映画版モテキ

映画版『モテキ』おもしろかった。女性読者はメンド臭いオトコやなと感じても恋に一途な主人公を許容し、男性読者は草食系男子でも頭のなかはいつもモヤモヤしとるんやと主人公を許容するのかな、と思った、ってこれ、漫画が原作なのかな？　この作品に出てくる４人の女性、それぞれの祖型がテレビドラマの４人にそれぞれある感じがするから、オリジナルなのかな。でも、４人のあれこれのエキスは長澤まさみにブレンドされ、でも映画版らしく、ドラマの４人にあった生活臭さ的なのは取り除かれ映画のヒロイン的にソフィスティケーションされている（ドラマの生活臭さがよかったのだけれど）。ドラマ版の続きを観たい視聴者の望みを叶えるべく、それぞれのエクステンションしたキャラをおき、そのイメージを潜在化させ、ラストの成就を表した感じがする。でも、おもしろかった。長澤はここんとこ観てる映画にけっこう出てるけど、映画女優としてもしっかり確立されているんだな。テレビではキンチョーのイメージが強く、おばさんをやりたいという本人の望む通りに事が運んでおるなと思っていたけど、戦略的に、綾瀬やガッキーをしり目に群を抜いてヘップバーンになってる感じがする（註）。冒頭のプロジェクションマップなの、パグマンにあったの、ここでも使われてるなと思ったけど、麻生久美子が吉牛食べるときの背景の光で、あっ大根仁って、光と影が好きなんだな、と彼のこれまでの作品にそのこと走馬灯のように見えて思い出され、そう感じるのである。

註　オードリーだけではなくキャサリンともかけている。お姫様性と演技派を兼ね備えたスターとして。