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2020年12月05日19:58

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【再開】【夜伽】ちょっぴりいけない社交ダンス(その5)

「やぁ、来たね ガールフレンドちゃん」
背後から先生の声がしました…
何度も足を運んでいて 会費を払っているにもかかわらず 先生はいつも私の事を「如月さん」「ハニーちゃん」とは呼ばずに「ガールフレンドちゃん」と 小馬鹿にしたように呼びかけてくるのでした。

子供扱いされていることに不満を感じている、そんな抗議の気持ちも込めて宮田先生を見つめようとしたら、それを知ってか知らずか
「青児は最近めきめき上達してきているね。ボクも教室が忙しくなるから いつまでも恵のパートナーでは居られないかも知れないんだ。だから青児をボクの後任にしてみようか、と思って ペアを組ませて見たんだけれども、思った以上に相性が良いみたいだ… 二人の間におとなの色気を感じるね。そうだろ、ガールフレンドちゃん?」

宮田先生の小馬鹿にしたような物言いに憤りを感じ、私はいつものようにTシャツにスパッツ、パレオ姿で練習を始めました。

早見くんとは違って まだ基礎に毛が生えた程度のステップしかできませんでしたが、恵さんに対する嫉妬と宮田先生に認められたいという一心で 必死にステップを覚えました…



ひとしきりレッスンが終わり、早見くんと恵さんはシャワールームに消えていきました。もちろんシャワールームは個室でしたし 男女で別の空間でしたが、二人の後姿を見るだに 早見くんにヴァージンを捧げた身としては不快な感情がふつふつと沸き上がりました

「見返してやりたい?あの二人を…」
背後から宮田先生の声がしました…

否定するでも肯定するでもなく、答えに窮している私に追い打ちをかけるように

「明日はスタジオはお休みの日なんだけれども、協会との打ち合わせが終わる5時過ぎからなら開けられるよ。こっそり練習して青児を見返してやろうよ、な、ガールフレンドちゃん」

…私は秘密のレッスンに応じることにしました…



その日は学校の休み時間を使って宿題を殆ど済ませ、一目散に帰宅してかばんを投げ出すとスタジオに向かいました…

件(くだん)のビルのエレベータの扉が開くと、独特のメイクをした 老境に差し掛かった女性と出くわしました。
「あなた 宮田先生の生徒さんなの?頑張ってね」

きっと協会の職員さんだったのでしょう…会釈をしてスタジオの扉を開きました…

「やぁ、来たな…」

スラックスとワイシャツ・ベスト姿の宮田先生が出迎えてくれました。

いつも以上に精悍な表情をたたえ、びしっと決まった衣装を身にまとっている姿に 私は見とれてしまいました。

「今日は個人レッスンだから 自由にスタジオを使うといい」

私はそそくさと着替えを…

…!…

私はレッスン用のかばんの中に、練習用のパレオが入っていないことに気づきました…
普段着として身に着けていたのはデニムのスカート…これでは練習の時にもつれてしまう…

「どうした?ガールフレンドちゃん」

私は困惑しながら事情を説明しましたが

「気にしないでいいよ、それならスパッツだけで練習すればいい どうせ誰も見ていないんだから。いずれ恵も来るだろうから、それまで練習するといい」

私は先生に促されるまま、Tシャツにスパッツという 同世代の男子には見られたくない姿で自主練習を始めました…

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