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2020年07月09日16:33

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そもそも、なぜ安倍官邸に近い河井夫妻を起訴できたのか? 東京地検「黒川外し」のカラクリ

■前法相の河井被告が保釈請求 買収目的の資金提供を否認
(朝日新聞デジタル - 07月09日 14:18)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6151214
そもそも、なぜ安倍官邸に近い河井夫妻を起訴できたのか? 東京地検「黒川外し」のカラクリ

           
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                 河合夫妻

 「東京地検特捜部は7月8日、公職選挙法違反(買収)の罪で前法相の河井克行衆院議員と妻の案里参院議員を起訴しました。特捜部は2010年1月の石川知裕衆院議員の逮捕・起訴後、およそ10年にわたってバッジ(国会議員)には手が届きませんでしたが、現特捜部長の森本宏氏は在任中に3人の国会議員を逮捕・起訴したのです」

 ある検察担当記者は、こう語る。克行前法相は昨年3〜8月、案里議員が初出馬した参院選で、94人に票の取りまとめを依頼するなどして計約2570万円を渡したとして、また案里議員は、うち5人に対する170万円の配布について共謀したとして、特捜部に逮捕されていた。

 「平成に入って以降、元職も含めて国会議員を3人以上、逮捕・起訴した特捜部長はほかに、4人を逮捕・起訴して検事総長にまで上り詰めた笠間治雄氏しかいません。2010年の大阪地検特捜部証拠改竄事件と、小沢一郎元民主党代表の秘書だった石川議員の取り調べについて東京地検特捜部の検事が『虚偽』の内容の捜査報告書を作成していたとして、2012年に佐久間達哉元特捜部長らが処分された問題の影響で『仮死状態』にあった特捜検察を、森本氏が完全に復活させたのです」(同前)

 5日後に国会召集を控えた今年1月15日、広島地検は案里議員の車上運動員に違法な報酬を支払った疑いで河井夫妻の地元事務所などを家宅捜索。夫妻宅から現金の配布先とみられるリストを押収した。これが証拠となって、捜査は本格化したとされる。

 稲田・堺・落合ラインが広島地検を動かした。そうすれば……

 「捜査は当初、7月中の『勇退』が決まった稲田伸夫検事総長、元東京地検特捜部長の堺徹次長検事、元特捜部副部長の落合義和最高検刑事部長のラインが主導する形で、現場の広島地検を動かして行われていました。

 河井夫妻などについて捜査をさせたくない首相官邸は昨年末、官邸に近い黒川弘務前東京高検検事長を検事総長に据えるため、法務事務次官を通じて稲田氏に退任を求めましたが、拒否されたことから、官邸側は1月31日、黒川氏の定年延長を強引に閣議決定したのです。

  このため東京地検特捜部を本格投入すれば、上級庁の東京高検トップを務める黒川氏が決裁ラインに入り、捜査を『邪魔』されてしまいかねないので、最高検主導で広島高検傘下の広島地検を、動かしていたのです。言うなれば『黒川外し』です。

 3月に入ってからは、広島地検に応援の形で東京地検特捜部の検事を投入。3月3日には、議員会館の事務所の捜索に乗り出しました。国会会期中には国会議員は逮捕されないという不逮捕特権の『例外』である逮捕許諾請求も一時は検討していたようですが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、逮捕許諾手続きで国会審議を停滞させることはできないと判断。5月に週刊文春の賭けマージャン報道で黒川氏が辞職したことで、特捜部が主体的に動けるようになり、会期終了直後の逮捕となったのです」(同前)

 水面下で特捜部を動かしながら、表向きは広島地検を使って河井夫妻の捜査を実質的に指揮していたのは、最高検刑事部長の落合氏だったとされる。

 落合氏「遠隔操作」の見事な手腕と“問題点”

 「落合氏は東大法学部出身の司法修習38期で、将来の東京地検特捜部長就任は間違いないと早い段階から嘱望されていた人物です。2005年に発覚した元1級建築士による耐震偽装事件では、国土交通省の刑事告発を受けた警視庁の保安課が、普段は違法風俗店の摘発などしか手掛けていなかったことから大型事件が手に負えず、東京地検から落合氏が全てを『遠隔操作』して保安課などによる捜査を指揮し、難事件を立件にまで漕ぎ着けた事実は検察内部でよく知られています。

 今回の広島地検を『遠隔操作』したケースとよく似ているのです。ただ、事件を組み立て、捜査を指揮する能力には定評がある一方で、東京地検特捜部の副部長として直接捜査に当たった2007年の元公安調査庁長官詐欺事件などでは、恫喝といった強引な取り調べ手法が問題視され、大阪地検特捜部証拠改竄事件後の検察改革で取り調べの可視化が本格導入される流れの中で、落合氏は特捜部長ポストを逃した経緯があるのです。落合氏にとって、今回の事件は『特捜検事』として最後の大仕事と言えるのかもしれません」(同前)

  通常、1年から2年とされる特捜部長の任期だが、森本氏は就任してからすでに2年10カ月に及ぶ。もうすぐ任期は終了するとみられている。

 「日産のカルロス・ゴーン前会長の事件は、東京地裁の判断ミスでレバノンへの逃亡を許し、後味の悪い結果となってしまいましたが、前法相らに加え、2002年の鈴木宗男参院議員(当時は衆院議員)による汚職事件以来、17年ぶりの政界汚職となったIR汚職事件で、IR担当の内閣府副大臣を務めた秋元司衆院議員も逮捕・起訴して、特捜検察復活の狼煙を上げた森本氏に対する検察内部の評価は盤石です。

 森本特捜部長「名古屋大卒というハンデ」

 天皇の認証を必要とする大臣級の認証官ポストである検事長にまで昇進するのは、もう確実です。森本氏は東大卒ではなく名古屋大卒という『ハンデ』はありますが、ロッキード事件を手掛けたことで知られ、東京地検特捜部長も務めた故吉永祐介氏や笠間氏のように、赤レンガ派ではなく、現場捜査派から検事総長に上り詰めることも決して夢ではないのです」(同前)

 政治の腐敗に唯一、楔を打ち込む力を持つ特捜検察が、暴走の反省の上に立って完全復活を果たしたのであれば、それは国民にとっても喜ばしいことだろう。ただし、この間も「安倍一強」などと言われる中で、森友学園問題や加計学園問題、桜を見る会前夜祭問題などの疑惑が、真相が解明されないままにされてきた。安倍晋三首相周辺は、このコロナ禍の中にあっても解散風を吹かすなど、国民不在の政争に明け暮れているようにも見える。

 巨悪を眠らせないはずの特捜検察が本当に完全復活したのかどうかは、疑惑の絶えない安倍政権と今後、どう対峙していくかが、判断基準になるのではなかろうか。


※記事元:多々木 純一郎/Webオリジナル(特集班)より
文春オンライン


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