のっぴきならない理由で、ロフトベッドの下にある本箱を取り出さないといけない状態になった。本箱は一冊の隙間もないほどに本がこれでもかと詰め込まれている。やむを得ず、いったん本をすべて取り出すことにした。これを機に、本の整理(処分)を少しやってみよう。
午前の2時間あまり、この作業に没頭。段ボール箱一個相当の本を苦心惨憺しつつ選ぶ。うちの家はゴミ屋敷よりも困った状態かもしれない。
どこに置いたのかわからなくなった本が何冊も出て来た。本を二重三重に並べると、奥側に何の本があるのか当然、わからなくなる。マイミクさんの「カントの『永遠平和のために』をようやく読んだ」というつぶやきを見た後、30分を要して探すも果たせなかった、というようなことがたびたび起こった。こういう乱雑さだと、本はゴミと同じ。
ふたたび本箱を所定の位置まで戻し、本を詰めていった。今回もアト・ランダムなので、この先また同じことになる。
闘病中の友人にメールをしようと思い、「今日から少々本の整理を始めました」と書こう……。いや、これはマズイのではないか。「生前整理」を促すようなことになる。しかし、私は毎回、ウソっぽいメールは書かない主義をとっているので、さりげなさが感じられる内容であればいいのではないか? それは違うだろ!
10分くらい考えてから、やめた。別の話題でも書くことはいくらだってある。
人間は等しく繊細な生きものである。とくに、病気の人や(心が)傷だらけの人はちょっとした刺激がトリガーとなって落ち込むことが多い。私も世に言うところの「繊細さん」で、気が小さいからよくわかる。
昨日の夜だったかな、NHKのニュースを見ていたら、「ベトナムの技能実習生 失踪者が多い4機関からの受け入れ停止へ 」という報道が淡々とした口調で語られていた。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210618/k10013092001000.html
今日の朝日新聞でもほぼ同じ記事があった。これは記者会見をそのまま写し取ってテレビニュースや新聞記事に落とし込んだものと思われる。
NHKニュースを聞いていて、腹が立って仕方なかった。
技能労働者の斡旋ブローカー4社を出入り禁止にするという出入国在留管理庁による処分を、なんの疑いもなくそのまま報道するのは小学生新聞並みの知性だ。ベトナムから来た実習生は、大半が技能の習得がほぼない低賃金の農業従事者、単純作業工場労働者で、時給は最低賃金以下。さらに残業が多く、本来2割増の残業代も払ってもらえない。さらにさらに、住居費などの名目で一定額を引かれていたりもする。月額21万円とは名ばかりで、手取りが10数万円の3K労働。
NHKの報道職や一般職員、朝日の記者と一般職員に言いたい。おまえたち、13万円の手取りで3年間、働かせられ、さらに午後9時までサービス残業をしばしば強いられたとしたら、「こんなのやっとれんわ」って逃げ出さないか? 学歴が違うなどと反論するやつもいるだろうが、ベトナムの一流大を出た子もなかにはいる。そうだ、先日名古屋の入管で「獄死」したスリランカ人女性は、スリランカの「東大」出だった。
省庁の会見をそのまま右から左でテレビニュースや新聞記事にする恥ずかしいほど創造力や分析力が欠如したマスコミ。血も涙もないのかよ。
私は10歳代20歳代、海外で働こうなんてグローバルな考えがいっさいなく、目先の慣れ親しんだ社会でそんなに苦労するようなこともなく過ごしたので、ベトナムから異国のニッポンへ来た人たちは頑張り屋さんだと思う。自分にはない逞しさがあると思う。
彼ら彼女らがいるから、いまの暮らしも成り立っている。
失踪者がいるのはブローカーのせいではない。不法すれすれの低賃金で劣悪な労働環境だからだ。
官民一体で真実を見ようとしない姿勢に対し、モーレツに腹立たしい。
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