18960218 NO4038 フランス国宣教師が暴徒に関して秘密報告と檄文・張り紙
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駐韓日本公使館記録 8巻 七. 本邦人被害에 関한 件 一·二 (4) [フランス国宣教師が暴徒に関して密告]
文書題目 (4) [フランス国宣教師が暴徒に関して密告]
文書番号 公第七号
発信日 明治二十九年二月十八日 ( 1896年 02月 18日 )
発信者 在元山 二等領事 上野専一
受信者 在京城 弁理公使 小村寿太��
(4) [フランス国宣教師が暴徒に関して密告]
公第七号
本月十六日フランス宣教師ボーラタ―、ウエルモーの両名が来館して今般の暴徒に関して次の通り密告致しました。ボ―ラダ―は常に安辺（アンビョン ＊元山の北部）に、ウエルモ―は元山に居住し、毎月一回布教のため安辺から江陵（カンヌン ＊日本海岸、束草と東海の中間）へ行きここから転じて春川（チュンチョン）、淮陽（フェヤン ＊1895年春川府淮陽郡が発足。1896年 江原道淮陽郡となった。）の各地を往来し、今度もすでに江陵に到着し春川に向かおうとしていたのだが、暴民が急に蜂起したので間道を通って難を避けて去る十三日帰ってきたのだが、今暴徒たちの主張を聞くと、もともと信頼することはできないのではあるが、その唱道するところの要点は「忠清道堤川（チェチョン ＊忠州の北東）の暴民は江陵の賊を共に合同して海岸から通川（トンチョン ＊元山の南東海岸）を経て安辺（アンビョン ＊元山の北部）に、春川の暴民は平康（ピョンガン ＊江原道南部の軍事境界線付近）より徳源（＊元山北西）に、北関（＊咸鏡北道）の暴民は海岸から来て、同時に我が居留地を包囲襲撃しようと目下評議中である。しかしながらもともと烏合の徒であって恐れるには足りないのではあるが、今度の暴民は各所から起って無知の者が多くことに勢力が猛烈であるので決して蔑視することはできない。したがってあらかじめ相当の警戒を加えられたい。」と述べ、なお別紙一号の「檄文」を持参してまた本日第二号のような「張紙」を元山里の各所に貼付し、当港警務官ならびに巡査を斬殺しようと言っている。このような有様であるので居留地に入って来る韓商は一人もなく商業中止の姿であります。」以上ご報告します。
明治二十九年二月十八日在元山
二等領事 上野専一
在京城 弁理公使 小村寿太�� 殿
[別紙 第一号]
文書題目 通文[暴徒主謀者たちが各地方郷校に配布した断髪令反駁通文]
通文[暴徒主謀者たちが各地方郷校に配布した断髪令反駁通文] 右通諭事伏以人可獸乎天地之綱常巳墜華而夷乎父母之遺体難全近来衣裳変改之日生等不勝沫血飮泣之痛而顧以斗柄之重為凶賊之竊弄宮掖之近為異類之逼拠宗社有朝暮之危君父在罔測之地隱忍含黙良亦有異也嗚呼二次之深讎未復八月大之変又出廃復我国母操縱在彼頒服我臣民遅速唯意其視東土一域不啻如無而凶恣日甚又敢加刃於君父之髮肆然以令旺中於嗚呼痛矣古今天下寧有今日之事乎凡我匪域臣庶孰不欲臠其肉剚其腹而乃反低首聴従於矯命之下耶軀命不足惜寧欲死旺而糜骨髮膚有所受豈可禍而髡頑此髮一剪則先王赤子挙為夷狄之身而鄒魯旧邦尽入禽獸之域矣其可忍為其可忍為第事枉呼吸非可以時日玩愒而彝裏所激又豈大小遠近之有間哉生等矢死合盟略有所規画伏願僉尊各奮義勇以為齊趨共事之千万幸甚乙未十一月二十九日礼安 幼学 李晩鷹
琴鳳烈
牧使 李晩鳳
進士 金寿鉉
校理 李晩孝
承旨 李中斗
幼学 李中鳳
等二百二十参人右通
江陵��校
旌善��校
平昌��校
（訳）通文 [暴徒主謀者たちが各地方郷校に配布した断髪令反駁通文]
通知文の内容は次の通りである。
考えて見るに人間は禽獣であろうか。世の人々が守らなければならない道理が既に地に落ちたから東方の人々が蛮人になったのか、父母から受け継いだ身体を守ることさえできなくなった。近頃の衣服改革があった日、我々は血の涙を飲み込まなければならない痛みをとうていこらえきれなかった。振り返ってみるに、北斗星のように大切に思っていたものを凶悪な倭敵に奪われて宮殿内の内密な場所までもてあそばれ、異類たちに痛めつけられ、宗廟・社稷（しゃしょく）は朝に夕に危機に瀕し、君父の尊貴が考えも及ばない所まで貶められるとはもってのほかである。これに堪え沈黙していることは全くおかしなことである。ああ、悲しい事である。二度の深い恨みも晴らすことができないでいるのに、八月の大きな戦乱にまたも我らの国母の廃位と復位論まで出るとは、ひとえに奴ら（倭敵）が触れを出すなら我ら朝廷臣下人民はただ承服するばかりで、遅らせることも早めることもただ彼らの意図と見方とにかかっており、凶悪さと気ままさは日増しにひどくなっておりそれが及ばない所はない。また大胆にも王様の髪の毛に勝手に刀を当てて切り落とし、ついには全国に断髪令を出させた。ああ、悲しいことだ。古今東西、天下に今日のようなことがまたとあろうか。我々すべての臣民と庶民大衆のすべては、彼らを塩に漬けまた白菜を裂いてつかんで食ったとしても気持ちはおさまらないのに、これに遂に頭を下げ正しくない命令にさえ命令を聞き入れ従うことが出来るだろうか。いのちを差し出しても惜しくはないからいっそ国のために死のうと思う。身体髪膚は父母から授かったものなのになにゆえ髪を切られようか。一度髪を切ることになると先王の赤子が蛮人になり、鄒魯（スウロ ＊孔子・孟子）の国と自称するこのくにがすべて禽獣の国になってしまうだろう。そんなことをどうしてしなければならないのだろうか。我々は死を誓い簡略な計画があるのだから、伏して願う、皆さんは義のある勇気を前面に押し立てて奮起しともに事を為すため進んで下されば重ね重ね幸せである。乙未（1895年） 十一月二十九日 礼安 幼学 李晩鷹
琴鳳烈
牧使 李晩鳳
進士 金寿鉉
校理 李晩孝
承旨 李中斗
幼学 李中鳳
等二百二十三人右通
江陵��校（＊宛て）
旌善��校（＊宛て）
平昌��校 （＊宛て）
[別紙 第一号]
[(付属書) 第一号] 文書題目 [暴徒が出した募兵対抗文]
[暴徒が出した募兵対抗文]
右私通段時運不吉夷奴満朝亂蕩朝野臣民俱為鴻沸堂此時既至披髮之亂刻骨痛恨三千里之士民等俱是一般故各道列邑竝力咸心斥奸保国之意各募砲兵為去乎本邑兵与因散砲兵一々各募各守一境無至疏忽之地如何若以違約則移兵先討矣以此知
（訳）[暴徒が出した募兵対抗文] 上記の私の通信。
我が国の時運が悪く、蛮人とその下人たちが朝廷を占拠して乱雑を極めて秩序が乱れ、天下の臣民たちすべてが怒って一堂に集まるこの時に、すでに髪を振り乱して骨にしみる痛恨を感じるのは朝鮮半島の人民すべてが同じである。であるから各道や各邑々が力を尽くし、心を合わせてけしからぬ奴らを押さえ込んで国を守る志しのもと、それぞれに砲兵を募集する。本邑の兵と散り散りになっている砲兵を一つに集め、それぞれに一ヵ所ずつを守備させ、なおざりにならないよう力を尽くすこと。万一違約すると私は兵を押し出しまず討ち取るつもりであるからそのように覚えておくよう願う。
[別紙 第二号]
文書題目 [元山各地に貼付された脅迫檄文]
[元山各地に貼付された脅迫檄文]
削髮有難有非難事大機賞罰者勧獎之道也今不為此而以威勒削実非開化之本即是釀亂之意毋論某人願削者賞以官祿不願者帰於賊役則人皆願自願之下有何難事乎勒削之下必有変怪以此知悉而若一向勒削則警務之頭可断巡検之腰可斬十分操心做過也
（訳）[元山各地に貼付された脅迫檄文] 髪を切ることは困難なことでもあり、困難でないことでもある。これに賞や罰を契機とすることは勧奨に値する方法だ。しかしながら今このような方法を選ぼうとせず、権力者の威勢を盾（たて）に無理に削髪するというのは実に開化の根本趣旨とは異なり、即ちこれで変乱を助長しようとする意図なのであろう。誰であっても削髪を願う者は官職と俸禄を与え、それらを求めないものには卑賎な仕事を回すようにすれば、総ての人が髪を切ることを願うのであれば何が困難であろうか。無理やり削髪させようとするところに必ず異変が起きるものであり、これを全部知っていて、万一今後無理やりに髪を切ることを強行したなら、警務官の首を切り落とし、巡検の腰を斬るであろうから、覚悟して用心しながら事を進めることだ。
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