNATO加盟問題にせよ、ゼレンスキーが現実的な選択をしていればロシアの侵攻を招くことはなかったであろう。

 まあここまで来てしまっては落しどころはNATO加盟は棚上げされて東部の自治権の拡大くらいしかないと思われるが、ロシアに対する経済的締め付けはますます強化されるだろうし、それは結果的に西側のビジネスにも大きな悪影響を及ぼすし、肝心のウクライナも衰退がこれまで以上に加速してくると思われる。
 まさに関係者すべてが損をするという最悪のシナリオであるが、ゼレンスキー本人は本職?の千両役者を気取りキエフに残留して命を懸けても徹底抗戦を唱えている。こういう情勢では国民の犠牲を避けるため自らは亡命して、本気で戦うつもりなら海外から指揮(武器による戦いの指揮ではない)を執るというのが常道なのであるが・・・

 まあ遠い国の話であるし日本には投資関係以外にあまり影響がないように思われるが、これをアジア情勢にも関連付けてロシアの暴挙を許せば中国も勢い付いて台湾や尖閣諸島侵攻につながるといった論調が一部にあるようだ。
 確かにゼレンスキーのポピュリズムは、韓国歴代大統領が反日政策を競って国民の人気取りを図ったり一応西側陣営にありながら中国寄りに行動するなどしてて逆に国益を損ねていることに似ているが、この事変の影響はそこではないと思う。
 即ち中国などがロシアの侵攻を黙認しているように感じられるのは、次は自分たちも台湾に侵攻する予定だからというよりも、逆に米国の力が欧州方面に向けられて極東でのプレゼンスが小さくなればそれだけ歓迎というわけであり、中国にとっては米国等の西側がウクライナに肩入れすればするほど好都合と考えているであろう。

 なお日本では太平洋戦争末期の参戦からシベリア抑留の影響でロシア嫌いが多く私もその一人であるが、実はロシア人そのものはかなり親日意識が強い国民性である。
 これは私が勤めていた会社が初の米国事業所を設立するときの買収交渉や立ち上げを担当し、当時はソ連崩壊の直後で米国に亡命してきたロシア人技術者を採用することにより、一時その事業所はロシア人(ロシア系ユダヤ人)だらけになっていたので、彼(彼女)らと話してみて気付いたことである。


 何だか話が発散してしまったが、こういう世界情勢は他人事ではなく、私の懐具合にも大きく影響する。
 今後のコンサルティング顧客にせよ先進国はどうしても市場が飽和していて伸びないので新興国中心(仕事場が新興国であるという意味であって新興国資本の仕事とは限らない)になることは間違いないし、投資先も同様(ドル建てで投資しているのは米国だけでなく米国のファンド等が新興国に投資しているのも含まれるし、例えば投資の世界ではロシアは新興国扱い)であろう。そして戦争になれば真っ先に影響を受けるのは社会が安定していない新興国である。

 そして結局は平和でないと仕事も投資もパイというか富の総和が大きくならないのであるから伸びないことは明確である。
 したがって人間が常に合理的な選択をする生物であるなら戦争などは起きるはずがないのであるが、残念ながらそうなってはいないのは・・・

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