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2021年05月06日20:57

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少子化対策の王道は景気対策

■子どもの数、40年連続で減少 日本は割合でも最低水準
(朝日新聞デジタル - 05月04日 17:23)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6506743

少子化で多くの人が問題に挙げる。人口が減って、経済がもっと衰退するのではないかと。確かに人口が増えれば、需要が増えて消費も増え、GDPは増える傾向にはある。しかしだからといって、逆に人口が減れば経済が衰退するのかといえば、強ちそうとは限らない。

現にルネサンスの時代のイタリア。ルネサンス黎明期にはイタリアの人口は約900万人いた。しかし、最盛期には550万人まで減少している。

もう少し近い時代では、1998年以降のロシア。中国を除いた主要国で1998年からリーマンショックまで最も高い経済成長を達成した。平均で6.7%である。しかしそれだけ経済成長をしていながら、毎年のように人口は減っていた。最も減った年で80万人以上だった。

人口が減ると、高い経済成長が出来ないというロジックは正しくない事をロシアとイタリアは立証してしまった。人口増加が経済成長に寄与することは多いが、全てではないという事になる。

日本の場合、詳細に見てみると、2005年〜2008年のリーマンショックまで一度合計特殊出生率がわずかながら上昇に転じている。この時代は日本を含め、世界同時好況と言われた時期である。

という事は日本の場合に限った話ではあるが、景気回復こそ、最良の少子化対策と言えるのではないだろうか。確かにいつリストラされるかわからない状況では結婚なんぞ論外だろうから、当然子どもも授からない。本当は経済力が無い者同士が結婚した方が理に適っている。仮に男性が年収300万円、女性が200万円しかないとしても、二人合わせて500万円。世帯年収としてはやっていけるはずだ。

ところが日本の場合はそうはなっていない。

年収が高い人たちほど結婚し、子どもを産んでいるからだ。

日本の場合は経済が活性化し、1人当たりが豊かになれば、人口変動に好影響をもたらすかもしれない。今後は一人当たりの国民所得を増やす方向で景気対策を考えるべきところに来ている。

1993年、日本の一人当たりの国民所得は世界一だった。あのスイスとタメを張る額だったのだ。これ以降、順位は下がり続けた。1998年:6位、2000年に何とか小渕内閣で踏ん張って3位。しかしまた下がり続け、2012年:15位、2019年:26位、2020年:24位だ。2019年には遂に韓国に抜かれそうになった。主要国で日本よりも下はイタリアと韓国しかないという状態にまで追い込まれた。シンガポール、カナダ、豪州にはとっくに突き放されている。

直近の平均賃金では韓国に追い越されるところまで来た。これで先進国だなんて言えるのだろうか。既にバブル崩壊以降に社会に出た人たちはとっくにお気づきだろうが、日本人の給与自体も世界の主要国では下位に甘んじている。実際、アメリカでは今や新卒に日本円で50万円も払うところは別段珍しくも無い。

自分の記憶ではバブル崩壊以後は小渕内閣しか国民の家計に寄り添ったという記憶が無いが、1人当たりの国民所得の順位の実績も如実に示している。

世界各国、さまざまな事情があるが、2012年から2019年の間に日本の場合は最早墜落と云っても良い程の水準だ。1ドル110円換算で日本人の一人当たりの国民所得はたった8年で93万円も落ちたのである。

これが「アベノミクス」の「成果」である。

IMFの統計でちゃんと冷酷にも数字が上がっているのだから、安倍のチアリーダーが幾ら文句を言っても抗弁不可能である。

以前別の日記で

安倍政権は戦時中を除いた、日本の経済史上、最も国民を貧困に追い込んだ政権となるだろうと述べたが、まさか93万円だったとは驚きだ。

おめでとう。安倍元総理。

これだけ所得が急落すれば、結婚なんぞ論外だというのもよく分かる。結婚も出来ないから、当然子どもも作れない。大変分かりやすい構図ではないか。後を継いだ菅総理は「自助を期待する」と述べた。別段彼の発言は驚くべきことではない。消費増税しか興味がない岸田氏ですら、総裁選立候補時には消費増税はスタンドプレーとしても、「要らない」と述べたのに、既に二度の消費増税という「安倍ショック」で国民は困窮し、所得が10年前と比較して、100万円近くも減っているのに、彼だけは必要だと述べたぐらいだからだ。

まあそもそも自助で何とかなるのであれば、政府は要らないではないか。政府の役割を放棄しますと宣言したに等しい。

国民所得を生み出すのは経済力である。経済力というと直ぐに政治家もマスコミもゼニを想像するが、厳密には違う。モノ、サービスを創り出す力こそが真の経済力だ。菅政権は多少なりとも責任を感じているのであれば、一人当たりの国民所得の順位を2000年の水準まで戻せとは言わないが、せめて2012年の15位ぐらいまでは回復するような景気対策を立案すべきである。それが最良の少子化対策になるのではないだろうか。

(了)


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