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2020年09月19日18:31
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河内見聞記�� 53 イタリア・ミラノの思い出
ベネチア・カーニバルのサンマルコ広場
新聞一面の要約欄に「新型コロナ、世界の感染者数3000万人に」とあった。世界人口の260人に一人とも書いてあり、結構来ているなと実感した。咄嗟に今世界の人口は？、と思い計算すると、78億人となる。それで更に、何人に一人となったら正真正銘ヤバイだろうかと考えた。「100人に一人」と脳は意外にあっさり反応した。もう一度、電卓をたたく。感染者が7800万人になると、地球上の100人に一人が感染したことになると。欧州では第二波が起こり始めているとの報道もある。８か月で3000万人感染、第二波の方が大きな波なら、7800万人は・・・来春あたりヤバイことになっているのかも。そんなことを今朝考えていた。
さて真夏のシチリア島の夢に浸っていたのは一月前。イタリア時代にタイムスリップすると、次に思い出されるのは、やはりミラノ及びその周辺での生活のことである。私がイタリアで勤務したのは1993年の年明けから1995年の3月まで、追いかけてやって来た家族は丸二年をかの地で暮らしたことになる。四半世紀の時の経過もあって、多くの細々としたことは忘れつつあるが、いくつかの思い出は脈々と脳裏に残っている。土曜日に通った路上の生鮮市場での買い物のこと、土日によく行ったいろんなレストランでの食事のこと、週末に車ででかけた周辺の諸都市のこと。多くの思い出はモザイク状に散らばっているようで膨大であるが、時間という軸を失ってしまってどうやら繋がりが感じられない。
それでシチリアのときと同様にアルバムを覗いてみた。今回はランダムに、次女のアルバムの二冊ほどを開いてみると日帰り又は小旅行した時の写真が並んでいる。彼女が2歳から4歳、３つ上の姉ちゃんと６つ上の兄ちゃんと幼稚園、小学校の時代のものである。
上の写真、これは2月のカーニバルのときのサンマルコ広場。ミラノからベネチアは約300Km、高速で3時間ほどで日帰りできる距離。仕事も含め何度も出かけた場所で、北イタリアでは最も好きな町といってもいい。言わずと知れた水の都で、船に乗って鉄道駅からサンマルコ寺院まで水際の景色を眺めるのもいいし、復路は迷路のような通りを徒歩で帰り、土産物を買ったり、行き交うゴンドラを眺めたりするのも一興だし、ふらっと食堂に立ち寄り海鮮料理に舌鼓を打ち、ワインを味合うのは堪えられないベネチアの愉しみであろう。
ミラノから北に約100Km, 風光明媚なコモ湖を過ぎるとすぐスイスに入る。そこにキアッソという町があって、日本への郵便物を出しに、また日本風のコーヒーを買いにたびたび通っていた。当時イタリアは郵便事情が最悪で、またコーヒーといえばエスプレッソ天国でドイツ製の薄いコーヒーを買い出しに行ったというわけ。写真はスイスの中央部、インターラーケンの先のグリンデルバルド。冬場はスキーをしに国境を越えたものだ。ミラノから300Km弱、ベネチアへ行くのと同距離で本場のアルペンスキーを楽しんだ。
ミラノ周辺には食と古い大学の町ボローニャ、フィアット社のあるトリノ、ハムで有名なパルマ、バイオリン・ストラディバリウスのクレモナ、コロンブスの生誕地ジェノバなど多くの見所ある諸都市が散らばっている。そんな町の一つにベローナがある。ローマ時代の円形闘技場と共に有名なのがシェークスピアの名作ロメオとジュリエットの舞台という点、ジュリエット像の胸が明るく光っているのを見て我が子たち何を喜んでいるのだろう。笑
これはミラノの象徴とも言える大聖堂・ドウオモだが、高さ100ｍ少々、135本の尖塔のある威容を誇る建物で、実は天井部分に登れるのである。私たちも階段を登って尖塔や壮大な360度の景色に感嘆したときの一枚である。またミラノには凱旋門や、スカラ座、中心部にはかつて諸侯が居城としたスフォルチェスコ城など見所も多い。右の写真はその城の内部だったような気がするが、アルバムに記載がないので今となっては確かめようもない。
25年前のミラノと周辺諸都市、あの日の光景が、はるかな記憶の先に蘇ってきた。
（おわり）
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