庭の草取りをした。
一年でも手を抜くと、草はアホのように増える。
昨年は老母の介護と老犬の看護で手一杯で、
庭をほったらかしにしてしまった。
すっかりアホガーデンになっていた。
今の我が庭で特にアホなのは
ヤブラン、ヤブミョウガ、シャガ、セリ、フキ。
なんならヤブシャガ、ヤブゼリ、ヤブフキと呼んでやろうかと思う勢いだ。
セリもフキも食えば良いのだが、
ここ数週間は収穫していなかったので、今回は見送る。
刈っておいて、この後の雨と晴れを得てグイグイ伸びたら
やわらかいところを採って食ってやろう。
※
枝垂れ梅の枝に触れた時、何かが襟首から入って、
シャツの中に入った。
ヒヤリと感じた。
予定していたよりも広い範囲の作業をした。
キリが無いのは分かっているから、
「今日はここまで」という設定をして作業を始めるが、
そこまで進むと次が見えて、ついつい続けたくなってしまう。
隣家との境目には椿が植わっている。
警戒して、枝には触れないように作業をした。
※
しかしなんだかチクチクしてきた。
作業を切り上げて、シャツの裾をズボンから出してはたくと、
何かの木の芽が一つ、ポロリと落ちた。
さっき襟首から入ってヒヤリとしたのはこれか。
痒いのは、最後に蚊にたかられて刺されたせいか。
※
汗を流すために、風呂場に向かう。
チクチクがひどくなってきた。
シャツを脱いで、たまらずに掻く。
痒いところを掻くのは気持ちいいなあ。
いやしかし
やられた。
かぶれている。
蚊ではない。
ぷつぷつと発赤が数多い。
後頚部から左の腋の周囲が主に痒い。
痒い痒い痒い
かゆみ止めが無い。
有ると言えばキンカンが有るが、
掻いてしまったかぶれにキンカンを塗ったらどんなにおそろしくシミることか。
※
折悪しく、最寄りのドラッグストアは改装中であることを知っている。
知っていて良かったとも言える。
ついでがあるので、ちょっと離れているが行く先の途中にあるドラッグストアを目指す。
※
バイクで走りながらも、痒いのを我慢するために
顔が歪み、声が漏れる。
それほど痒い。
店に着いて、かゆみ止めの売り場を探す。
広めの店舗の、一番奥だった。なんでだよ!
ちょうど目の前の客が店員に「化膿止めの軟膏」を案内してもらっている。
同じ棚の隣合わせである。
その客と店員が立ってああだこうだ会話をしているので、
棚がよく見えない。
痒い!痒い!
痒みをこらえるうなり声が漏れてしまわないようにこらえる。
迷惑がってうなっているように聞こえてしまうだろう。
店員の身体のすぐわきに目当ての薬を見付けて、
レジへ急ぐ。
前の客は品数が多い。
痒い!痒い!
店員がなんぞのボタンを押して、他のレジを開放すべく別の店員を呼んでくれた。
ありがたい。痒い!
※
駐車場でさっそく薬を塗る。
陽射しが降り注ぐと、暑くて痒みが増す。
※
片方の腕を上から、もう一方の腕を下から
背後に回して、手を組む。
というストレッチを、2年近く続けている。
サボりながら続けている。
やってて良かった。
痒いところに手が届く。
※
ひと通り塗ったら、まだ痒いけれど他の用事に移動した。
あれこれ用事を済ませて、出かけてから一時間半後に帰宅する頃には
痒みは治まっていた。
薬様様。
薬効無比。
※
洗濯物を干していたら、
目の粗いマットに茶毒蛾の幼虫の死骸がくっ付いていた。
これがシャツの中に入っていたのだろう。
・・・
茶毒蛾を入れて洗濯してしまった。
全ての洗濯物が汚染されてしまったかもしれない。
今度この中の服を着たら、かぶれるのかもしれない。
※
夕方、乾いた作業着を着てみた。
今度は庭仕事ではなく、チェーンソーで薪を切る作業だ。
チクチクしてきた。
ヤバい。
やっぱりか。
いやそれとも、作業をして体温が上がったから痒みがぶり返してきたのかもしれない。
と
思いたかったが、
さっきは無かった箇所にもかぶれが出ている。
あーあ。
※
脱いだ服は裏返して外で丹念にはたいた。
いっそ捨てようかとも思ったが。
なんだか悔しい。
パンツ一丁で、あちこちに薬を塗る。
そしてブログを掻く。
じゃない、
書く。
30分もすると、薬が効いてきて痒みがだいぶおさまってきた。
やれやれ。
※
気掛かりなのは、作業着と同時に洗濯した他の服だ。
一番心配なのはパンツである。
今日はパンツ一丁で薬を塗れば良かったが、
汚染パンツにかぶれたら
今度は全裸で薬の効き目待ちをすることになるかもしれない。
とほほ
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