昨日、栃木県小山市の市長選の事を書きました。
6選を目指した現職の大久保さんを破り、新人の浅野さんが当選した話です。
この選挙結果について、昨日の毎日新聞の栃木県版で誤報がありました。
誤報の紙面は、宇都宮市や真岡市などに配られたとの事で、
「小山市長に大久保氏6選」の見出しで、開票率34%時点の得票状況や、
大久保氏の顔写真、経歴を掲載したとの事で、
インターネットにも一時、大久保氏が当選したとするニュースを掲載していました。
宇都宮市で毎日新聞と下野新聞の両方を取っている人は面食らったでしょうね。
その後、毎日新聞では間違いに気付き、記事を差し替えて、
小山市などその他の地域では浅野さんの勝利を報じたようです。
この誤報が起きた事も含めて、小山市選挙管理委員会の混乱した状況が、
今朝の下野新聞に載っていましたので、この記事を元に記しておきます。
こうした混乱が起きた原因は、
新型コロナウイルス感染対策で密集を避けるため、
前回比80人減で対応した事によるようです。
さらに、市選管によると
「現職の情勢が有利と判断し、例にならって」大久保氏の票の集計や点検に
担当職員の6割を充てたとの事です。
僕は選挙の開票作業をどのようにするのか、よく分かりませんが、
優勢と目される方の人数を増やすのも合理的な気はします。
しかし、穿った見方をすれば、市選管の職員は市役所の職員です。
現職市長が喜ぶように、現職の票を早目に集計したのではないかとも思えますが。
開票速報発表は午後9時から30分おきに行われますが、
集計が遅れたため、午後9時はともに0票でした。
その後、午後9時半(開票率13%)の時点で大久保氏は5千票、浅野氏は2500票と
2倍の差がありました。
午後10時(34%)には、それぞれ1万4500票、6千票と、差が大きく開きました。
前述のように、毎日新聞はこの時の発表を元に記事を書いたようです。
この発表を受け、大久保陣営では大きな拍手が湧き、
浅野陣営には沈痛な空気が流れたと報じられています。
ところが、午後10時半(62%)になると1千票差まで一気に縮まり、
午後11時(95%)には浅野氏3万2500票、大久保氏2万4500票と逆転し、
大久保陣営では「えーっ」という悲鳴が上がり、
浅野陣営は歓喜を爆発させたとの事で、
両陣営ともに、開票速報に翻弄されたようです。
市選管では、人数を減らしても「問題なく対応する」としていたとの事ですが、
結果として開票作業が遅れ、
実際には優勢だった浅野氏の票を担当する人員が不足し、
大久保氏の集計を終えてから浅野氏の集計を急ぐ形となり、
“深夜の逆転劇”を演出する格好となったと報じられています。
一昨日の東京都知事選挙では、
投票終了の午後8時の直後に、当選確実の報道がありました。
テレビ局が、何故当選確実の報道を競争するのか理解できません。
報道の第一義は、正確さにあるのだと思います。
今回の毎日新聞の誤報が起きた原因などを検証して、
再発防止に努めて欲しいと思います。
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