前回の日記でニューカレドニアをとりあげ、太平洋の地味に乏しい住むには大変な島と言ったが、北中国の平原は、それとは真逆。
土地は広く平らで、地味は肥え、半乾燥気候のため、日照時間が長く、台風や大雨の被害もなく、作物の生育には理想的な環境。
風景は単調でおもしろみがないが、人が生きていくにはよい土地だ。
しかしあまりによい土地だったため、誰もがこの土地を欲しがった。
しかも、だだっ広い大平原で遮るものもないので、お上は戦争ばかり、庶民はケンカばかり、今に至っても、中国に行くと人間の質の悪さに嫌気がさす。
土地がよすぎると人間の性格は悪くなる。
昔、中国の北京に住んだことがある。だだっぴろい大平原に見渡す限りの畑が広がり、いたるところに巨大な農場、巨大な工場が点在している。華北平原のケタ違いの豊かさに圧倒されたものだ。
しかしそこには倫理観の欠如した残念な人ばかり。せっかくのよい土地も、大気汚染に土壌汚染、インフラはぼろぼろであり、そんな中、人々はいがみあって生きている。
日本は中国より土地は劣るが人間は優る。
一般の日本人の質は中国の一般大衆よりかなりよい。
土地が良すぎるっていうのも、良すぎるがゆえに闘争が絶えず、酷い文化が育ってしまい、せっかくのよい土地も活用できなくなってしまう。
今は中国共産党が力でなんとかまとめあげ、豊かな平原になっているが、ほんの70年前は、世界有数の豊かな土地が、打ち捨てられた荒野になっていた。
豊かな土地に生まれ、それを独占しようとして、ケンカばかりすることで、せっかくの豊かな土地を破壊してしまう。
中国4000年の悲しい歴史である。
日本も土地が豊かだが、平地は山により分断され、また雨も多いので、天然の畑のような華北平原とはわけが違う。
苦労して草木を除去し、そして畑を耕し、ようやく使える土地となる。
台風や大雨などの災害が起これば、近隣で協力し助け合わなければならない。
日本の土地は豊かだが、手を加えなければその豊かさを発揮できない土地だったため、人々は協力し合う傾向がある。
そして比較的平和で安定した社会を作った。
その結果、日清戦争では日本が中国を負かしてしまったのだ。
キングダムは愚かな物語であるが、中国ではああやって、延々と戦争に明け暮れたため、せっかくのよい土地も十分使えず、日本に戦争でも経済でも文化でも負けてしまったのだ。
それでも中国に行って思うのは、中国は日本に比べあまりに恵まれた国土を持っている。
日本がせめて、中国のへき地、満州だけでも欲しがったのもしかたのない話である。
風景が美しいところは、あまり人が住むには適していない。
風景は単調なところほど、人がそこで生きていくには適している。
でも、よい土地に住む人は性格が悪くなり、よい土地を十分生かせないものだ。
延期のアニメ『キングダム』第3シリーズ、来春放送再開へ 新型コロナで制作に影響
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=6257380
ログインしてコメントを確認・投稿する