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2020年09月27日19:23

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妄想小説 暁烏 74

ビール小説 暁烏 74ビール
 徳田親分は小柄で人の良さそうな爺さんだった。ちょっと太めの、頭のはげた爺さん。車の整備工員が着ていそうなオレンジ色の作業着で盆栽の手入れをしていた。とてもやくざの親分には見えない。俺が渡した竜二兄さんのメモを受け取り、俺を案内して来た中年男の方がよっぽどやくざらしい。きちんとネクタイをしたスーツ姿であるが、鋭い目つきをしており、どこか不気味な雰囲気がある。
 が、徳田親分が振り返った時、俺は不思議な恐怖を感じた。ニコニコ笑ってはいるが、怒ったときはすごい。そう直感した。この爺さんは平気で人が殺せる。そう感じた。
「竜二から電話を貰って10日も経ってんねんやで。もう来いへん思てたわ・・」
「すみません、駅でマゴマゴしてたとき、喫茶店をしているママさんに世話になりまして、店で働かしてもらうことになりまして・・今日が、初めての休みなので、やっと来れました・・」
「電話の1本、かけれへんかったんか?ま、顔見りゃわかる。根性のなさそうな顔してんもんな」
 親分はそう言って興味なさそうに盆栽用の鋏を取る。俺はなぜあんなことを言ったのだろう・・
「根性のある無しが顏でわかりますか?」
 無意識に発した言葉だ。
「おもろいこと言う小僧やな・・」
 親分はそういうと、俺を案内して来たスーツ姿の中年を見た。スーツのやくざが右手を上げると、どこに潜んでいたのか4〜5名のやくざたちが飛んで来た。スーツやくざが「サブを呼んで来い」と一番若手に命じる。門番をしていたチンピラがおどおどしながら連れられて来た。自分がなぜ呼ばれたのか理解していないようだ。兄貴分に呼ばれて、なんのことかもわからず走って来たらしい。
「サブ、このガキいてこましたれ」
 兄貴分の言葉で、俺を痛めつけるために呼ばれたことに気付き、チンピラは安心と、誇りを感じたようだ。喧嘩に慣れているようであった。俺を睨みながら、ジリジリト間合いを詰め、攻撃のタイミングをはかっている。
 俺はと言えば、身の不運を呪うしかない。喧嘩などしたことがない。やくざ者だと解っていて竜二兄さんのつてで大阪へ来たことがそもそもの失敗なのだ。京子ママの店で働けたのだから、竜二にさんへ義理立てして、親分に挨拶する必要などなかった。
 後悔してももう遅かった。サブが蹴りあげた右足が見えた。思わず身をかがめ両手でその足を掴んだ。(続く)

コーヒークウネル日記コーヒー
 今日は晴れました。雲ひとつない空・・でも、雲が無いと朝焼けは良いのが出ません。さぼろうかと思いましたが、意外と山際に雲があったりして、良い朝焼けになったりするのですよね(笑)
 で、仕方なく散歩へ(笑)予想どうり朝焼けは出ませんでしたが、寒くなって来たので、少し川霧が起っていました。太陽が昇る時間も5時から6時になり、配達を終えてからじゅうぶん間に合う時間になって行きます。撮影はだんだん川霧になって行くでしょう。去年よりレベルが上がったと言えるような写真を撮りたいものです。


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