99年4月4日、横浜文化体育館で長与千種を火炎攻撃を使った反則を混ぜながらも最後は得意のタワーハッカーボムで破ったライオネス飛鳥率いるヒールユニット「SSU」がガイアジャパンのマッチメークの全権を握りました。
5月18日、後楽園ホールでは長与はアジャ・コングの裏拳の前にフォール負けを喫しAAAWシングル王座から転落。ベルトを獲られた長与はもはや一介の前座レスラーとして扱われ、SSUの権限により哀れ長与千種は第1試合に「降格」させられたばかりか、試合を強制的に欠場させられるハラスメントを受けることに。
強制欠場させられている間、長与は密かにアメリカのカリフォルニア州サンタモニカへ飛び、肉体改造に成功。初回対決から5か月後の99年9月15日、横浜文化体育館での「横浜DOUBLE DESTINY」(観衆6,300人超満員発表)で飛鳥と長与の再戦が組まれています。私はこの興行は会場観戦しました。
半沢直樹の台詞で有名になった「やられたらやり返す!」を先に使っていたのは長与で、ガイアジャパンの団体としてのコンセプトでもありました。
試合は飛鳥のナチュラルパワーの前に押され気味の長与が飛鳥の火炎攻撃をかわし、19分47秒、デスバレーボムからの片エビ固めで飛鳥を倒しています。
セミファイナルはAAAWシングル王者アジャ(チーム・ノストラダムス)に里村明衣子(ガイア)が挑戦。21分24秒、裏拳からの体固めでアジャが勝ち防衛に成功していますが、体格差のあるアジャに対して飛び技や丸め込みに頼ることなく真っ向勝負を挑んだ里村の潔さに観客は声援を送りました。
セミ前に組まれたのはシュガー佐藤&永島千佳世組(SSU)の持つAAAWタッグ王座にKAORU&山田敏代組(ガイア)が挑戦。AAAWタッグ王座は96年11月にシンガポールでAAAWジュニア・タッグ王座として設立されたベルトですが、ガイアの所属選手の身体が大きくなって来ていたことと、重量級の外敵が多数ガイアのリングに参戦してきたこともあり、「無差別級」の概念が生まれたことでジュニアの文字が外れ、タッグ王座に名称変更されました。
試合は15分33秒、S佐藤が裏拳からの片エビ固めでKAORUをフォールしS佐藤&永島組が王座防衛。ガイアでは一期生がベテラン勢に勝つのは珍しいことではなくなっていました。
ラス・カチョーラス・オリエンタレス師弟対決、チーム・ノストラダムス、北斗晶&尾崎魔弓組がSSU下田美馬&三田英津子組と対戦、全女時代昭和62年組の「落ちこぼれ」と言われた下田&三田は北斗に弟子入り、北斗と共にメキシコに渡りラス・カチョーラス・オリエンタレス(東洋の猛獣達)としてユニットを組んで活躍。帰国後は下田、三田もエリートと言われた豊田真奈美、山田と肩を並べ、ヒールとしてメインイベンターの一角に食い込みました。
試合は16分3秒、この中では一人だけバックボーンが違う尾崎が裏拳からの片エビ固めで三田を破り、北斗&尾崎組の勝利。この試合からセミファイナルまでの決まり手は全て裏拳というのも面白いです。
広田さくら(ガイア)とデビル雅美(チーム・ノストラダムス)のシングルマッチは9分47秒、ライガーボムからのエビ固めでデビルの貫禄勝ち。ガイア軍とSSUに分かれていたFMW対決、RIE(ガイア軍、フリー)と中山香里(SSU)のシングルマッチは12分3秒、サンダーファイヤー・パワーボムからの片エビ固めでFMW時代の先輩であるRIEが勝利。
第1試合の植松寿絵と加藤園子(チーム・ノストラダムス)のシングルマッチは16分38秒、逆回し蹴りからの片エビ固めで加藤が植松を制しました。
ログインしてコメントを確認・投稿する