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2020年09月13日10:01

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プロットが遠ざかる?

うちのカアちゃんは「名探偵コナン」のファンで、土曜日の夜は私も仕方なく付き合っている。といっても何の興味もなくただポカンと眺めているだけだが、先日のテーマは「犯罪指南書」。完全犯罪を実現するためのプロットを指南するというものだった。中身はどうでもいい。「プロットってお父さんがよく口にする言葉でしょ」という。ほー、そんなことを覚えていたのか。

プロットはストーリーの要約を意味する言葉だが、私は記事の設計図、骨組みという意味で使っている。マスコミに身を置いて36年、フリーのライターになって33年、仕事のやり方が大きく変わってしまった。それを一言で言えば「プロットの喪失」なのである。昔は取材から持ち帰ってきたネタを熟成し、どういう構成にするかが最大の勝負。特に書き出しがすべてと言えるほど悩んだものだ。1時間のウォーキングをすべてそれに絶やした時期もある。

ところが、いまの記事は一言で言えば「因数分解」。写真やコラムがやたらに多く、本文で全体を構成するような記事が激減してしまった。編集方針に従うのはフリーの宿命だから仕方ないのだが、ここまで変わって良いのだろうかと思うこともたびたび。本文を書く前に精力の3分の2を使い果たしていることが多いのだ。ライターと物書きの違いはあるかもしれないが、いちばん気にするのが本文であることに変わりはない。どんどん遠ざかるプロットに、ときとして複雑な気持ちを抱いている。

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