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2020年08月07日04:14

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テレビの画質について、もう一度整理しておきたいと思います。

先日、マイミクさんが行っている勉強会で、いざ上映しようとすると“画質があまりにひどいので作品差し替え”となりました。どういう風にひどいのか、その現物を見ていないのですが、どうもレンタルDVDの中古品だったようで、もとの素材がアナログ地上波放送用だったらしい。

今どきアナログ放送用のテレビで見ている人はいないのではないかと思いますが、2012年まではアナログ放送がありました。以後はテレビを買い替えるか、変換器を使ってアナログテレビで見るしかありませんでした。もうお忘れかもしれませんが、日本のアナログテレビはNTSC方式ですから、走査線が525本の飛び越し走査(インターレース)でした。

参考までに、インターレース方式について説明したページを貼り付けます。
https://www.toa.co.jp/miru2/column/column6.htm

つまり525本の走査線があるのですが、1秒間に525本分映し出すといっても、半分ずつを2回に分けて映し出します。画面中央の一番上の部分から走査し始めて右下まで映し出すと、今度は左上から走査し始めて画面中央下まで。それを繰り返していました。だから毎秒30コマ(フレーム)ですが、実際は60フィールドとなります。

映画フィルムは毎秒24コマですから、1コマを2フィールドと3フィールドに交互に記録していくと、互換が取れる計算になります。これをツースリー・プルダウン方式と言いますが、1フレームは2フィールドなので、カット代わりなどを静止画にしたフレームだと別の絵が混ざってしまうので、編集するときに注意が必要でした。PAL方式などでは、24コマの映画を25コマ方式で放送するから、上映時間が24/25に減ってしまうのでした。

そしてテレビの画質を表す方法として、水平解像度というものが言われていました。ブラウン管に照射される走査線が、黒と白の縦の棒を何本認識できるかというのが水平解像度。通常のテレビは230本程度だったそうです。←垂直解像度というものが語られなかったのは、垂直には525本以上あり得ないから。

ホームビデオが出現したとき、水平解像度は200本程度でした。業務用の1インチテープなどでは400本以上を実現していたわけです。だから“より高画質”をめざしてS−VHSというシステムが開発されたりしました。ということで、水平解像度の数字が、そのまま画質の程度だと考えていいわけです。

現在、ハイビジョン放送では走査線ではなく画素数で表示します。ハイビジョンテレビの画素数は、1920×1080がフルハイビジョン、3840×2160が4K、7680×4320が8Kということになります。地上波のハイビジョンは若干数値が落ちるようですが、基本2K(1920)だと考えていいでしょう。

で、DVDは水平解像度500本程度が一般的ですが、2層(DL)にするとほぼ倍の情報量になりますから、収録のしかたで解像度は変わります。今回の“画質の悪いDVD”は、アナログテレビ時代に4:3の画面サイズにトリミング収録してあったわけで、もともとがスコープサイズの映画なので、4:3に合わせたトリミングパンが頻繁にあったと想像します。もちろん4:3にレータボックス仕様で収録しても、垂直解像度が極端に減る(半分近い)から見られたものではありません。

かつてデジタル上映初期に、ブルーレイ上映という映画がありました。ハードディスクによる素材ではなくブルーレイです。映画館としては市販品のブルーレイと同じ大きさの素材ですから、運搬には便利ですね。しかし2K程度のデジタル画像をスクリーンに映写したら、画素数は低すぎるし細かい動きに追随できませんでした。今なおピンク映画封切り館ではブルーレイ上映しているようですけど。

ということで最近の映画館では、4K以上の画質が常識のようです。とはいえ自宅で4Kが見られる人間にとって、映画館の暗闇という部分(これは何物にも代えがたい魅力です)を除けば、画質としては同等の時代となりました。Netflixあたりだと4K作品がかなり多いわけです。←AKBなのどのYOUTUBE放送でさえ4Kが多い時代ですし。ゆきりん、見てるからね!

そんな時代に、525×480というアナログテレビ画質のDVDでは、とても“鑑賞に堪えない”わけです。たまたま変更した作品がブルーレイだったし、なにしろ日本では2020年封切りという最新作でしたから、内容も画質も十分に満足できるものでした。

4Kで見るとなにが違うか?と問われたら、ロングショットの細かい人物の動きなどが明確に分かる、と申し上げたい。だから中国の石柱風景などが、圧倒的な立体感を見せてくれるわけです。「スパルタカス」の戦闘シーンにおける、個々人(エキストラに至るまで)の雰囲気なども抜群でした。

今8Kのデモンストレーション放送で「マイ・フェア・レディ」が見られると思います。ヒギンズ教授宅の壁紙の細かな模様や、浴室のバスタブの感触をお楽しみください。もっともオードリー・ヘプバーンの裸なんて、もともと収録されていないから見られませんけどね。
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