mixiユーザー(id:91293)

2020年11月13日16:15

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弱い核力が奇妙すぎてわからん話

自然界には4つの力が存在する。電磁気力、重力、強い核力、弱い核力。もうすこし正確に言うと「力」ではなく「相互作用」。
その中の「弱い相互作用」で出てくるのがニュートリノという粒子。電気的に中性で、ほとんど相互作用をしないし、質量も非常に小さい。で、最近話題の「トリチウム」の放射能はこの「弱い相互作用」によるもの。
 とても簡単に言うと1個の中性子が陽子と電子に分裂する。そのときに「余ったエネルギー」はニュートリノとなる。原子核内で起きた場合、陽子が1個増えるので、原子番号が1つ増える。電子はベータ線として外部に飛び出す(原子としてはイオン化もすることになる)。そのときのベータ線のエネルギーを測ってみると「幅」があることがわかった。その分のエネルギー・質量の保存則が破れる・・・わけはないので、なにか仮想的なものがエネルギーを運び出しているんだろう、ということでニュートリノ(中性微子)と名付けられた。ニュートリノにもベータ崩壊にもいくつか種類があってうんぬん・・・はまた別の話。

物理の世界ではどんな相互作用であっても、エネルギーと質量(などの物理量)は必ず保存される。それは大原則で、数式として表せば(かの有名な)
 E=mc^2
である。エネルギーと質量は相互変換可能、という意味だ。
そして、物理の世界のお約束は他にもある。人間が観測できる時間は不可逆だが、量子力学の世界では時間は不可逆ではない。相互作用は必ず、逆向けにも起きる(らしい)。
 つまり、電子と陽子が相互作用を起こして中性子になる、ということも起きる。現実には重い原子核が軌道電子を捕獲する(EC:電子捕獲)という核反応がある。
 が、ここでわけがわからなくなる。原子核が軌道電子を捕まえる、これはいい。が、中性子になるにはエネルギー=質量が足りない。ちょうどそこに、ちょうどいいエネルギーをもったニュートリノが飛んでくるわけもない。原子核の「温度が下がる」わけでもない。

私の物理学に関する知識なんてそんなレベルである。

トリチウムで大騒ぎして風評被害をもたらそうとしている連中もいる。

偶然とはいえ、超新星ニュートリノを発見するような研究をやっていた研究者もいる。
その後、新しい研究分野を大きく広げることになった功績はだれにも否定できないだろう。ニュートリノの研究は人類にはなにももたらさないだろう、と謙遜なさっておられたが、そんなことはなかった。
多くの研究者がテーマと仕事、予算を得ることができた。なにより人類の知識が大幅に増えた。これまで何冊かの本を読ませていただいたこともある。
小柴氏の冥福を、心から祈ろう。
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