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2020年09月22日15:07

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読書紹介1972●「マル暴総監」

●「マル暴総監」 今野敏著 実業之日本社 16年版 1600円
 マル暴甘粕シリーズ第2弾。甘粕の管轄内で地元の半ゲソ(組の新人)2人と、他所の半グレ(組に属してない)3人が睨み合っていた。喧嘩にならず別れようとした時、白いスーツの男が現れ「その喧嘩買った」とシャシャリ出た。せっかく収まりかけていたのに、と甘粕は警察手帳を出して「はい、そこまで」と、皆を解散させた。
 そのことを上司の郡原に報告すると、「白いスーツの男を探れ」と命じられる。他所でも姿を現しているかもと、郡原の同期で新宿署のマル暴刑事を紹介された。すると、白いスーツの男は各所で同様の騒ぎを起こしていたことがわかった。
 その日の深夜、地元の半ゲソ達の縄張り内で半グレ3人の内1人が刺殺体で発見された。直ちに捜査本部が設けられ、白いスーツの男が容疑者として捜査されることに。ところが、異例なことにこの捜査本部に警視総監が臨席したのだ。皆が、白いスーツの男一本に捜査を集中している時、総監が「その男以外の容疑者はいないのか」と、これまた異例な発言をした。甘粕はその顔を見て、絶句した。総監こそ、白いスーツの男だったからである。
 ということで、甘粕と郡原は総監から特命として「白いスーツの男」以外の容疑者を追うことを命令される。1人だけ総監に呼び出された甘粕は、「絶対に俺の正体をバラすな」と釘を刺されてしまう。これで、捜査本部全体が総監のために無駄な捜査に踊らされることになってしまったが、総監の命令は絶対であった。
 こうして、甘粕1人が(郡原は、甘粕を指図するだけ)真犯人を探すハメとなった。臆病で暴力が嫌いなのに、マル暴刑事となった甘粕の、恐々と暴力団事務所を巡る姿が滑稽で、笑いを誘う小説。なお、本書「マル暴総監」のマル暴とは、総監が「暴れん坊将軍」を真似ているところから付けられたあだ名でありました。

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